マイクロアレイやマイクロ流体,あるいは創薬ロボットなどを利用したコンビナトリアルハイスループット法(CHT)は多数の化合物ライブラリーを提供することが可能であり,並行するスクリーニングとともに創薬や機能性材料の創製に貢献する.しかし,このCHTを実施するにあたっては大規模なサンプル調製が必須であり,その調製時間や膨大なコストによって利用が制限されることもある.
今回Malleらは,リポソーム表面に結合させた相補的な1本鎖DNAによってリポソームを融合させる技術に着目し,single-particle combinatorial liposome fusion mediated by DNA(SPARCLD)を開発した.この技術により将来的には,各リポソームに格納された分子間の連続的なハイスループット化学合成や解析がリポソーム内部で可能となる.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Afek A.
et al.,
Nature,
587, 291–296(2020).
2) Colin P. -Y.
et al.,
Nat.
Commun.,
6, 10008(2015).
3) Cargill J. F., Lebl M.,
Curr.
Opin.
Chem.
Biol.,
1, 67–71(1997).
4) Löffler P. M. G.
et al.,
Angew.
Chem.
Int.
Ed.,
56, 13228–13231(2017).
5) Malle M. G.
et al.,
Nat.
Chem.,
14, 558–565 (2022).
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