ファルマシア
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51 巻 , 11 号
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目次
  • 2015 年 51 巻 11 号 p. 1026-1027
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    特集にあたって:我々の身体を構成する細胞は,力(重力や伸展,浸透圧など)や電気,温度,超音波など様々な物理的刺激を識別感知するセンサー(物理受容器)を持っており,薬による化学刺激とは異なる医療標的として注目を集めている.文部科学省も,平成27年度の革新的先端研究開発支援事業の研究開発目標として「革新的医療機器及び医療技術の創出につながるメカノバイオロジー機構の解明」を発表した.メカノバイオロジーという学問分野は薬学関係者にとっても重要な領域であり,薬学との相加相乗効果が健康長寿社会の実現につながる医療技術開発を加速させる可能性が期待できる.医工学との連携を意識した本企画が,薬学分野の発展に貢献できれば幸いである. 表紙の説明:微弱電流や運動(機械伸展)などの物理的刺激が,細胞膜の物理受容器を活性化し,糖代謝機能や免疫機能の維持に寄与することを示している(メカノバイオロジー).一方,医薬品は物理受容器とは異なる作用点(化学受容器)を介して薬効を示す場合が多いことから,メカノバイオロジーと薬の融合が,相加相乗的な治療効果を生む可能性を示している.
オピニオン
  • 曽我部 正博
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1025
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    文部科学省は,去る5月15日,平成27年度の革新的先端研究開発支援事業の研究開発目標として「革新的医療機器及び医療技術の創出につながるメカノバイオロジー機構の解明」を発表した.これを受けて,日本医療研究開発機構は6月中旬から「AMED-CREST,PRIME」の公募を開始した.ここでは注目を集めているメカノバイオロジーの由来と課題について概説する.
    宇宙から帰還した飛行士や寝たきり患者は筋萎縮や骨粗鬆症を呈し,高血圧は動脈硬化などの疾患を導く.一方,マッサージやストレッチは筋の凝りや痛みを改善する.物理的な力が我々の健康維持や疾患に深く関わっているのである.これらの背後には力に対する細胞応答が潜んでいるが,そのメカニズムの多くは明らかではない.細胞には様々な化学刺激に対応したイオンチャネルや受容体が存在し,創薬の標的分子とされている.他方,細胞は骨格筋や臓器の動き,あるいは血流に由来する伸展・圧縮,流れ,静水圧などの異なる力刺激を識別感知して応答することが確実となり,「細胞力覚」と名付けられた.力刺激の多くは細胞が発生する力に由来し,細胞の形態,運動,周期,生死をオートクライン・パラクライン的に調節している.さらに驚くべきは,幹細胞の分化方向が接着する基質の硬さで決まるという発見である.細胞は力を感じるだけではなく,隣接細胞を含む微小環境の機械的情報を探知・利用しているのである.その分子・細胞機構の解明は,発生や再生における秩序だった組織形成,その破綻としてのがん発症に至るまで,まだ十分に理解されていない基礎的,臨床的課題に新たな突破口を開くものである.こうして細胞力覚は,細胞から個体にわたるあらゆる階層で重要な働きをすることが明白となり,ここ10年間で生体における力の役割と仕組みを解明し,その応用を目指す「メカノバイオロジー」という学問領域が誕生した.
    力学を利用した医療では,人工心臓・血管,ステント,人工関節や理学・作業療法など,実用化が先行しているが,その科学的基盤は十分ではない.細胞力覚の理解が進めば,これらの体系化が進むだけではなく,力覚の異常に起因する心房細動,心肥大,筋萎縮,骨粗しょう症などを,物理的医療技術と薬の併用で,より効果的に予防・治療できるようになるかもしれない.また,分子・細胞レベルでの機械刺激や機械的環境を制御するナノロボットやナノ材料を利用した革新的な医療技術が誕生する可能性もある.これに対して細胞力覚の基礎研究は爆発的に進んでいる.様々な機械受容チャネルに続いて,タリンやアクチン線維などの接着関連タンパク質がメカノセンサー分子として同定され,その動作機構の詳細が解析されつつある.しかし,分化や増殖との関係を理解するには遺伝子発現を導くメカノシグナル機構の解明が必要である.最近,力刺激に応じたアクチン動態(重合/脱重合)の下流で働くYAP/TAZのような転写調節因子が注目されている.細胞に発現する多様なメカノセンサー分子は,力刺激のモードに応じて複雑な組合せで応答するだけではなく化学受容体ともクロストークする.これらの複雑な網目を解きほぐすことが今後の大きな課題である.
    このようにメカノバイオロジーには,革新的な物理的治療法の開発と,メカノセンサー分子やメカノシグナル分子を標的とした創薬という2つの応用可能性が開けている.
Editor's Eye
セミナー
  • 甲斐 広文, 近藤 龍也, 荒木 栄一
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1033-1037
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    生体には,外界から曝露される様々な化学的あるいは物理的刺激を感知し,あらゆる環境に適応できるシステムが備わっている.このシステムを最大限に利用した人類の英知の結晶の1つが医薬品(chemical medicine)である.一方,物理的な刺激を応用した医療機器(あるいは医療手段:physical medicine)も臨床の現場で活用されているが,chemical medicineに比較し,その作用メカニズムが分子レベルで解析されているとは極めて言いがたい.ゆえに,著者らはphysical medicineを科学的に評価・検証し,刺激条件を最適化していくことにより,安全かつ効果的な疾患治療法が確立できるのではないかと考えた.
    本稿は,著者らが創薬研究者のスタンスで,新たな医療機器の開発にチャレンジした約10年間の研究成果を総説としてまとめたものであり,その中でも,特に新しい生体応答刺激(特定条件の微弱パルス電流)について,さらに,その特定の刺激を温熱と併用するという新たな疾患予防および治療法について,基礎・臨床試験の結果をもとに紹介する.
セミナー
  • 高橋 賢, 成瀬 恵治
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1038-1041
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    医療における人工多能性幹細胞(iPS細胞)の応用は,①疾病の原因の解明(疾患モデリング),②疾病に対する薬の開発(iPS創薬),および③移植治療の3つに大別される.いずれの場合も未分化のiPS細胞を特定の種類の細胞に分化させる.この分化誘導においてメカニカルストレスは大きな役割を果たすものの,一般にはこれを用いず化学物質の投与などが用いられることが多い.本稿ではiPS細胞の医療応用においてメカニカルストレスが果たし得る貢献について論じる.
セミナー
  • 岡本 芳晴, 菅波 晃子, 田村 裕
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1042-1046
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    我々は,患者(ヒト,コンパニオンアニマル等)に安全・安心な医療技術として,ナノテクノロジーによる高機能性医薬品と光テクノロジーによる医療機器を融合した非侵襲性医療システムを構築すべく研究開発を進めている.
    具体的には,インドシアニングリーン(ICG)の基本骨格にアルキル鎖またはリン脂質を修飾したICG誘導体を脂質二重膜に組み込んだリポソーム製剤,インドシアニングリーン修飾リポソーム(ICG-Lipo)を開発するとともに,ICG-Lipoによるドラッグデリバリーシステム(DDS)と近赤外線診断治療装置を併用することにより,乳がんの早期発見を可能にする「非侵襲性同定法」,外科手術が不可能な症例に対する「非侵襲性治療法」,末期がん患者に対する「質の高い緩和医療」等の創生に取り組んでいる.
    ICGを用いたがん治療に関しては,獣医領域において,鳥取大・岡本らによる先駆的な試みがある.具体的には,表在性がんを対象にがん組織に少量の抗がん剤を含有するICG溶液を局注後,光照射(光線温熱化学療法)を行ってきた.
    一方ICGを血管内に投与した場合,血漿タンパク質と速やかに結合し,肝実質細胞に取り込まれて胆汁に排泄される.そのため,センチネルリンパ節や腫瘍組織を特異的かつ長時間にわたって同定することが困難であり,深部のがんに対しては有効な診断・治療法には至らなかった.
    千葉大・田村らは,ICGの血中半減期を改善するとともに,センチネルリンパ節や腫瘍組織への特異的集積と長期間繋留を可能とするリポソーム製剤としてICG-Lipoを開発した.さらに,医薬品としてのICG-Lipoと医療機器としての近赤外線診断治療装置を併用した非侵襲性医療システムとして,非侵襲性同定法ならびに光線力学温熱療法を構築してきた.しかしながら,ヒト医療への承認段階において高い壁に行く手を阻まれていた.
    その後,鳥取大・岡本らは,千葉大・田村らからICG-Lipoの供給を受けることにより,近赤外線治療装置を併用したがん治療に関する検討を実験動物を用いて2011年1月より開始し,その安全性と有効性を確認した.また,「産学連携コンソーシアム:鳥取大・千葉大・民間動物病院・飛鳥メディカル・東京医研・立山マシン」を2013年9月に形成し,コンパニオンアニマルを対象とした獣医師主導型臨床試験による診断・治療を実施するに至っている.
セミナー
  • 富永 真琴
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1047-1052
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    細胞は,それを取り巻く環境の変化の中で,その環境情報を他のシグナルに変換し,細胞質・核や周囲の細胞に伝達することによって環境変化にダイナミックに対応している.細胞外環境に直接接する膜タンパク質は細胞膜センサーとして細胞感覚に重要な役割を果たしているが,特にTRPチャネルは化学物質刺激・物理刺激のセンサーとして注目を浴びている.TRPチャネルは多くの疾患と関連があることが明らかになっており,創薬標的になると同時に物理療法の標的にも成り得る.
セミナー
  • 田中 宏昌, 堀 勝
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1053-1057
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    近年,低温大気圧プラズマの医療応用が盛んに研究されている.プラズマとは,固体,液体,気体に次ぐ第4の状態のことで,電子,イオン,ラジカル,光などから成る複合的な状態である.名古屋大学,岐阜薬科大学などでは低温大気圧プラズマのがん治療への応用を積極的に進めているが,最近,プラズマをがん細胞に直接照射するのではなく,プラズマ照射された溶液による抗腫瘍効果を発見し,これをプラズマ活性溶液と名付けた.プラズマ活性溶液は,腹腔内に播種した卵巣がんや胃がんの治療などにも期待ができ,プラズマ創薬への道が開けたと言える.
最前線
話題
  • Kris Famm, Roy Katso, 首藤 剛
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1063-1065
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    現代の科学技術の進歩,特に医学・生命科学の進展により,人類は,寿命60~70年(最も健康水準が高い国々の寿命は約80年)の時代を迎えることとなった.しかし,このことは,皮肉にも慢性疾患の罹患率や医療費を増大させる一因にもなっている.したがって,このような現代社会において持続可能な健康・医療体制を維持するためには,新たな疾患治療法の開発が急務である.著者らは,次世代の疾患治療法として,いわゆる“薬”ではなく,生体埋め込み型の「小型電子デバイス」を用いた方法を開発中であり,本デバイスを用いた治療をElectroceuticals(適切な日本語訳は不明だが,Nature日本語版では“電気薬学”と訳されている)またはbioelectronic medicineと呼んでいる.
話題
  • 長山 和亮, 松本 健郎
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1066-1068
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    超高齢化社会を迎え,「健康」「長寿」への関心が高まる中,従来の薬や医療機器では対処できない疾患に対する新たな治療技術が求められている.その中でも人工的に生化学的環境を整えて細胞を培養し,組織を形造る再生医療が注目されている.一方,近年,細胞が生化学的環境だけでなく,力や変形などの「力学環境」の変化に応じて増殖・運動・物質産生を調整し,分化の方向までも変化させることが次々と明らかになってきている.細胞が力や変形を感知し,生化学的信号へと変換するメカニズム(メカノトランスダクション)の理解は,発生,分化,疾患,治癒などの様々な生命現象の解明に不可欠となりつつある.組織工学の分野でも,今後,より効率的に再生組織を構築するためにメカノトランスダクションの理解は重要であり,特に血管や骨など,生体内で常に荷重の変化に曝される組織を人工的に構成するためには欠かすことができない.
    現在,細胞バイオメカニクスやメカノバイオロジーの分野では,「細胞が如何にして力学環境の変化を感知し,生化学的応答へと変換しているのか」「力や変形を操作して細胞組織の構造や機能を制御できるか」といった疑問に答えるため,日々研究が展開されている.ここでは,これらの解明を目指した最近の研究動向について,我々の取組を含めて紹介する.
話題
話題
  • 眞鍋 康子, 藤井 宣晴
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1072-1075
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    運動が健康に良いということを否定する人はいないであろう.あまりにも当然と受け止めて「なぜ運動が健康をもたらすか?」を考える機会も少ないのではないだろうか.運動の効果については,全身性にエネルギー消費量を増加させることで体重や体脂肪を減少させ,過剰な脂質の蓄積が原因でもたらされる慢性炎症を改善させることが,一般によく知られている.つまり運動そのものの効果よりも脂肪の減少による効果と説明される場合が多い.しかし,脂肪を減少させるだけなら運動に頼る必要はなく,食事制限によって適正な体重を維持すればよいはずである.それにもかかわらず,「運動が健康に良い」と言われるのには相応の理由がある.近年の大規模な疫学研究では,運動が全身性に多様な効果を有することを示している(表1).この中には,必ずしも脂肪の減少が直接の機序と言えないような効果も含まれており,その多くは運動により骨格筋の量を維持することや,筋収縮による何らかの作用によって引き起こされているのではないかと推察される.
    近年,運動の多面的効果を科学的データで説明しようとする研究に関心が持たれるようになってきた.本稿では,運動による直接的な健康の効果として,1)筋への糖取り込みの変化と全身の糖代謝の影響,2)骨格筋から分泌されるマイオカイン,の2つについて創薬との関連性に言及しつつ概説する.
承認薬インフォメーション
  • 新薬紹介委員会
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1077-1081
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    このコラムでは既に「承認薬の一覧」に掲載された新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,各販売会社から提供していただいた情報を一般名,市販製剤名,販売会社名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果を一覧として掲載しています.
    今回は,51巻10号「承認薬の一覧」に掲載した当該医薬品について,表解しています.
    なお,「新薬のプロフィル」欄においても詳解しますので,そちらも併せてご参照下さい.
新薬のプロフィル
  • 菊川 義宣
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1082-1083
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    ベピオゲル2.5%は,国内初の過酸化ベンゾイルを有効成分とする尋常性ざ瘡治療剤である.過酸化ベンゾイルは抗菌作用および角層剥離作用を有している.また,本剤耐性菌の報告はなく,抗菌薬耐性菌に対しても抗菌活性を示す.過酸化ベンゾイル含有製剤は1960年代から海外諸国で尋常性ざ瘡の外用治療に用いられている.欧米では,外用および内服抗菌薬に対する耐性菌発現リスクを最小限に抑えるため,過酸化ベンゾイル含有製剤の使用が推奨され,標準治療として定着している.国内では薬剤耐性菌は大きな問題には至っていないが,尋常性ざ瘡患者からPropionibacterium acnesの薬剤耐性株の分離頻度が増加しているとの報告もある.このような背景を踏まえ,当社は本剤の開発に着手し,2014年12月に尋常性ざ瘡治療剤として承認され,2015年4月に発売した.
新薬のプロフィル
  • 竹富 聖人
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1084-1085
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    生体消毒薬は術後感染防止対策に重要な役割を担っているが,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin‐resistant Staphylococcus aureus:MRSA),バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin‐resistant Enterococci:VRE),緑膿菌など生体消毒薬に抵抗性を示す菌が報告されており,これらの菌にも効果を示す新たな生体消毒薬の開発が望まれていた.そこで術後感染予防策の一助となることを期待して,オラネジン消毒液(本剤)の開発に取り組んだ.
    本剤は,オラネキシジングルコン酸塩を有効成分とする新規ビグアナイド系殺菌消毒薬である.手術部位(手術野)の皮膚の消毒に対して効能・効果が認められ,2015年7月にプラスチックボトルに充てんした「オラネジン消毒液1.5%(200mL)」と本剤の簡便かつ衛生的な塗布が期待できる2種類の「オラネジン液1.5%消毒用アプリケータ10mL,25mL」の製造販売承認を取得した.
家庭薬物語
  • 萩尾 さよ
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1086-1087
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    効能効果:かぜの諸症状(のどの痛み,せき,たん,悪寒,発熱,頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和
    成分分量:3包(2.1g)中,アセトアミノフェン900mg,dℓ-メチルエフェドリン塩酸塩30mg,無水カフェイン75mg,カンゾウ末200mg,ケイヒ末200mg,ショウキョウ末100mg,添加物:アマチャ末,ℓ-メントール,d-ボルネオール,チョウジ油,バニリン,香料,無水リン酸水素カルシウム
    用法用量:次の1回量を1日3回,食後なるべく30分以内に茶湯又は湯水で服用してください.(年齢:1回量)15才以上:1包,11才以上~15才未満:2/3包,7才以上~11才未満:1/2包,3才以上~7才未満:1/3包,1才以上~3才未満:1/4包,1才未満:服用させないでください.
くすりの博物館をゆく
  • 池田 幸弘
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1088-1089
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    三隈川の流れる盆地に開けた日田は,江戸時代には幕府直轄の天領であったことで有名である.JR久大本線日田駅を下車し,北に15分ほど歩くと豆田の町並みが近づいてきた.豆田地区には江戸期以降に建てられた建築群が現存し,国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている.古い町並みの残されているところは国内各所にあるが,ここ日田は誠に気分がいい.それは抜けるような青空のためだけではあるまい.人心と一体となって文化として深く受け継がれているからではなかろうか.
トピックス
  • 友原 啓介
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1090
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    多置換アニリンは,医薬品に最もよく見られる構造の1つである.その合成においては,位置選択的に芳香環のC-H結合を活性化し官能基化(アミノ化)するのが最も直接的である(C-H活性化法).今回,RitterらはCatellani反応を用いてヨウ化アリール1の連続的なオルトアミノ化-イプソホウ素化による芳香環の1, 2―ビス官能基化に成功したので,以下紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Shi H. et al., J. Am. Chem. Soc., 137, 3775-3778 (2015).
    2) Catellani M. et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 36, 119-122 (1997).
    3) Dong Z., Dong G., J. Am. Chem. Soc., 135, 18350-18353 (2013).
  • 斎藤 洋平
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1091
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    近年,医薬分野研究の急速な進歩により,様々な疾病と生体内におけるタンパク質発現との関係が明らかになってきている.特に,がん細胞においてはある種のタンパク質が異常に亢進しており,そのタンパク質ががん細胞増殖の重要な因子であることが多い.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Illendula A. et al., Science, 347, 779-784 (2015).
    2) Gorczynski M. J. et al., Chem. Biol., 14, 1186-1197 (2007).
  • 堤 広之
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1092
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    これまでにペニシリンやストレプトマイシンをはじめ様々な抗生物質が真菌や放線菌などから発見され,感染症の治療に大きく貢献してきた.しかし近年,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistance staphylococcus aureus:MRSA)などの多剤耐性菌が出現し,それらの既存薬による治療が困難になってきている.現在ではバンコマイシンやリネゾリドが最後の砦になっているが,これらについても耐性菌の出現が確認されているため,新たな抗生物質の開発が求められている.このような背景のもと,Hamamotoらによって今までにない作用機序の新規抗生物質が発見されたので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Hamamoto H. et al., Nat. Chem. Biol., 11, 127-133 (2015).
    2) Kaito C. et al., Microb. Pathog., 32, 183-190 (2002).
    3) Hamamoto H. et al., Antimicrob. Agents Chemother., 48, 774-779 (2004).
  • 植田 圭祐
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1093
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    近年,新薬候補化合物の多くが低い水溶解性を示し,難水溶性に起因して十分な薬物曝露が得られず開発が断念されるケースがある.難水溶性薬物の溶解性改善を目的として,薬物の非晶質化が1つの選択肢として検討されている.結晶と比較して規則的な分子配列を持たない非晶質薬物は高い溶解性を示し,水分散時に原薬結晶の溶解度以上に薬物が溶解した過飽和状態を形成する.非晶質薬物を用いた過飽和製剤は,消化管吸収量を顕著に向上させ,難水溶性薬物のバイオアベイラビリティの改善において有効な手法である.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Almeida e Sousa L. et al., Mol. Pharm., 12, 484-495 (2015).
    2) Mosquera-Giraldo L. I., Taylor L. S., Mol. Pharm., 12, 496-503 (2015).
    3) Hoffman J. D., J. Chem. Phys., 29, 1192-1193 (1958).
  • 土屋 創健
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1094
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    運動は循環器系疾患の初回発症に対する一次予防と再発に対する二次予防の両方に貢献する.成体のほ乳動物において心筋細胞は細胞増殖を行う能力をある程度保持しており,運動は心筋細胞の細胞増殖や健全な心拡大を誘導し,循環器系疾患に対して抵抗性と修復能力を高める.網羅的な遺伝子発現比較解析により,これまでに運動が心臓の遺伝子発現プロファイルを変化させることが明らかとなっているが,その意義や分子メカニズムの実体に関してはいまだにほとんど明らかとなっていない.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Bostrom P. et al., Cell, 143, 1072-1083 (2010).
    2) Liu X. et al., Cell Metab., 21, 584-595 (2015).
    3) Uchida S., Dimmeler S., Cell Metab., 21, 511-512 (2015).
  • 矢吹 悌
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1095
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    危機的状況を回避するために,恐怖記憶の獲得・想起は必須である.一方,恐怖記憶の異常な増強は,心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder:PTSD)に代表される不安障害の引き金となる.音条件付け刺激による恐怖記憶は扁桃体に保存されており,前頭前皮質からの入力により想起されることが知られている.しかしながら,恐怖記憶想起の神経回路が時間経過によって,どのように変化していくのかいまだ明らかになっていない.本稿では,Do-Monteらによって報告された恐怖記憶想起神経回路の時間的推移における背側視床正中核の役割について紹介したい.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Johansen J. P. et al., Cell, 147, 509-524 (2011).
    2) Vertes R. P., Synapse, 51, 32-58 (2004).
    3) Do-Monte F. H. et al., Nature, 519, 460-463 (2015).
  • 西岡 康
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1096
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    尿道下裂とは,本来陰茎の先端部に形成される尿道口が異所性に陰茎の腹側に開口する奇形であり,先天異常の中では比較的高頻度で現れる.外性器の分化発達に対する男性ホルモン(アンドロゲン)の関与や,抗アンドロゲン剤の胎生期曝露による次世代雄仔への尿道下裂の誘発から,近年の尿道下裂罹患率の増加の原因として化学物質によるアンドロゲン作用の干渉が疑われているが,科学的な立証はされていない.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Suzuki K. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 111, 16407-16412 (2014).
    2) Nishida H. et al., Congenit. Anom. (Kyoto), 48, 63-67 (2008).
    3) Miyagawa S. et al., Mol. Endocrinol., 23, 871-880 (2009).
  • 田代 将貴
    2015 年 51 巻 11 号 p. 1097
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞の急性期治療や狭心症の治療においては,経皮的冠動脈インターベンションが行われており,閉塞部位をバルーンカテーテルで拡張した後,多くの場合再狭窄を予防するためステントが留置される.ステントはベアメタルステント(bare metal stent:BMS)と薬剤溶出性ステント(drug-eluting stent:DES)が用いられ,DESはBMSと比較して再狭窄を来しにくい特徴を持つ一方,ステント血栓症の発現率が高いことが問題となる.そのためDESを用いた場合,二次予防としての抗血小板薬2剤併用療法(dual antiplatelet therapy:DAPT)は,より長期に行う必要がある.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Levine G. N. et al., Circulation, 124, 574-651 (2011).
    2) Windecker S. et al., Eur. Heart J., 35, 2541-2619 (2014).
    3) Mauri L. et al., N. Engl. J. Med., 371, 2155-2166 (2014).
    4) Kereiakes D. J. et al., JAMA., 313, 1113-1121 (2015).
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