糖鎖は単糖がグリコシド結合でつながった化合物であり,細胞膜上のタンパク質や脂質などに付加し,細胞表面を覆っている.そのため糖鎖は,細胞同士の相互作用などに関わり,生体防御や組織形成といった重要な生体内イベントに欠かせない物質である.タンパク質の場合は,糖鎖修飾は
N-結合型と
O-結合型に大別され,いずれの場合も糖鎖末端にはシアル酸が付加されていることが多い.糖鎖修飾の基質はタンパク質と脂質が知られている.本稿ではこれらに加えて,RNAが糖鎖修飾の基質と成り得ることを示した報告を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Reily C.
et al.,
Nat. Rev. Nephrol.,
15, 346–366(2019).
2) Flynn R. A.
et al.,
Cell,
184, 3109–3124(2021).
3) Saxon E., Bertozzi C. R.,
Science,
287, 2007–2010(2000).
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