ファルマシア
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最新号
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目次
  • 2020 年 56 巻 7 号 p. 620-621
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー
    特集:躍進する質量分析の薬学への展開
    特集にあたって:質量分析技術は,ハードウェアとソフトウェアの飛躍的な発展により,この数十年で大きく進化し,それに伴い薬学への応用も幅広くなされるようになった.現在では,創薬ターゲット探索,バイオマーカー探索,オミクス研究,薬物動態研究,構造解析,化学診断,治療薬物モニタリングなどのツールとして,質量分析は薬学に不可欠なものとなっている.ファルマシアの特集で質量分析を最後に取り上げたのは2005年であり,それ以降の薬学での展開もめざましいことから,今回,質量分析を主題とする特集を企画し,第一線で活躍されている先生方に,最新の情報を交えながら各分野での質量分析の展開について解説頂いた.
    表紙の説明:今年2度目の表紙への登場となる日本薬学会マスコットキャラクター「長井博士」と「ドリン君」.飛行時間型質量分析装置の原理をイメージすべく,ご両名には,プラスにイオン化し,装置の中を飛行して頂いた.イオン化したご両名は電場によって加速され,飛行している.検出器に到達したご両名の飛行時間を計ることで,質量電荷比m/zが測定できる.
オピニオン
Editor's Eye
セミナー
セミナー
セミナー
  • 唐澤 薫
    2020 年 56 巻 7 号 p. 637-641
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    電子付録
    LC-MS/MSは低分子医薬品の様々な分析に使用されており、核酸医薬品についても同様な目的での使用が期待されている。しかし、核酸医薬品は低分子医薬品に比べて分子量が大きいことなどから、測定は容易ではない。また、得られるスペクトルは複雑で、様々な修飾核酸が含まれるため、構造もより複雑である。本稿では、LC-MS/MSを用いたオリゴ核酸の分析法について、実際の測定例、および開発されているオリゴ核酸用のソフトウエアを使用した解析例と共に紹介する。
最前線
最前線
最前線
  • いつもの風味でコーヒーを注ぐ
    杉本 昌弘
    2020 年 56 巻 7 号 p. 652-656
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    コーヒーの味や香りは、豆の状態や焙煎だけでなく、注ぎ方ひとつでも変化する。コーヒーはこの変化がむしろ楽しいが、成分分析はこれでは困り再現性が高いデータの取得が重要である。代謝物を網羅的に測定するメタボロミクスは、既に汎用的に利用されているが、再現性の高いデータを得るためには、注意深い試験デザインと品質制御が必要である。本項では分析の専門外の読者向けに、生体サンプルを実例とした試験デザイン、検体の取り扱い、測定、データ解析等の技術的な問題や、利用する場合の注意点を紹介する。
最前線
  • 大腸がん診断マーカー開発への応用
    川崎 ナナ
    2020 年 56 巻 7 号 p. 657-661
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    電子付録
    バイオ医薬品、診断マーカー、細胞加工製品、マトリックスなど、糖タンパク質が係わる様々なバイオ製品が開発されている。有用な創薬ターゲットの発見を期待して、グライコプロテオミクスに期待が集まる。グライコプロテオミクス手法の中心はMSである。しかし、糖鎖の構造は複雑で不均一性があり、MSには多くの課題がある。本稿では、それらの課題の解決に取り組み、大腸がんマーカー候補を見出した筆者らの研究を紹介する。
最前線
話題
  • Extractables & Leachables Test
    小野田 資
    2020 年 56 巻 7 号 p. 667-669
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    プラスチックやゴム製のシングルユース製品の普及とともに、医薬品の安全性および品質確保の観点から容器溶出物評価が重要となってきている。近年、その評価手段として“Extractables(抽出物)”および“Leachables(浸出物)”を確認することが推奨されており、ICHにおいてもQ3Eとしてガイドライン作成に向け動き出した。溶出物は多様でかつ微量まで評価する必要があるため、質量分析計での分析が中心となる。本稿では分析例として樹脂抽出液について高分解能LC/MSでの解析事例を紹介する。
承認薬の一覧
  • 新薬紹介委員会
    2020 年 56 巻 7 号 p. 671
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    本稿では厚生労働省が新たに承認した新有効成分含有など新規性の高い医薬品について,資料として掲載します.表1は,当該医薬品について販売名,申請会社名,薬効分類を一覧としました.
    本稿は,厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課より各都道府県薬務主管課あてに通知される“新医薬品として承認された医薬品について”等を基に作成しています.今回は,令和2年3月25日付分の情報より引用掲載しています.また,次号以降の「承認薬インフォメーション」欄で一般名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果などを表示するとともに,「新薬のプロフィル」欄において詳しく解説しますので,そちらも併せて参照して下さい.
    なお,当該医薬品に関する詳細な情報は,医薬品医療機器総合機構のホームページ→「医療用医薬品」→「医療用医薬品 情報検索」(http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/)より検索できます.
くすりの博物館をゆく
日本ベンチャーの底力 その技術と発想力
トピックス
  • 仲江 朋史
    2020 年 56 巻 7 号 p. 678
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    大環状ポリエンFR252921(2)とその類縁体は,新規作用機序の強力な免疫抑制剤として開発が期待されている.しかし,その効率的な合成法が報告されておらず,生物学的研究の進展の妨げとなっていた.特に,大環状構造の構築に利用されるマクロラクトン化反応におけるC2-C3位のE/Z異性化は,目的化合物の合成における大きな課題であった.
    今回Chenらは,前例のないドミノ型鈴木-宮浦/4π-電子環状開環反応を開発し,マクロラクトン合成に応用することで,10工程での簡便かつ立体選択的な2とその類縁体の合成に成功したので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Falck J. R. et al., Angew. Chem., Int. Ed., 46, 4527-4529(2007).
    2) Amans D. et al., Org. Lett., 9, 4761-4764(2007).
    3) Chen Y. et al., J. Am. Chem. Soc., 141,13772-13777(2019).
  • 岡田 智
    2020 年 56 巻 7 号 p. 679
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    一部の原核生物は,細胞内にガス小胞と呼ばれるオルガネラを有し,浮力を制御することで光合成や生育に適した水深へ移動する.一般的にガス小胞は,厚さ約2nm,幅50〜200nm,長さ100〜1,000nmの円筒形タンパク質集合体である.円筒の外部よりも内部の疎水性が高く,大気を透過する一方で水を透過しない.その性質から,ガス小胞にNMR観測核である129Xeを内包させ,MRIの造影剤として用いた研究が近年報告されている.本稿では,ガスが効率よく超音波を反射する性質を利用し,ほ乳類細胞で発現するガス小胞を超音波イメージングのレポーター遺伝子として応用した論文を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Shapiro M. G. et al., Nat. Chem., 6, 629-634(2014).
    2) Farhadi A. et al., Science, 365, 1469-1475(2019).
  • 小林 啓介
    2020 年 56 巻 7 号 p. 680
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    近年,多剤耐性グラム陰性菌の感染制御が大きな課題となっており,新規抗菌薬の開発が求められている.抗菌薬開発の歴史を振り返ると,土壌由来の微生物,特に放線菌や糸状菌が生産する二次代謝産物が抗菌物質の重要な供給源となってきた.一方,容易にアクセスできる環境から得られた微生物からは有用な化合物は取り尽くされたと考えられており,新たな探索源の開拓が課題となっている.
    本稿では,「腸内細菌叢を構成する微生物は,宿主に無毒で,大腸菌(グラム陰性菌)などとの生存競争に役立つ物質を産生しているであろう」という考えのもと,線虫の腸内細菌叢より分離した微生物より新規抗グラム陰性菌物質が見いだされた例を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Tacconelli E. et al., Lancet Infect. Dis., 18, 318-327(2018).
    2) Imai Y. et al., Nature, 576, 459-464(2019).
  • 藤戸 貴之
    2020 年 56 巻 7 号 p. 681
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    医薬品原薬は,溶解性,安定性,経口吸収性あるいは製造性を改善するために,2成分以上から構成される原薬形態である塩や共結晶がしばしば検討される.塩と共結晶を見極めることは,物理化学的特性や薬物動態特性のみならず,レギュラトリーサイエンスや知的財産の観点からも非常に重要である.Cruz-Cabezaが提案したモデルによれば,活性分子と添加剤間のpKaの差が-1<⊿pKa<4である場合,塩あるいは共結晶の形成確率を計算することができる.
    本稿では,⊿pKaが2で塩と共結晶が得られる確率が同程度のモデル化合物を用い,取得された多形関係の塩および共結晶を多面的に評価した事例を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Cruz-Cabeza A. J., CrystEngComm., 14, 6362-6365(2012).
    2) Bernasconi D. et al., Cryst. Growth. Des., 20, 906-915(2020).
  • 青柳 良平
    2020 年 56 巻 7 号 p. 682
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis: NASH)は,世界で数千万人が罹患していると推測される疾患であり,NASH患者の20〜30%は肝硬変や肝不全へと進行する.現状,NASHに対する有効な治療薬はなく,治療法の確立が求められている.生体膜やLDL中のリン脂質が活性酸素種(reactive oxygen species: ROS)などによって酸化されることで,酸化リン脂質が生成する.これら酸化リン脂質は,動脈硬化をはじめとした様々な疾患の発症や進行に関与することが指摘されている.しかしながら,酸化リン脂質とNASHの関係についてはこれまで明らかにされていなかった.
    本稿では,酸化リン脂質がNASH病態の形成を促進すること,およびその分子メカニズムの一端を明らかにした論文について紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Sun X. et al., Cell Metab, 31, 189-206. e8(2020).
    2) Que X. et al., Nature, 558, 301-306(2018).
    3) Mansouri A. et al., Gastroenterology, 155, 629-647(2018).
    4) Ucar F. et al., Redox. Rep., 18, 127-133(2013).
  • 松田 孟士
    2020 年 56 巻 7 号 p. 683
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    アルツハイマー型認知症(AD)患者の脳内ではアミロイドβ(Aβ)およびリン酸化タウの凝集・蓄積による老人斑および神経原線維変化がそれぞれ観察される.それらの凝集体や病理変化が脳内に蓄積することで認知機能の低下が導かれるが,近年それらAβやリン酸化タウを脳実質外に排出する経路として,脳間質液による血管系とリンパ管系を介したクリアランス経路が注目されている.脳間質液は,血管壁にて毛細血管基底膜から細動脈平滑筋層の中を血流とは逆向きに移動し,最終的に頸部リンパ節に流入することで脳実質外に分子を排出している.しかし,そのクリアランス経路により脳内分子の排出が駆動されるメカニズムに関しては,よく分かっていなかった.
    本稿では,二光子顕微鏡を用いたイメージングによって覚醒下マウスの血管運動による脳内物質のクリアランスについて調べたvan Veluwらの論文を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Tarasoff-Conway J. M. et al., Nat. Rev. Neurol., 11, 457-470(2015).
    2) Weller R. O. et al., Acta. Neuropathol., 118, 87-102(2009).
    3) van Veluw S. J. et al., Neuron., 105, 549-561. e5(2020).
  • 瀧井 猛将
    2020 年 56 巻 7 号 p. 684
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    世界保健機関(WHO)によると,世界人口の4分の1が結核に感染していると推定されている.2018年のWHOの統計では,結核は死因上位10に入る疾患で年間145.1万人が死亡し,世界中で1,000万人が感染している感染症である.なかでも南西アジア,アフリカでの患者数が多く,インド,中国,インドネシア,フィリピン,パキスタン,ナイジェリア,バングラディッシュと南アフリカの8か国で全体の3分の2を占める.一方,日本の近況を見ると,2018年の新登録結核患者数が15,590人,死亡者数2,204人(概数),罹患率は12.3(人口10万人あたり)であり,罹患率が10を下回る国と比べると中蔓延の状況にある.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) World Health Organization, https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/329368/9789241565714-eng.pdf?ua=1
    2) 結核の統計,https://www.jata.or.jp/rit/ekigaku/toukei/nenpou/
    3) TuBerculosis Vaccine Initiative(TBVI),https://www.tbvi.eu/eu/what-we-do/pipeline-of-vaccines/
    4) Tait D. R. et al., N. Engl. J. Med., 381, 2429-2439(2019).
    5) Mortier M. -C. et al., BMC Immunol., 16, 63(2015).
    6) Skeiky Y. A. W. et al., J. Immunol., 172, 7618-7628(2004).
  • 平賀 秀明
    2020 年 56 巻 7 号 p. 685
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル 認証あり
    医療行為に伴い発生した有害事象による患者の被害は深刻であり,世界的な問題となっている.その治療に要する費用は,医療費の10~15%を占めていると推定されており,その経済的損失もまた深刻である.
    医療行為による有害事象の中には,一部の医薬品の副作用のように回避できない性質のものもあるが,医療従事者の不注意に起因するもの等,回避可能な性質のものもある.そのため,回避可能な有害事象(医療行為によって発生した予期しない患者の負傷,合併症または死亡等の事故)に着目することは,医療安全の更なる向上に寄与する.そこで本稿では,近年の医療現場における回避可能な有害事象に関して,システマティックレビューとメタアナリシスを用いて解析した研究報告を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Panagioti M. et al., BMJ, 366, l4185(2019).
    2) 日本医療機能評価機構,医療事故情報収集等事業(第56回報告書),http://www.med-safe.jp/pdf/report_56.pdf.
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