ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
56 巻 , 3 号
選択された号の論文の44件中1~44を表示しています
目次
  • 2020 年 56 巻 3 号 p. 184-185
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル フリー
    特集:Common Diseaseの漢方治療の現状
    特集にあたって:我が国の人口構成がこの半世紀で大きく変化し,病気を診る視点も複眼化している.また,これまでの進歩による治療薬の発展もあり,様々な薬が開発されてきた.その中で漢方薬に関しても,新たな知見が得られるなど進展が見られている.そこで,2020年現在の漢方薬の現状をCommon Diseaseの範疇において理解し,さらなる発展を期待して今回の特集号を組んだ.各論的事項から読んでも,総論的事項から読んでも,漢方薬の現時点での有用な地歩は理解できるのではないか.また,傷寒論や金匱要略のみならず,明清時代の治療にまで範囲を広げて収載した.きっと,皆さんのお役に立つと思う.是非一読いただきたい.
    表紙の説明:日本薬学会キャラクターの長井くんがインフルエンザの患者に対して,漢方薬の麻黄湯(左上:杏仁,左中:桂皮,左下:甘草,中央上:麻黄)か,抗ウイルス薬のオセルタミビル(右上の構造式)か,状況によっては解熱剤のナプロキセン(右下の構造式)を処方するか悩んでいる様子を描いた.本号では,漢方の話題が中心であるが,通常の治療との対比で理解していただけると幸いである.
オピニオン
Editor's Eye
最前線
  • 加島 雅之
    2020 年 56 巻 3 号 p. 193-197
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    漢方は,中国を起源とする東アジア伝統医学の日本での名称である.その中でも,特に日本で発達したものを指す場合もある.漢方は日本でも明治時代になるまで正式な医学であったため,現代医学の対応するほぼ全ての問題に対して,対応する方法論を開発してきた.従って,通常診療活動においても漢方が応用できる場合は臨床のほぼ全ての局面といってもほかならず,極めて広範囲である.漢方には薬物療法である漢方薬をはじめとして,鍼灸や按摩などの物理療法,瞑想・導引(どういん:道家で行う一種の治療法・養生法)といった心理・運動療法が存在するが,ここでは漢方薬を,中心に現代の通常診療活動における漢方薬の利用価値について論じてみたい.
    一般に,漢方薬は慢性疾患や疾患診断以前の症状に対して,長期にわたり投与するイメージを持たれているが,医学は急性の進行・重篤な病態を改善するニードとともに発達してきているため,当然,漢方も急性疾患のために本来開発されてきた.特に日本の医療用漢方製剤147方剤のうち,およそ半分は西暦200年ごろに原型ができたとされる当時流行した致死的な急性感染性疾患に対するマニュアルである『傷寒論』と,その姉妹本ともいうべき『金匱要略』を出典とするため,特に急性期疾患に向いたラインナップといえる.今日の通常診療でも急性疾患の対応は欠かせないものであり,急性疾患への漢方薬応用の実際も述べたい.
    また漢方には,西洋医学のように病原を排除するという治療法のみならず,闘病機能や生理機能を高める,増強するという「補」という治療方針を実行することが出来る処方が存在している.超高齢化や医療の進歩に伴って,以前には考えられないほど多重の合併症を抱えた患者を通常診療場面でも多く認めるようなった.こうした人々に対して,その闘病能力,生理機能を高める治療は大きな福音と成り得る.この観点からの漢方薬応用の実際も述べることとしたい.
    以上を踏まえて,現在日本でしばしば応用されている漢方薬の日常臨床への応用法を紹介してみたい.
最前線
最前線
セミナー
セミナー
  • 新井 信
    2020 年 56 巻 3 号 p. 213-217
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    電子付録
    機能性疾患が多い消化器領域では漢方薬を用いる機会が多いが、一方で悪性腫瘍の発生頻度が高いことにも留意する。したがって、西洋医学と漢方の両医学の観点から病態を的確に把握し、両者を上手に使い分けるあるいは併用する。下痢には真武湯や人参湯、便秘には麻子仁丸、過敏性腸症候群には桂枝加芍薬湯が第一選択薬となる。消化管機能低下に起因する下痢や便秘には食習慣や生活習慣を正すことを併せて指導するとよい。
セミナー
  • 五野 由佳理
    2020 年 56 巻 3 号 p. 218-222
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    頭痛,めまいは日常診療においてよく遭遇する症状の1つである.2013年の「慢性頭痛診療ガイドライン」において5つの漢方薬が記載されているが,めまいのガイドラインにおいては,漢方薬の記載がないのが現状である.頭痛では,片頭痛や緊張型頭痛など慢性頭痛に漢方治療が適応となる場合が多く,鎮痛薬の乱用による頭痛(薬物乱用頭痛)に陥らないためにも,漢方薬の介入が必要となる場合も少なくない.めまいにおいても,難渋し反復する場合には漢方治療を試みる価値がある.
セミナー
  • 間宮 敬子, 平林 高暢
    2020 年 56 巻 3 号 p. 223-228
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    電子付録
    がん患者はがんと診断され治療を受け、完治した患者以外は、再発、治療の終了、そして終末期という経過をたどる。漢方治療は、それらすべての時期に対して効果的である。ここではがん患者の緩和ケアに対する漢方治療を紹介する。がん患者へのアプローチは、患者の苦痛を全人的に捉えてマネジメントをすることが大切であり、これは東洋医学的な考え方に似ている。緩和ケアにおいて漢方薬を活用することは、治療の選択肢が広がり、患者の生活の質の向上にもつながる。
セミナー
セミナー
  • 岡村 麻子
    2020 年 56 巻 3 号 p. 234-239
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    女性のライフステージは、小児期・思春期・成熟期・更年期・老年期に区分される。いずれの領域、ライフステージにおいても漢方治療は単独でも西洋医学との併用でも役に立ち、なくれはならない治療法である。新しい命を生み出す本能を備えているのが女性であるが、その底力を支える治療方法であり、少子高齢化対策の一助となり得る。漢方治療の恩恵を得て一人でも多くの女性が笑顔で元気に世の中を明るく照らす存在になってほしい。
FYI(用語解説)
  • 高橋 秀実
    2020 年 56 巻 3 号 p. 240_1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    「温病という概念は,2000年前に記載された「黄帝内経」の中にも「伏気温病(冬に甘受した疾病が春になると出現する)」として紹介されているように,ウイルスの持続感染症などの概念を含む,一種のウイルス感染症をさす.特に,我が国が鎖国政策に入った1640年頃より呉有性の著した「温疫論」の中には,「癘気(れいき)」という強烈な伝染性を有した口や鼻から侵入する邪気の存在が記載されているが,この「癘気」こそが現代のウイルスに相当するものと考えられ,癘気が起こす疾病が「温病」である.細菌感染が抗生物質によって制御可能となった現代では,こうした「癘気」に起因する病態が蔓延していると考えた場合,チフス,赤痢,コレラなど細菌感染症の主体が傷寒病であったと考えると,今後はEBウイルスやヘルペスウイルスなどの「癘気」による「温病」の制圧が,より重要になると考えられる.
  • 間宮 敬子, 平林 高暢
    2020 年 56 巻 3 号 p. 240_2
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    FOLFOX療法はフルオロウラシル,レボホリナート,オキサリプラチンからなり,FOLFIRI療法はFOLFOX療法のオキザリプラチンをイリノテカンとした化学療法である.両者とも進行・再発大腸がんの化学療法として開発され,FOLFOX療法は術後化学療法としても用いる.適応は大腸がんに加え,FOLFOX療法では小腸がん,胃がん,食道がん,膵がんであり,膵がんについては,両者を組み合わせたFOLFIRINOX療法も行われる.副作用として骨髄抑制,悪心・嘔吐,口内炎,味覚異常,手足症候群,脱毛のほか,FOLFOX療法ではオキサリプラチンによる末梢神経障害,FOLFIRI療法ではイリノテカンによる下痢がある.
  • 山田 秀和
    2020 年 56 巻 3 号 p. 240_3
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    炭素-炭素二重結合を持つ不飽和脂肪酸であるω3とω6の比率が動脈硬化やアレルギーに関係する.ω3/ω6が1:2を越えてω6が多くなると,死亡リスクが高くなる.一般にω3であるEPAやDHAは不飽和度が高く,細胞膜の流動性を高め,粘性抵抗を下げて血流を改善する.ω6であるアラキドン酸から産生される代謝産物は炎症惹起や血液凝固を誘導する作用がある.このため,生体ではω3/ω6の比率が重要で,臨床では比を測定して生活指導に使用している.厚生労働省は,ω3脂肪酸であるEPAとDHAを1日1,000mg以上摂取することを推奨している.背の青い魚を中心に,2日に1回は,魚をとり,えごま油,アマニ油,しそ油などを積極的に摂るのが良いとされている.
  • 岡村 麻子
    2020 年 56 巻 3 号 p. 240_4
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    電子付録
    月経前症候群(premenstrual syndrome: PMS)は,月経前3〜10日の黄体期に続く精神的あるいは身体的症状で,月経初来とともに減退ないし消失するものをいう.腹痛・乳房緊満感・腰痛・易疲労性・食欲亢進・にきび・吹き出物・眠気・浮腫・体重増加などの身体症状,いらいら・易怒性・意欲減退・不安感などの精神症状がみられる.これらの症状が月経前に毎月1つ以上あれば,PMSと診断される.月経前不快気分障害(premenstrual dysphoric disorder: PMDD)は,PMSと同時期に重症の精神症状を主体とした各種身体症状を呈する疾患をいう.米国精神医学会のDSM-5では「抑うつ症候群」の1つであり,独立した疾患とされる.重症の精神神経症状が1つ以上と身体症状をあわせて5つ以上の症状があれば,PMDDと診断される.
承認薬インフォメーション
  • 新薬紹介委員会
    2020 年 56 巻 3 号 p. 241-243
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    本稿では既に「承認薬の一覧」に掲載された新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,各販売会社から提供していただいた情報を一般名,市販製剤名,販売会社名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果を一覧として掲載しています.
    今回は,55巻12号「承認薬の一覧」に掲載した当該医薬品について,表解しています.
    なお,「新薬のプロフィル」欄においても詳解しますので,そちらも併せてご参照下さい.
新薬のプロフィル
くすりの博物館をゆく
日本ベンチャーの底力 その技術と発想力
日本人が知らないJAPAN
トピックス
  • 北村 圭
    2020 年 56 巻 3 号 p. 253
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    2-デオキシ糖は多くの生理活性物質の部分構造に含まれるが,そのグリコシド部位の構築における立体制御は合成上,必ずしも容易ではない.通常,グリコシル化はアノマー位に脱離基を持つ糖供与体をLewis酸などで活性化し,アルコールを求核剤として反応させる.この際,2位の置換基を配向基として用いる場合も多く,2-デオキシ糖のグリコシル化では配位性官能基の利用や配座の固定化などの工夫を必要とする.これに対し,Herzonらはチオ糖の還元的活性化を利用した「アノマー位の極性転換」を活用し,オリゴ糖の立体補完的合成に成功したので,本稿にて紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Hoang K. M. et al., J. Am. Chem. Soc., 141, 8098-8103(2019).
    2) Hill R. R. et al., J. Org. Chem., 81, 10707-10714(2016).
    3) Baryal K. N. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 52, 8012-8016(2013).
    4) Kyasa S. et al., J. Org. Chem., 80, 12100-12114(2015).
  • 林 一広
    2020 年 56 巻 3 号 p. 254
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    De novo protein designは計算化学を用いて自然界に存在しないタンパク質を新たに設計する手法であり,生物進化のみでは辿り着けない人智を超えたタンパク質の獲得に繋がる可能性が期待されている.立体配座の自由エネルギー状態を低く保つことで安定構造を持つ新規タンパク質の創製が達成されており,本分野は目覚しい進歩を遂げている.一方,立体配座の変換を伴うタンパク質の機能制御を志向した設計は,標的とする2つ以上の立体配座の自由エネルギー差が十分小さく,かつその他の配座が十分不安定であることが要求されるため,難易度が高い.今回著者らは,同じ結合サイトにおける分子内/分子間での競合を利用することでタンパク質機能のONとOFFを制御するシステムを開発したので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Huang P. -S. et al., Nature, 537, 320-327(2016).
    2) Langan R. A. et al., Nature, 572, 205-210(2019).
  • 成川 佑次
    2020 年 56 巻 3 号 p. 255
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    ジンコウ(沈香)は貴重な香木としてお香などに用いられる.一方で薬としても広く用いられ,漢方では喘四君子湯や丁香柿蒂湯などに配剤されるほか,種々の一般用医薬品にも配合されている.香木としての品質は香りの良し悪しで評価されるべきであるが,薬としてのジンコウの品質評価には何を指標とすればいいのだろうか?日本薬局方に収載されていない生薬の品質を定めている公定書である日本薬局方外生薬規格(局外生規)2018では,ジンコウの基原は「Aquilaria agallocha, A. crasna, A. malaccensis, A. sinensisまたはA. filaria(Thymelaeaceae,ジンチョウゲ科)の材,特にその辺材の材質中に黒色の樹脂が沈着したもの」と規定している.これは植物そのものというよりは,細菌などに感染した際に宿主側の防御応答により生じた樹脂が必要であることを示している.近年ではワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する条約)の附属書ⅡにAquilaria属植物全種が掲載され国際商取引が規制されていることから,植栽されたAquilaria属植物に傷をつけ,菌を植え付けることによって人工のジンコウを作り出す試みが行われている.今回,樹脂形成に着目し,ジンコウの品質評価法について検討した報告を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) 厚生労働省,日本薬局方外生薬規格2018.
    2) Takamatsu S., Ito M., J. Nat. Med., 74, in press.
    3) Takamatsu S., Ito M., J. Nat. Med., 72,537-541(2018).
  • 福田 光良
    2020 年 56 巻 3 号 p. 256
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    ブチルフタリド(butylphthalide: NBP)は,中国セロリの種子に多く含有される化合物である.NBPには,虚血領域の脳血流改善効果,ミトコンドリア機能の保護効果,脳神経系への損傷軽減効果などがあり,中国では急性脳卒中治療薬として承認されている.急性脳卒中による脳血管障害が引き起こされると,血液脳関門(BBB)の崩壊を招き,血液中にある様々な物質の脳への透過性は亢進する.本稿では,LiらによりNBPによる脳卒中後のBBBに対する炎症性物質などの透過性を抑制させる新たな作用機構が報告されたので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Yang L. et al., Neurosci. Ther. Soc., 21, 733-741(2015).
    2) Li J. et al., Neuroscience, 413, 99-107(2019).
    3) Menard C. et al., Nat. Neurosci., 20, 1752-1760(2017).
  • 河崎 優希
    2020 年 56 巻 3 号 p. 257
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    インスリン受容体(insulin receptor: IR)は,細胞膜上に存在する受容体型チロシンキナーゼ(receptor tyrosine kinase: RTK)である.リガンドであるインスリンと結合したIRはチロシン自己リン酸化により活性化し,下流のPI3K-Aktシグナル経路を介して速やかに細胞内にシグナルを伝達する.インスリンにより惹起される即時的な細胞応答は糖質や脂質の代謝を調節することから,肥満や2型糖尿病と深く関連する.しかしながら,IRのPI3K-Aktシグナル経路以外の生理機能発揮機構の詳細は明らかになっていなかった.Flanaganらはこれまでに細胞膜受容体の翻訳装置との相互作用による翻訳調節を見いだしてきた.本稿では,同グループが発見した,IRの核内移行による遺伝子転写促進を介した新たな持続的な作用機序を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Tcherkezian J. et al., Cell, 141, 632-644(2010).
    2) Hancock M. L. et al., Cell, 177, 722-736(2019).
    3) Shah P. et al., Cells, 8, 915(2019).
  • 大野 雄太
    2020 年 56 巻 3 号 p. 258
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    シェーグレン症候群(Sjögren’s syndrome: SS)は,涙腺や唾液腺といった外分泌腺における慢性炎症を主徴とし,ドライアイやドライマウスなどの乾燥症状を呈する自己免疫疾患であり,我が国では難病に指定されている.乾燥症状が悪化すると日常生活に支障をきたし,QOLが著しく低下する.我が国において眼表面の角膜上皮障害に対する点眼薬は市販されているものの,涙腺からの涙液分泌そのものを回復させる治療法は確立されておらず,抜本的な病態へのアプローチが急がれる.
    本稿では,免疫に関与するカテプシンS阻害薬の全身投与および点眼により,SS涙腺炎モデルマウスにおける涙液分泌量を回復させたKlinngamらの論文を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Klinngam W. et al., Sci. Rep., 9, 9559(2019).
    2) Li X. et al., Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 51, 5019-5029(2010).
    3) Hamm-Alvarez S. F. et al., Arthritis Reumatol., 66, 1872-1881(2014).
    4) Edman M. C. et al., Sci. Rep., 8, 11044(2018).
  • 坂崎 文俊
    2020 年 56 巻 3 号 p. 259
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    健康食品市場は拡大の一途である.日本の公的な健康食品制度に機能性表示食品が加わり,機能性表示食品は特定保健用食品に比べて届出のハードルが低いため,実にたくさんの届出が行われている.昭和46年(1971年)厚生省薬務局長通知(通称「ヨンロク通知」)により毒性の強いアルカロイドを健康食品の関与成分にできないこともあり,機能性表示食品の関与成分にはポリフェノール類が多い.ポリフェノール類は,酸化ストレスに対して防御機能を有すると考えられる.酸化ストレスは体の様々な部分で悪影響を及ぼすため,抗酸化物質の利用は多様な健康効果があると期待される.最近,心血管障害および高血圧に対するポリフェノール類の作用について,ヒトを対象とした疫学研究のシステマティック・レビューが報告された.食物摂取頻度調査票とアメリカ合衆国農務省の作成する栄養成分データベースから食品成分の摂取量を計算した前向きコホート研究6報を総合した結果,ポリフェノール類の分類の中でもアントシアニン類の効果が統計的に有意のようである.ここで紹介する論文は,2型糖尿病モデルマウスに,アントシアニンを豊富に含有するタルトチェリーの抽出物を投与した結果,炎症性アディポサイトカインの産生を抑制したとの報告である.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Del Bo’ C. et al., Nutrients, 11,1355(2019).
    2) Godos J. et al., Antioxidants, 8,152(2019).
    3) Nemes A. et al., Nutrients, 11,1966(2019).
  • 嶋田 沙織
    2020 年 56 巻 3 号 p. 260
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル 認証あり
    インフルエンザの治療には現代医療において西洋薬を用いることが多いが,漢方薬を用いる場合もある.麻黄湯のエキス顆粒剤の添付文書にはインフルエンザの適応があり,西洋薬のオセルタミビルやザナミビルと効果を比較した報告もある.中国でも日本と同様に,西洋医学に加えて伝統医学(中医学)がインフルエンザの予防・治療に用いられる.例えば200年以上前に確立した方剤(中医薬)の桑菊飲は現在でもインフルエンザの治療に用いられ,特に早期インフルエンザでは第一選択薬に位置付けられている.インフルエンザ様症状を示す重症急性呼吸器症候群が2003年に流行した際は,桑菊飲に黄芩,板藍根,黄耆を加えた方剤が使用された.さらに中医学の専門家は,インフルエンザの治療に中医薬とオセルタミビルの併用を推奨している.しかしながら,中医薬と西洋薬を併用した場合の薬物動態・薬力学的な相互作用については不明である.本稿では中医薬の成分が,オセルタミビルの薬物動態や薬力学に及ぼす影響を調査した報告を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Nabeshima S. et al. J. Trad. Med., 27, 148-156(2010).
    2) Saita M. et al., SciRes., 3, 300-303(2011).
    3) Zhang Y. et al., J. Ethnopharmacol., 243, 112097(2019).
会議派遣報告
追悼
Information
賞・研究奨励・助成
薬学会アップトゥデイト
交信
会合予告
カレンダー
学術誌お知らせ
講義室
最近の新刊書から
新刊紹介
次号掲載予告
編集後記
feedback
Top