未破裂脳動脈瘤の手術において, morbidityの原因となるのは, clipを先端のみえない状況で挿入し, 奥の穿通枝を損傷したり, 動脈瘤と癒着する血管の剝離の際の出血, 強い牽引による脳の損傷, 血管の引きつれによる出血, 静脈還流障害など各種があると考えられる. 無理のない術者の姿勢, 両手を使った安定した確実な操作のもと, 無血の術野で, clipの深度を意識し, 先端が常にみえるベストの視野を心がけ, 穿通枝障害を避けることが重要である. またclipのデザインによって動脈瘤と血管の癒着の剝離が必要のない例も多く, 剝離は本当に必要かどうかをよくみきわめることが大切である.
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