症例は50歳, 女性.5〜6年前より左顔面痙攣が出現.頭部単純CTで左小脳橋角部に造影されない8×5mmの均一な低吸収域を認め, 同踵瘤はMRIのT1強調画像では高信号, T2強調画像では等信号, プロトン画像ではやや高信号を呈した.左後頭下開頭にて手術を行うと, 表面が円滑な黄色の腫瘍が, 顔面神経, 聴神経を巻き込むように存在していたので, 顔面神経のroot exit zoneを一部開放するように腫瘍を部分摘出した.術後, 一過性の左末梢性顔面神経麻痺, 聴力低下が出現したが, 顔面痙攣は治癒した.顔面痙攣にて発症した小脳橋角部脂肪腫の1手術例を報告し, 文献的考察を加えた.
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