変形性頸椎症は加齢による椎間板の変性の伴う頸椎の変性であるが, 症状の発現には1)発育性の脊柱管狭窄症, 2)骨棘形成, 3)後彎形成, 4)椎体間の不安定性, 5)骨化後縦靭帯が主に関与しており, 治療法の選択にあたってはこれらの要素を吟味して決定する必要がある.治療法は変遷してきており, さまざまな治療法が提案されてきているが, 著者らはhydroxyapatite ceramicsを用いた椎弓形成術ならびに前方固定術を推薦したい.しかしながら, 長期的にみると後方法においては後彎形成や再狭窄が問題となる可能性があり, 前方法においては隣接椎間への影響と前方プレーとを用いた場合のスクリューの脱転が問題となる可能性があり, このことを考慮に入れて追跡していく必要がある.
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