脳神経外科ジャーナル
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特集 虚血性脳血管障害
  • ―病態診断と治療選択―
    内田 和孝, 吉村 紳一, 白川 学, 山田 清文
    2021 年 30 巻 11 号 p. 764-772
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/25
    ジャーナル フリー

     頚動脈内膜剝離術の有効性が確立した後, そのハイリスク症例に頚動脈ステント留置術が行われ, 両者のランダム化比較試験が複数報告されている. しかし, これらのランダム化比較試験は, 症候の有無と, 狭窄度のみに基づいて治療方法の決定がなされる. より良好な治療結果を得るために, それらに加えてプラーク性状や脳血流評価も重要である. 術前に頚動脈エコー, MRI, CTA, 脳血管造影, 脳血流検査などで, プラークイメージングやアクセスルート, および脳血流が評価され, 不安定プラーク症例や高度石灰化病変, および大動脈などアクセスルートの評価に有効である.

     頚動脈狭窄症の治療は病態診断に基づいた安全な治療法の選択が重要である.

  • 大島 共貴
    2021 年 30 巻 11 号 p. 773-777
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/25
    ジャーナル フリー

     急性期血栓回収術に関する最近のエビデンスを整理して, 現時点での適応の限界を知ることを目的とした. 血栓回収術は5つのランダム化試験の結果を受けて, 現在の普及につながってきた. 近年は適応拡大に関する未解決領域のエビデンスが続々と報告され, 国内外のガイドラインも度々改定や追補されている. 最終健在確認時刻より6~16時間経過した症例への血管内治療の有効性が強く示された. M2以遠の末梢動脈閉塞症例の血管内治療の有効性も報告されている. 一方, 後方循環閉塞症例や広範梗塞症例への血管内治療の有効性を調べる試験も現在進行している. 血栓回収術の適応は, 今後も臨床試験の結果で拡大されると思われる.

  • ―現状と問題点―
    河野 浩之, 平野 照之
    2021 年 30 巻 11 号 p. 778-784
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/25
    ジャーナル フリー

     心原性脳塞栓症への抗凝固療法はnon-vitamin K antagonist oral anticoagulants (NOAC) を主に用い, 発症2週間以内が開始時期の目安である. 非心原性脳梗塞の急性期の抗血小板薬併用療法 (dual antiplatelet therapy : DAPT) は3週間をめどに行う. 長期DAPTにはシロスタゾールがよい選択肢となる. 塞栓源不明脳塞栓症 (embolic stroke of unknown sources : ESUS) に対するNOACはアスピリンを上回る効果は認めなかった. ESUSの原因には潜在性心房細動や卵円孔開存, 動脈原性脳塞栓症などが考えられ, 個別化が必要である. 抗凝固療法中の出血には拮抗薬で対処する. 血管危険因子の管理として脂質はLDLコレステロール70mg/dl未満を目指す. がん関連脳梗塞にはヘパリン皮下注が可能である.

  • ―病態と治療―
    髙木 康志
    2021 年 30 巻 11 号 p. 785-792
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/25
    ジャーナル フリー

     頭蓋内動脈狭窄は, 内科的治療によっては再発率が高いとされ, また現時点で脳血管内治療の有効性についてもいまだエビデンスがない. また, 欧米に比べアジアで多いとされている. 頭蓋内狭窄病変について, その病態と治療について現状を述べる. 中でも鑑別診断とMRI所見との関連, 現在のエビデンス, さらにはわれわれの施設での実情を加えて報告する.

温故創新
症例報告
  • 土屋 亮輔, 栗栖 宏多, 後藤 秀輔, 小林 理奈, 小泉 博靖, 櫻井 寿郎, 小林 徹, 竹林 誠治, 瀧澤 克己
    2021 年 30 巻 11 号 p. 796-803
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/25
    ジャーナル フリー

     解離性脳動脈瘤破裂に対し開頭術で治療した2症例を報告した. 症例1は血腫の局在と前大脳動脈 (A1部) のわずかな形態変化から, 同部の解離の破裂と診断した. 血腫除去, および直視下に穿通枝を温存した破裂点を含む母血管のtrappingを施行した. 症例2は右椎骨動脈解離の破裂で, 対側椎骨動脈はposterior inferior cerebellar artery (PICA) endであった. 破裂点を含んだ血管形成的なpartial clippingを行い, 椎骨動脈の血流温存を図った. 穿通枝や母血管の血流温存を図りながら急性期の再破裂予防を達成するという観点からの開頭手術の有効性が示唆された.

  • 藤原 聡, 福本 真也, 宮﨑 幸大, 麻生 健伍, 市川 晴久, 尾上 信二, 岩田 真治, 大上 史朗
    2021 年 30 巻 11 号 p. 804-810
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/25
    ジャーナル フリー

     慢性骨髄性白血病の治療に使用されるチロシンキナーゼ阻害剤 (tyrosine kinase inhibitor : TKI) の有害事象の1つとして末梢動脈閉塞性疾患がある. 第二世代TKIであるニロチニブの長期服用下に多発動脈狭窄をきたした1例を経験したので報告する. 31歳時に慢性骨髄性白血病と診断され, 37歳時より15年以上にわたりTKI (ニロチニブ5.5年間) が継続されてきた. 脳血管撮影で胸部・頚部血管に多発性の狭窄病変を認めた. TKIは中止し, 左椎骨動脈起始部の高度狭窄に対し経皮的バルーン拡張術を施行した. 診療にあたり, ニロチニブによる多発動脈狭窄の可能性があることを知っておく必要がある.

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