optic gliomaが成人に発症することは稀であり,発症した場合には,臨床的にも組織学的にも悪性の所見を呈することが多い.今回われわれは,視神経原発と考えられる悪性神経膠腫の1例を経験したので,報告するとともに,過去において報告されている成人に発症しだ悪性optic gliomaの症例について考察する.症例は62歳の男性.左眼視力抵下にて発症し,約2カ月で左眼失明に至った.画像診断にて左側頭葉と左視神経に腫瘍性病変を認めた.手術にて摘出した両溝変の組織学的診断はanaplastic astrocytomaであった.術後,放射線療法(全脳40Gy,局所50Gy)と化学療法(carboplatin, etoposid, MCNU, vincristine)を施行した.その後,腫瘍は大脳基底核,内包にまで進展し,症状発現から約9カ月で死亡した.
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