日本教科教育学会誌
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6 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 伊藤 俊彦
    原稿種別: 本文
    1981 年 6 巻 4 号 p. 1-6
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    筆者(1980)は,小学生を被験者にとり,米国で開発された4種の算数(数学)に対する態度測定用具-DAS(Thurstone型尺度),AAS(Likert型尺度),MBSD(SD型尺度),ASD(SD型尺度)-を用いて「小学生の算数に対する態度分析」を試みた。その結果,4種の態度尺度は信頼性,妥当性を有し,主として「きらい-すき」の次元を測定していることが実証された。本報告はその続きでAikenの価値尺度(V)は算数(数学)に対する価値を測定しているかどうか被験者を小学生にとり検討した結果,その尺度の妥当性が得られた。そこでこの価値尺度(V)と先に実証された主として「きらい-すき」の次元を測定している4種の態度尺度との関連を試み,小学生は算数に対する興味と価値を無相関に近い(ある程度独立である)弁別をすることを実証した。
  • 鎌田 次男
    原稿種別: 本文
    1981 年 6 巻 4 号 p. 7-13
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は,秋田大学教育学部附属中学校三年生を被験者として数学に対する態度と数学の学力との関連,および数学に対する態度と学力向上要因の数学の学力に及ぼす影響をデータ解析を主として明らかにすることである。湊が開発したMSDによって測定された数学に対する態度スコアの因子分析の結果は,被験者の数学に対する態度が小学校教員志望学生のものと類似のものであることを示している。また,数学に対する態度と学力向上要因の数学の学力に及ぼす影響も調べられた。その結果,数学に対する態度は数学の学力に影響があることにおよびこれらの間にはかなり高い相関があることも見出された。
  • GO TANI
    原稿種別: 本文
    1981 年 6 巻 4 号 p. 15-22
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    これまで,知覚-運動スキル学習の適応過程を一連の研究において検討してきた。今回は,これまでに得られた知見にもとづいて,次のような仮説を設定し,それを実験的に検討した。つまり,知覚-運動スキル学習の適応過程を考えた場合,運動課題を解決するための運動系列における反応選択の自由度は大切であること。しかし,学習のある段階においては,運動系列のプログラムを与えることが必要であること。そしてさらに,その運動系列を構成する要素は計画され,サブ要素は自由でなければならないということについて検討した。そこで反応選択の自由度に基づいて2つのグループを設け,スキルの系列学習を行なわせた。実験データは,試行数,試行遂行時間,成功試行数,予測およびタイミングといった5つの観点から分析された。その結果,反応選択の自由度の高い条件で学習したグループが,自由度の低い条件で学習したグループに比較して,適応事態で全般的に高いパフォーマンスレベルを示した。
  • 本間 聖康, 後藤 幸弘, 風間 建夫, 松下 健二, 辻野 昭
    原稿種別: 本文
    1981 年 6 巻 4 号 p. 23-29
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    中学校における短距離走教材の学習指導法を検討するにあたり,前報では100m疾走経過における速度,歩数,歩幅関係の実態を明らかにした。本報ではその実態にもとづいて,ストップ・ウォッチと巻尺(メジャー)を使って,生徒自身でも疾走経過が簡易に記録できる方法を検討した。さらに,電気時計の計時記録をもとにして,手動式ストップ・ウォッチによる計時誤差についても検討を加えた。得られた結果を要約すると次の通りである。(1)ストップ・ウォッチによる5地点(スタートより,25m,35m,50m,80m100m)での計時記録と歩幅の実測にもとづく簡易記録法は,疾走経過を生徒自身に把握させ授業を展開するうえで使用に耐え得ると考えられた。(2)一般に,ストップ・ウォッチによる計時記録は,電気時計による計時記録より短縮され,計時誤差は,計時員が中学生の場合は公認審判員の場合より大きく,個人内,個人間にもかなりのばらつきがみられた。
  • 出納 孝子, 内藤 貴美子, 有富 正和
    原稿種別: 本文
    1981 年 6 巻 4 号 p. 31-36
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    小中学校の教材としての観点から,炊飯についての実験方法を再検討した。米の吸水率や膨潤率を測定するためには形の整った米粒を選んだり,恒温で実験を行う必要は必ずしもないことを明らかにした。吸水に伴う膨潤を教示したり,火加減や水加減が炊飯には重要であることおよび炊き上がった飯の重量や体積は元の米に比べて何倍になるかを教示するためには,ビーカーに図1に示すような蓋をすればよいことを示した。
  • 大沢 俊成
    原稿種別: 本文
    1981 年 6 巻 4 号 p. 37-41
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    実験の中で,被験者である高校生は, S+V+OまたはS+V型の単文を使って,英語の動詞の内包的意味を学習する際に,記憶の補助としてカッコで示された形容詞を利用するように指示された。(例:People(saving)CONSERVE natural resources.)その形容詞というのは,著者が以前行なった一連の調査に基づいて選んだもので,仮定として,文中で動詞が主語や目的語等に課しているいくつかの意味素性のひとつと一致すると考えられる形容詞であった。被験者たちは,このような方法で覚えると効果的に記憶できるという。現に,この方法に依らずに覚えた被験者と比べてみたところ,形容詞の補助によって覚えた被験者のほうが,はるかによく記憶していた。すなわち,予想した通り,動詞の意味素性のひとつと一致する形容詞を利用した被験者は,ひとつひとつのテスト文の動詞の概念を心像として心の中に形成していた。この方法は,遅延テストでも有効であることが証明された。
  • 縫部 義憲
    原稿種別: 本文
    1981 年 6 巻 4 号 p. 43-47
    発行日: 1981/10/31
    公開日: 2018/01/21
    ジャーナル フリー
    従来の外国語教育の最大の問題は,認知面を強調しすぎて,学習者要因,つまり,情意面を軽視,時に無視してきたことである。情意面は,相互作用領域と相関が高いことかわかった。この両者をペアーとして,認知面との結合という図式を外国語教育の中核に位置づける観点から,つまり,合流教育の視点から,このアプローチが成立するための前提である教室環境(人的な面)づくりを考察する。カウンセリングのアプローチの外国語教育への応用を試みた。内発的動機づけのストラテジーとしての雰囲気づくりが,本論文の主眼点である。
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