種々の教材・教具の学習の媒体としての使用と学習効果との関係についての,数回にわたる実験授業の成績を総合的に考察して,教科書によれば,言葉が正確に,かつ,容易に記憶され,また,言葉による概念や理論の把握・記憶-記号的把握-がよくなり,スライドやOHPなどによれば,映像的な把握・記憶-映像的把握-がよくなり,実物観察によれば,具象的,実体・実態的,全体的な把握・記憶-具体的把握-がよくなり,実習によれば,操作的な把握・記憶-行動的把握-がよくなる,などの傾向が見いだされた。このように,「教材・教具-学習の媒体-がもつ情報に相応する内容や性質などが学習(あるいは,認知)され易い傾向」を,「情報の受容型学習(あるいは,認知)の優勢傾向」と呼ぶこととしている。ここに,このような研究成績について報告いたしたい。
抄録全体を表示