日本教科教育学会誌
Online ISSN : 2424-1784
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5 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 荻巣 正義
    原稿種別: 本文
    1980 年5 巻1 号 p. 3-9
    発行日: 1980/01/31
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    問題解決活動が知識の伝達に終始し,人間の教育を失いそうになりつつある現実を直視し,どうしてそうなっていくのかを考察し,問題解決活動の本来の姿をとりもどそうとしたものである。現在の子どもの欠如しているものをアンケートから考察し,その原因を教科教育学の立場から現在の学校教育を見なおし,更に,力強く生きる子どもにするための考察,また自己発見や自己実現の重要性を説きさいごに人間性に根ざす問題解決がいかなるものであるかを子どもの欲求とのかかわりによって解明しようとしたものである。
  • 松本 勝信
    原稿種別: 本文
    1980 年5 巻1 号 p. 11-16
    発行日: 1980/01/31
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    本研究は,児童生徒の自然を対象とする観察・実験活動に伴なう心理生理的活動の解析をとおして,理科教育の具備すべき条件を明らかにしようとする研究の一部を担うものである。本小論においては,女子学生13人を学習者とし,観点変更の有無と対応させた2種の観察活動に伴なう脈波及び呼吸曲線をQモード因子分析を用いて分析した。その結果,(1)観察対象が同一の事物現象であっても,観点変更を必要とする場合には3因子が,それを必要としない場合には2因子が抽出された。(2)前者の3因子は後者の2因子と新たな別の1因子からなるものであった。(3)それらは, (イ)安静・落ち着きに対応する因子,(ロ)新たな問題場面に対する認知的・情動的緊張に対応する因子,(ハ)問題解決に必要な新たな情報探索のための観点変更に対応する因子,と解釈できるものであった。したがって,今回用いた手法は,観察に伴なう内的な精神活動の把握に有効なものになり得ると考えられる。
  • 榎谷 利明
    原稿種別: 本文
    1980 年5 巻1 号 p. 17-23
    発行日: 1980/01/31
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    理科教育における教科と学習の特性,テレビ視聴による学習(放送学習)の特性を明らかにし,両者が互に刺激しあって高まり相乗効果を発揮する発展学習とその具体的方法について実践をふまえて考察し,論理の構成とその運用を能力化させる放送による教育の設計を提案するものである。
  • 川原 浩, 野波 健彦
    原稿種別: 本文
    1980 年5 巻1 号 p. 25-30
    発行日: 1980/01/31
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    学校音楽教育において,「音楽の美しさを味わって聴く」ということが慣用句になっている鑑賞領域の教授・学習活動は,多くの場合,教える側は"聞かせた",そして学ぶ側は"聞いた"というだけのことですまされている。しかしそれだけのことでは学校教育における真の意味の鑑賞教育とは言えない。教師は聞かせた音楽に基づいた鑑賞の学習が成立したかどうかということを何らかの方略に基づいて知る必要がある。この点に関しては,前号でも述べたように,まず第一に,学習者たちがこの音楽は"聞ける"ということを教師が知ることである。それによって,この音楽は"聞かされる",また"聞かさねば"ということが判断できるものである。本論は,学習者たちが"聞ける"ということを判断する基準の妥当性を,小・中・高の児童・生徒,および音楽専攻の大学生らを対象として再確認した実験的研究の結果を述べたものである。
  • 山本 紀久子, 堤 貴美子
    原稿種別: 本文
    1980 年5 巻1 号 p. 31-37
    発行日: 1980/01/31
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    調理実習における問題点として,児童・生徒の作業への参加度が低い,作業過程を部分的にのみ担当することが多い等が挙げられる。また,家庭での調理者は一人であることから,調理実習におけるグループ作業の学習形態を考え,その効果をみた。教材は小学校第六学年「米飯とみそ汁」。実践学級を一学級とり上げ実験群の調理実習においては,常時,作業者を一人とし,他の者は観察し,調理課程において問題が生ずれば,そのつどフィードバックを行い,最終的に全員が調理作業過程をみるように,あるいは,いつでも作業者になれるような学習形態を行った。調理実習以外の学習においては同質のものに近づけるようにした。そして,学習形態について児童の自己評価,授業評価の結果で考察を行った結果以下のことがわかった。対照群と比較して実験群において○学習形態に対する児童の評価は好意的であった。○自己評価では,作業過程・能率・手順に関する項目の興味・関心が高かった。
  • 三戸 昭, 小林 葉子
    原稿種別: 本文
    1980 年5 巻1 号 p. 39-45
    発行日: 1980/01/31
    公開日: 2018/01/07
    ジャーナル フリー
    K高校の家政科クラブの我々の指導の目的はクラブ員にクラブ活動における実証的な実験,現実的な観察を通して正しく認識させることである。クラブ活動の課題はクラブ員の母親の生涯教育における現実的な問題(健康・栄養分野)の分析から選んだ。家政科クラブの主な実験の我々の指導は次の通りである。1.衛生的(細菌学的)実験(a)消毒(b)手・髪・水およびあらゆる食品からの大腸菌群および一般的な細菌の分離・培養(c)イーストによる培養・醗酵2.血圧(a)クラブ員の血圧測定(b)クラブ員の親の血圧測定3.尿検査将来性のある方法・技術の指導は終始興味を引き,そしてすべてのクラブ員が認識を新たにした。
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