日本教科教育学会誌
Online ISSN : 2424-1784
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16 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 西川 純
    原稿種別: 本文
    1993 年16 巻2 号 p. 37-40
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    本研究では,正しい計算方法を選択する高校生の能力を調査した。高校生に,巨視的時間・空間で扱われる数値(百万年,光年)を与え,それらの差と比を算出させた。その結果,ほとんどの高校生は巨視的な時間・空間で扱われる数値の意味を理解できなかった。また,それらの数値を適切に操作することが出来なかった。
  • 太田 昌子
    原稿種別: 本文
    1993 年16 巻2 号 p. 41-46
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    第1報〜第3報では,食品重量判別能力の年齢的発達,男女差,形成要因,心理的特性などについて検討し報告した。今回はこれまでに得られた知見をもとに,大学生を対象とした食品重量判別能力向上のための学習を試み,その効果を確かめるとともに,今後小・中・高校の家庭科に導入する際の参考に資することとした。学習後のテスト,意識調査の結果,実験群の重量判別能力は統制群に比べかなり優位であり,また学習に対する興味,このような学習を家庭科に導入することへの支持率はいずれも男女ともにかなり高かった。これらの結果から,食品重量判別能力向上のための学習を家庭科に導入することは望ましいことと考えられた。また種々の食品重量を判別する基準として有用な食品・器具の条件について検討した結果,日常性,普遍性,水との互換性などの条件が考えられた。今後はさらに学習方法の向上や学習に適当な発達段階の検討が必要と考える。
  • 松本 和子
    原稿種別: 本文
    1993 年16 巻2 号 p. 47-52
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    第2言語学習研究における最近の顕著な動向の1つとして,学習者が学習プロセスにおいて用いるストラテジーに関する研究の普及が挙げられる(cf. O'Malley and Chamot 1990,Oxford 1990, Wenden and Rubin 1987)。この動向の中で,第2言語の学習あるいは使用に関わる精神的プロセスに関する言葉による報告データを学習者から引き出す研究方法として新たな注目を集めているのが,内観(introspection)と呼ばれる方法である。内観的方法は,同時的と回顧的の2種に分類され,思考を声に出す方法(think aloud)は,前者,アンケート(questionnaires),インタビュー(interviews),日記を書く方法(diary keeping)は,後者の代表例である。本稿(I)では,内観的研究方法に関する記述,説明,及び,第2言語学習に関する内観的研究の現状を,(II)では,内観的研究の再評価,及び,今後の研究への提言を含め,将来への展望を扱う。
  • 中山 玄三, マサイエス フロイド
    原稿種別: 本文
    1993 年16 巻2 号 p. 53-62
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    本研究では,小学校高学年児童・中学校生徒を対象とするプロセススキルのテストを開発した。POPS (Performance of Process Skills)は,実験課題の同定,変数の同定,仮説の設定,実験計画,データのグラフ化,データ解釈の6つのプロセススキルを評価する21項目からなる選択肢形式のペーパーテストである。項目の選定に当たっては,クロニンとパディラ(1986)により開発されたMIPT (Middle Grades Integrated Science Process Skills Test)を参考にするとともに,テストの読解性(FOG係数)と内容の妥当性を検討した。さらに,アメリカ・ノースカロライナ州において,1402名の第6,7・8学年の児童・生徒を対象にPOPSテストを実施し,信頼性係数(KR-20),項目の難易度,項目の識別度,点双列相関係数から,テストの信頼性を検討した。その結果,POPSテストの妥当性および信頼性が保証された。
  • 小柳 真由美
    原稿種別: 本文
    1993 年16 巻2 号 p. 63-72
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    音楽学習における問題解決活動について,先に筆者は「学習者があらかじめ決められた到達点に向かっていく問題解決」と「学習者が自ら到達点を定めていく問題解決」があり,特に後者が音楽科として注目すべき問題解決であることを明らかにした。本研究はその継続研究であり,特に後者のタイプの問題解決にみられる諸特徴,諸問題を検討したものである。まず,先行研究を参考にこの問題解決について検討し,「自ら到達点を定めていく」とは質を創造し構成することであり,すなわちそれは質の問題解決であることを明らかにした。また,その質を評価するために教師は表現目標という目標観を持つことが必要であった。次にこうした問題解決活動による授業実践を行い,そこにみられる児童の学習展開を分析した。さらに,先行研究での検討結果とあわせて,この児童の学習展開についての考察を行った。
  • 近藤 和美
    原稿種別: 本文
    1993 年16 巻2 号 p. 73-79
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    保育園に在園する2歳から6歳の幼児を対象として,子供が五感を通じて外界の未知の世界を認識していく過程を検討した。言葉の未発達な幼児の思考を覗き見るには,発達段階に応じ,絵画像と言語との双方を手掛かりとする必要があると考えた。物語として関連した7枚の絵を対象児に順序を入れ替えて提示し,反応を調査した結果は,最年少児(2-3歳)では対象を各々断片的に捕らえ,年少児(3-4歳)は,対象のなかの類似する画像を結びつける傾向にあり,年中児(4-5歳)では画像の類似だけでなく,因果関係を見出した。さらに,年長児(5-6歳)では画像全体を構築し,一つのストーリーを作り上げるようになるという結果が得られた。
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