教授学習過程を教師と学習者との相互作用としてのコミュニケーション過程として捉え,言語的,非言語的行動を含めた簡易授業分析用カテゴリーシステムを開発した。このシステムは,教師行動10,学習者行動8,授業以外1の計19のカテゴリーで構成され,コミュニケーションの視点から,教師,学習者行動ともに共通のカテゴリー及び対になるようなカテゴリーを用意している。データは,行動の意味単位毎に,カテゴリーと継続時間(1秒単位)のペアで時系列に収集される。データの入力及び処理には,マイクロコンピュータを導入している。本システムは,カテゴリー数を少なくして簡易化をはかるとともに,カテゴリー化に際して教授意図及び学習行動の判断を必要とするように設計されているので教育実習生の訓練に活用することが可能である。又,本システムを教育実習中に知覚作用にもとづく授業観察・判断訓練に適用し,有効に機能するという知見を得た。
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