高等学校家庭科カリキュラムを,人間発達,生活環境の視点から構想し,その評価を行うことを目的とする。まず,広島県高等学校家庭科教員320名を対象に,1992年1月カリキュラム構想に関する意見を聴取するための調査票Iを送付した。回収率は38.5%であった。ついで,全国高等学校家庭科教員230名を対象に,1994年3月カリキュラム構想の評価を求める調査票IIを送付した。回収率は36.5%であった。回収率の低さは一般に25〜40%の範囲とされる郵送法の限界によるもので,積極的回答者の意見という限界を持つ。結果の概要は次の通りである。1「家族・保育」領域の学習項目,「経済・消費」領域の学習項目についての意見をもとに,家政学のパラダイム変換を考慮し,シークエンスに人間発達を,スコープに生活環境を設定したカリキュラム構想を試みた。2カリキュラム構想の評価にあたって,人間発達の視点の導入については,肯定的意見が90.5%,生活環境の視点の導入については,肯定的意見が86.9%みられ,ほぼ,肯定されているといえる。
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