日本教科教育学会誌
Online ISSN : 2424-1784
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14 巻, 1 号
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  • 井上 照子
    原稿種別: 本文
    1989 年 14 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1989/09/25
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    実習終了期に行われる研究授業「指導計画」の評価及びその改善に関する評価結果について,実習生の大学での模擬授業,中学・高校での実習及び実習指導者と実習生による各評価と相互間の評価について比較を行い,さらに実習校の「教育実習評価」も含めて最終的な「指導計画」作成能力の形成を検討した結果,1.「指導計画」の評価は,学生・教諭共通しており<教材・資料>,<学習形態>の項目が高く,<教師の働きかけ>の項目が低い。学生評価は,中学・高校における実習において同様であるが,教諭評価は,中学では<他教科,既習教材との関連>の項目が,高校では<興味・関心>の項目が低い。2.「指導計画」の改善に関しては,学生・教諭,中学・高校共通に<教材の生活実態からの必要性>,<受け身ではなく生徒自らの活動>の項目が高い。かかる能力形成をふまえ,今後においては指導技術の向上と,それを支える「指導計画」展開部分の組織化が求められる。
  • 太田 昌子
    原稿種別: 本文
    1989 年 14 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1989/09/25
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    さきの第1報では,食品重量判別能力の学年差及び男女差について報告した。本報では,このような能力の形成に関わりを持つと考えられる要囚について検討した。2つの食品重量判別能力テスト成績のそれぞれについて,検査器による重量知覚テストの成績,食生活への関与状況調査結果,計量器に関する調査結果との関連性を検討した。その結果何れの場合も関連性は認められなかった。このことは,純粋な重量知覚や,一般的な食生活体験は食品重量判別能力の形成に関与していないことを示している。しかし,第1報で明らかにしたように,食品重量判別能力に年齢的発達がみられるのは確かであり,その形成は,加齢に伴う一般的な知能をはじめ人格の諸特性の発達に関わっているものと推察される。また一方,食品の重量判別は,知党による判別ではなく学習で得られた知識によってなされる場合も多いことが示唆された。
  • 杉山 晴信
    原稿種別: 本文
    1989 年 14 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 1989/09/25
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    従来から,商業英語教材の殆んどは,貿易取引の各段階における模範レターを学ばせる方式をとってきたが,近時,いわゆる「組立式」が普及し,好評を博している,両者は極めて対照的な特徴を有しており,商業英語教材として比較した場合,とりわけ学習者要因を軸として,教材としての適否が逆転する。本稿では,上記2つのタイプの商業英語教材の長所を融合した折衷的な指導法として,貿易通信文のスケルトン・プランを一般化することによって構文指導を行うことについて考察する。これは,レター形式のテキストを使用して貿易取引段階の枠組を堅持しながらも,指導の焦点を全体としてのレターから個々の構成要素たる構文へと転換し,スケルトン項目に対応する一定数の範例構文を基礎とした応用練習の過程でletter writingの技術を効果的に指導しようとするものである。
  • 丸山 真司
    原稿種別: 本文
    1989 年 14 巻 1 号 p. 25-33
    発行日: 1989/09/25
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー
    本稿では,「わかる-できる」体育授業を目指すという観点に立って。体育授業のコミュニケーションにおける比喩的表現の役割と位置づけについて考察した。考察は以下のようにまとめられる。第一に,体育授業における比喩的表現は学習者の"共感覚性"を利用することによって習得すべきスキルの本質的属性をイメージとして引出しスキルの習熟を促す役割を果たしうるものと考えられる。第二に,比喩的表現は学習者の認識が感覚的・経験的な,認識の段階からより高次な認識(原理的・法則的・科学的な運動技術認識)の段階へと允展発展していく過程においてその活動を促す媒介的な役割を果たしうるものと考えられる。第三に,体育授業においては比喩的表現を相互説得の論理をもつものとして位置づけることが認識の発展や学習集団の組織化を目指す授業にあっては重要になると考えられる。
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