日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
4 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • NK-IFNシステム
    湊 長博, 狩野 庄吾
    1981 年 4 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 1981/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 矢崎 信, 原口 惣一, 松尾 哲道, 杉本 公行, 本郷 輝明, 赤座 達也, 吉田 孝人
    1981 年 4 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 1981/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    健康成人の末梢血より樹立したヒツジ赤血球に対する抗体を産生していないB細胞株を試験管内で抗体産生細胞へ分化成熟できるか検討した.
    方法: EB virusの自然感染した成人よりB細胞株を樹立し,そのB細胞株をEロゼット法によって分離したT細胞とともにPWMの存在下で7日間培養し, 7日目にCunningham法によりヒツジ赤血球に対するIgM抗体産生細胞を検出した.
    結果: (1)樹立したB細胞株は表面免疫グロブリンを2%しか保有しない段階のB細胞でPWMを加えても抗体を産生しない. (2)樹立したB細胞株に同一人の末梢Tリンパ球を加えてPWMの存在下で7日間培養すると, B細胞株は分化成熟してヒツジ赤血球に対するIgM溶血抗体を産生するようになり, 191±130個/cultureのPFCが検出された.この抗体産生系は,ヒトの抗体産生機構を解析するためのよいモデルになると考えられる.
  • 橋本 博史, 歌川 祐二, 笹川 澄子, 塩川 優一, 鈴木 重男, 富山 哲雄, 石戸 利貞
    1981 年 4 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 1981/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 1. Antibody dependent cell-mediated cytotoxicity (ADCC)による血小板抗体の検出
    蔵 和夫, 畔柳 武雄
    1981 年 4 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 1981/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    The detection of anti-platelet antibody by ADCC method was performed on ten patients with ITP, 19 patients with SLE, 7 patients with AML and 6 patients with the aplastic anemia. The anti-platelet antibody was positive in 100% of ITP patients, 58% of SLE patients, 14% of AML patients and 50% of aplastic anemia patients. The ADCC was inhibited by the addition of 3μg of aggregated IgG, suggesting the high sensitivity of the detection of anti-platelet antibody. The ADCC detected not only anti-platelet autoantibody but also anti-platelet isoantibody. K cells were not decreased in ITP patients, but the decrease of K cell functions was demonstrated in SLE patients. The decrease of K cell functions in SLE lymphocytes was restored by the thorough washing and the culture of SLE lymphocytes. The decrease of K cell functions of SLE lymphocytes is probably caused by the in vivo binding of immune complexes to Fc receptors of K cells. There have been many cases, which shows no decrease of platelet counts in spite of the presence of anti-platelet antibody, in SLE. This might be probably caused by the decrease of K cell functions due to binding of immune complexes to Fc receptors of K cells. The scanning electronmicroscopic examinations demonstrated many microvilli on K cells. The Fc receptors were not present on these microvilli. They were present deep on the cell membranes.
  • 2. Phytohemagglutinin (PHA)の機能面の解析
    余 家利, 谷本 潔昭, 堀内 淑彦
    1981 年 4 巻 1 号 p. 37-48
    発行日: 1981/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Bacto-phytohemagglutinin P (PHA-P)は,すくなくとも, 5種類の生物学的活性,すなわち,赤血球凝集活性(hemagglutinating activity, HA),白血球凝集活性(leukoagglutinating activity, LA),沈降活性(precipitating activity, PA),リンパ球幼若化活性(mitogenic activity, MA)ならびに細胞障害活性(cytotoxic actity, CA)を保有している.現在までに,これらの活性の相互の関係については,文献上矛盾したものが多い.本研究では,市販のPHA-Pを種々のイオン交換樹脂によるクロマトグラフィーで分画し,さらに熱処理,還元アルキル化,ニワトリ血球による吸収操作などを加えて,これらの活性の相互関係と, mitogen induced cell-mediated cytotoxicity (MICC)活性の推移に及ぼす影響を観察した.
    今回の結果から, PHAの示すMICC活性は,他の活性を示す因子と異なり,独持の性格,すなわち, 95°Cの加熱にも耐えうる強い耐熱性を有することが明らかとなった.さらに白血球凝集活性(LA)は, LAを完全に除くと, MICCが大なり小なり減少することから一部MICCに関与している可能性が考えられた.また, MICCあるいはリンパ球幼若化活性(MA)はたんにPHA-P分子の同一部分あるいはsubunitが別々の機能を発揮するものを表現しているのにすぎない可能性も,今回の成績では考えられた.このことは,短時間で測定するMICCでは, MAが十分発揮されず,十分なincubation時間をとると, MICCに加えて,同一の因子が,リンパ球の刺激効果を発揮する可能性も考えられ,この2つの活性は,実際には変動はするが,相互に平行関係にあった.
  • 田中 文隆, 沢田 勤也
    1981 年 4 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 1981/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    新たにMicroslide Leukocyte Adherence Inhibition (LAI)テストを開発し,その評価を試みたところ,きわめて高い再現性が得られた.本法において肺癌症例は21例中11例(52%)が肺癌関連抗原に対して陽性に反応したが,他疾患患者および正常人では22例中1例に陽性所見を認めたにすぎず,高い肺癌特異性が得られた.しかし,肺癌の中でそれぞれの組織型の間には特異性は認められず,肺癌関連抗原は肺癌の組織型とは無関係に肺癌組織に共通に存在することが示唆された.
    Puified Protein Derivative (PPD)を抗原として,正常人の単核細胞でmicroslide LAIテストを試みたところ,その結果はPPD皮内反応の結果とほぼ一致し, 8例中7例が両者で陽性所見を示した.この事実はLAI反応におけるTリンパ球の関与を暗示している.
  • 高屋 正敏, 市川 幸延, 有森 茂
    1981 年 4 巻 1 号 p. 56-62
    発行日: 1981/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    46歳,女性.慢性関節リウマチに対してgold sodium thiomalateの投与を行った.投与総量140mgとなった時点で,口内炎,皮膚炎とともに,乾燥咳嗽,労作時呼吸困難が出現した.胸部レントゲン所見では,両側中下肺野にび慢性の網状陰影が認められ,肺機能検査では,拘束性障害,拡散障害ならびに低酸素血症を示した.軽度好酸球増多症が認められたが, IgE値は正常であった.金剤に対する皮内反応は陰性であったが,リンパ球幼若化反応は健康人対照に比べ高値を示した.金剤の中止, prednisolone 30mg/日の投与により,自覚症状はすみやかに消失し, 8ヵ月後に肺機能検査,胸部レントゲン所見にも改善を認めた, RAに対する金療法中に急激に発症し,他の金剤による副作用を随伴していたこと,金剤の中止と副腎皮質ホルモン剤が著効を示したことなどの臨床的特徴から,本症例の間質性肺炎は金剤が誘発したものと考えた.
feedback
Top