理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
14 巻 , 4 号
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  • 大橋 ゆかり
    1999 年 14 巻 4 号 p. 171-175
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    本研究では速度変化および装具装着によって生じる歩行周期の変化とエネルギー効率の関連について検討した。健康な男性18名を被験者とし,トレッドミル歩行中の歩行周期およびPhysiological Cost lndexを測定した。また,この中の11名を対象として,左脚にSLBを装着させて同様の測定を行った。本実験の結果,通常の歩行では速度が遅くなった時に立脚時間の比率が長くなる被験者群,または接踵時間の比率が長くなる被験者群でエネルギー効率が高かった。しかしSLB装着時の歩行では接踵時間比率の延長のみではエネルギー効率は改善せず,立脚時間比率の延長がエネルギー効率改善に必須であった。以上の結果より,装具装着のように歩行を行う環境が変化するとエネルギー効率的に有利なストラテジも変化することが示唆された。
  • 朝山 信司
    1999 年 14 巻 4 号 p. 177-180
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    脳卒中片麻痺者14名を対象に患側下肢の体重負荷能力と立位バランスの関係,また体重負荷訓練における効果が立位バランスへ及ぼす影響について検討を行った。重心動揺解析装置を用い,安静立位時の重心動揺距離,重心動揺面積,体重に対して患側下肢にかかる荷重量の割合を求めた。患側下肢荷重率の高い者ほど,重心動揺距離,重心動揺面積の値は低く,立位バランスは安定していた。患側下肢体重負荷訓練を4名の被験者で実施したが,全員に患側下肢荷重量の増加,そして重心動揺距離,重心動揺面積の減少を認め,立位バランスの向上が見られた。患側下肢の荷重訓練により立位バランスの向上が見られたことにより,立位を安定させるために,立位や歩行でのバランス訓練自体とともに,患側下肢の荷重能力を向上させるという機能障害レベルの訓練の必要性も示唆された。
  • 西本 勝夫, 中村 昌司, 今井 智弘, 田中 繁宏, 藤本 繁夫
    1999 年 14 巻 4 号 p. 181-187
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は,老人保健施設に入所中の虚弱な高齢女性20例(非訓練群10例・82.6±4.7歳,訓練群10例・81.3±4.8歳)を対象に,この内,訓練群に対して2ヵ月間の「椅子からの立ち上がり動作」の訓練を行い,その効果を検討することである。非訓練群には有意な変化はなかったが,訓練群では,訓練動作の最大持続時間(314±190→710±326秒),大腿四頭筋の平均トルク値(0.46±0.27→0.78±0.37Nm/Kg)と筋電図積分値(100→146±32%),膝関節伸展のMotorTime(159±30→121±29msec)および6分間歩行距離(159±48→238±59m)が有意に改善した。訓練による変化量であるΔ平均トルク値とΔ筋電図積分値,Δ最大持続時間ならびにΔMotor Timeとの問にそれぞれ有意な相関を示した。また,6分間歩行距離と最大持続時間ならびに平均トルク値との問にも有意な相関を示した。今回の訓練によって,主に大腿四頭筋の神経・筋系の興奮性の改善が筋力や筋持久力を増大し,さらに,筋力の増大が筋の反応性を改善し,これらが歩行能力を増大させたと考えられる。
  • 久保 晃, 松本 徹
    1999 年 14 巻 4 号 p. 189-192
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    健常成人8名を対象に視野を視野狭窄無し,左同名性半盲モデル,左同名性3/4半盲モデル,視野全遮断の4条件設定して10m歩行時間を10回測定し,歩行時間と変動係数(CV)を求めた。その結果,視野全遮断モデルでは,歩行時間は他の条件の約2倍となり,CVも,視野全遮断モデルで有意に大きくなったが,1/2あるいは1/4でも視野が残っていればCVは保たれていた。バランスの予備能力が低下している高齢障害者では,足下の明るさや手すりの設置などの工夫で感覚情報を補うことが大切であると考えられた。
  • 佐久間 加代子, 横田 恵理子, 安孫子 幸子, 古和田 涼子
    1999 年 14 巻 4 号 p. 193-196
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    第13回世界理学療法連盟学会において,我々は16ケ国の理学療法事情について,アンケート調査を行った。その結果,殆どの国において女性の占める割合が多く,開業権も有していた。また,対象とする疾患や主要治療機器などにも我が国との相違点が見受けられた。我々日本人としては,アジア初の国際学会に対して絶賛の声が聞かれ,大きな喜びであった。
  • 木村 朗
    1999 年 14 巻 4 号 p. 197-201
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    1.糖尿病教育指導の専門家が必要な理由―糖尿病専門医の絶対数の少なさと日本での患者数の急増に加え,社会の要請としての医療費コスト削減。2.日本糖尿病療養指導士とは何か,この制度の目的,認定機関―糖尿病の治療と教育の専門的知識を持った国家資格を得て医療行為を行う者。目的は医療従事者における糖尿病ケアに関する知識,技術の水準を一定にし,認定医とパートナーシップによる治療サービスが可能な人を増やすこと。認定するのは日本糖尿病学会と糖尿病協会の合意に基づく認定機構(第三セクター)。3.日本以外の制度との関係,米国糖尿病教育士―米国で1972年より検討が始まり1985年より開始され,医師も受験し認定を受けなければならない資格が出来た,このシステムを日本に導入する機運が高まった。同年,前琉球大学三村悟郎教授らによってこの資格の教科書の翻訳がなされた。4.理学療法士からみた日本糖尿病療養指導士―インスリン注射を行うことは医療法上許されていない。しかし全般を知ることで指導はできるという点で受験資格が与えられ,活躍が期待される。中でも運動療法,足のケア,運動器官機能の過用症候群の予防などは専門的な領域となろう。5.将来性―医療費削減に有効であるとなれば社会の要請によって日本の公的な医療保険制度と何らかの関係が生じる可能性もあろう。
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