理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
33 巻 , 6 号
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原著
  • 上月 未衣菜, 村上 明香理, 佐野 佑樹, 山田 保隆, 岩田 晃
    2018 年 33 巻 6 号 p. 853-856
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕脳卒中片麻痺患者を対象として,体幹機能の指標であるSeated Side Tapping test(SST)と歩行速度の関係について検証する.〔対象と方法〕対象は杖歩行または独歩が可能な脳卒中片麻痺患者22名とした.歩行速度と,基本属性(年齢,身長,体重,BMI,罹病日数),BRS下肢,FM下肢,そしてArms Crossed SST(AC-SST)の関係についてPearsonの相関分析を行った.〔結果〕AC-SSTのみ歩行速度と有意な相関が認められ,他の項目については関連がみられなかった.〔結語〕歩行速度とAC-SSTに関連がみられたことから,片麻痺患者においても歩行速度には,体幹を素早く動かす能力が関係していると考えられる.

  • 村上 明香理, 上月 未衣菜, 佐野 佑樹, 村上 達典, 山田 保隆, 岩田 晃
    2018 年 33 巻 6 号 p. 857-862
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕体幹を素早く動かす運動と姿勢を保持する運動が歩行能力に与える影響について検証した.〔対象と方法〕杖歩行または独歩が可能な脳卒中片麻痺患者を対象とした.全ての対象者に体幹を左右に素早く動かす運動(AC-SST)と,体幹を最大に側方に傾斜させ,姿勢を保持する運動を実施し,各運動実施前後の歩行速度,歩幅,歩行率を測定した.〔結果〕AC-SST運動実施前後では歩行速度,歩幅,歩行率とも有意に向上した.一方,姿勢保持運動実施前後では歩行能力に有意な差はみられなかった.〔結語〕体幹を素早く左右に動かすことで,片麻痺患者の歩行能力は即時的に向上する.

  • 有末 伊織, 岩下 篤司, 川中 利夫, 小西 有人, 田巻 加津哉, 久利 彩子, 吉田 正樹
    2018 年 33 巻 6 号 p. 863-867
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕歩行速度や前足部の部位の違いによって,足指骨や中足骨の床を押す力ベクトルの違いを示すことを目的とした.〔対象と方法〕健常男性8名を対象とした.歩行速度は3条件(自然歩行,速い歩行,遅い歩行)とした.右末節骨底(母指,中指,小指)と中足骨頭(第1,第5)の床押力ベクトルを計測した.〔結果〕速度によらず足底の外側から内側の順にピークを迎えた.中足骨頭と母指末節骨底は各々右後方と右前方へ押した.速い歩行時に内側への荷重が増加した.〔結語〕立脚後期から前遊脚期において,主に母指基節骨底や中足骨頭の床押力ベクトルが強くなり,速度を変えても母指基節骨底や中足骨頭が床を押す力が強いことが示唆された.

  • 久保田 智洋, 坂本 晴美, 黒川 喬介, 岩井 浩一
    2018 年 33 巻 6 号 p. 869-872
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕過去5年間に通所型介護予防事業に参加した者を対象に,要介護認定の有無を判別する要因を検討した.〔対象と方法〕2011年から2015年に健康教室に参加した者134名(男性11名,女性123名).後ろ向きコホート研究.情報は,年齢,基本チェックリストおよび生きがい意識尺度(開始時および終了時),介護認定の有無とした.〔結果〕介護保険に認定された者は,134名中22名であった.また,要介護者は基本チェックリスト項目の「運動機能」,「生活機能」, 「閉じこもり」, 「認知機能」の4項目が影響していた.〔結語〕軽度要介護認定者の予防には「運動機能」ばかりでなく「生活機能」への働きかけも重要であることが明らかになった.

  • 岩村 真樹, 大塩 祐子, 松山 卓也, 伊藤 涼, 辻 理絵, 石井 博, 杉野 正一
    2018 年 33 巻 6 号 p. 873-878
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕精神科病棟に入院し,理学療法処方が行われた患者に対して,栄養状態の調査とサルコペニアの判定を実施し,ADLとの関連性を検証することを目的とした.〔対象と方法〕研究への同意が得られた43名を対象に真田らの推定式を用いて筋肉量を算出し,サルコペニア判定を行った.栄養状態の評価はMNA-SFを用いた.理学療法開始時と終了時のBarthel Index(BI)低下・維持群と向上群との比較を行った.〔結果〕低栄養は77%,サルコペニアは42%の割合で認められた.BI低下・維持群と向上群の比較では, AlbとMNA-SFに有意差を認めた.〔結語〕精神科病棟入院中で理学療法が処方された患者は高い割合で低栄養を呈しており, BI向上には栄養状態の関連性が示唆された.

  • 栗原 靖, 松村 将司, 大杉 紘徳, 河辺 信秀, 松田 雅弘
    2018 年 33 巻 6 号 p. 879-882
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕クラブ練習および選手の自主的な取り組み内容の実態を把握し,小学生バドミントン選手のスポーツ傷害受傷経験と,それらに関連する要因を抽出することとした.〔対象と方法〕質問紙調査を郵送法にて実施し,回答を得た,クラブに所属する小学校3~6年生230名を対象とした.スポーツ傷害受傷経験の有無に関連する要因を検討するため,ロジスティック回帰分析を用いた.〔結果〕1週間の練習時間,自主ランニング,自主筋力トレーニング,怪我予防の取り組み意識がスポーツ傷害受傷経験の有無を説明する有意な変数として採択された.〔結語〕小学生バドミントン選手のスポーツ傷害発症予防には, 競技練習時間と自主練習内容の再考, 怪我予防に関する本人への啓発の必要性が示唆された.

  • 大見 武弘, 山田 拓実
    2018 年 33 巻 6 号 p. 883-886
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕目的は,シミュレーション的解析により膝関節メカニカルストレスを減ずるための歩行修正の知見を得ることとした.〔対象と方法〕変形性膝関節症女性患者9名を対象に三次元動作解析装置とフォースプレートを用いて歩行解析した.シミュレーション的解析は筋骨格モデルソフトを用いて側方床反力を20%減少させた.解析前後で外部膝関節内反モーメント(KAM)と側方剪断力(LJRF)を比較し,それぞれの減少率と各パラメータとの間で相関分析した.〔結果〕解析後にKAMは6.3%,LJRFは15.9%減少した.KAMの減少率は歩行時膝内反角度と有意な負の相関を示した.〔結語〕シミュレーション的解析は, KAMやLJRFを減少させるメカニズムの解明に役立ち, 予防指導や歩行修正の根拠として用いられる可能性が示唆された.

  • 清水 怜有, 浦邉 幸夫, 前田 慶明, 森川 将徳, 福井 一輝, 小林 拓未, 平田 和彦, 木村 浩彰
    2018 年 33 巻 6 号 p. 887-890
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕バスケットボール経験の有無による車椅子バスケットボールのチェストパスの肘・手関節運動の違いを明らかにし,動作指導の一助とすること.〔対象と方法〕対象は健常女性で,バスケットボール経験者6名,未経験者6名とした.車椅子バスケットボール用車椅子上でのチェストパス動作を三次元動作解析装置で解析した.〔結果〕経験群は未経験群と比較して, 1)ボール初速度と正確性の値が高かった.2)ボールリリース時の肘関節屈曲角度および手関節背屈角度が小さかった.3)肘関節伸展最大角速度および手関節掌屈最大角速度の出現時期が早かった. 〔結語〕車椅子バスケットボールのチェストパスのパフォーマンスレベルの高いバスケットボール経験者の肘・手関節運動は, 車椅子バスケットボールプレーヤーの動作指導の一助となる.

  • 宮田 一弘, 服部 将也, 宮下 遥香, 小田内 友輝
    2018 年 33 巻 6 号 p. 891-895
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕高齢者が退院後の生活空間を予測できているのか調査し,予測と実際の生活空間に関連する要因を明らかにすること.〔対象と方法〕自宅退院に至った高齢者33名を対象とした.退院時に退院2ヵ月の生活空間を予測したLSA,BBS,TUG,FES-I,FIMを調査し,LSAは退院2ヵ月に再調査した.予測と実際のLSAの関係およびLSAに関連する要因を検討した.〔結果〕予測と実際のLSAには有意な強い相関が認められた.TUGは両LSAと関連し, BBSは実際のLSAのみと関連を認めた.〔結語〕高齢者は退院時に退院後の生活空間を概ね予測できていることがわかり, 生活空間の予測と実際には移動能力という類似した要因が関連していることが示唆された.

  • 渡邉 学, 渡會 公治, 岡田 覚, 遠藤 太陽, 小関 博久, 角田 直也
    2018 年 33 巻 6 号 p. 897-900
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕Wall Squat(WS)をWall Squat Normal(WSN)かWall Squat Abnormal(WSA)に判定し,性差と整形外科的疾患の既往との関連を検討した.〔対象と方法〕対象は平均年齢21歳の108名とした.対象者のWSをWSNかWSAに判定し,性差と既往歴の有無との関連をχ2乗独立性の検定を用いて検討した.〔結果〕全対象者,既往歴あり者では,WSAは有意に女性に多かったが,既往歴なし者では有意な関連を認めなかった.〔結語〕WSAは性差に関連し,女性に多く, 下肢・体幹関節疾患の既往に関連している可能性が考えられた.今後, 疾患の障害予防における評価への応用が考えられた.

  • 梅野 和也, 中村 浩一, 井元 淳, 宮田 浩紀
    2018 年 33 巻 6 号 p. 901-904
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕簡易脳波計を使用したニューロフィードバック(NF)をメンタルプラクティス(MP)に併用した際の効果を明らかにすることとした.〔対象と方法〕健常男子大学生45名を対象とし,MP時にNFを併用するNF群,MPを実施するMP群,介入を実施しない対照群の3群に無作為に分類し,検定課題である鉄球回しの介入前後(Pre試行とPost試行)で比較検討した.〔結果〕NF群とMP群においてPost試行で有意な改善が認められたが, 2群間で有意差は認められなかった.〔結語〕若年者を対象とした場合, MPに簡易脳波計を用いたNFを付与することによる効果の向上は確認できなかった.

  • 山田 健二, 須藤 明治
    2018 年 33 巻 6 号 p. 905-909
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕本研究の目的は,足把持トレーニングの足関節周囲筋の筋活動量について明らかにすることとした.〔対象および方法〕健康な大学生14名を対象とした.足把持力の計測は,足指筋力測定器を用いて任意の片足とした.最大把持時および足把持トレーニング動作における前脛骨筋,腓腹筋外側頭,母趾外転筋,短趾屈筋の筋活動量を計測した.〔結果〕足把持力と筋活動量との関係において,前脛骨筋,母趾外転筋,短趾屈筋との間に正の相関関係が認められた.また, タオルギャザー時の筋活動量が高い値を示した.〔結語〕足把持力のトレーニングには, 足関節周囲筋が使われる運動が有効であると考えられた.

  • 渡邉 哲朗, 荻原 久佳, 添田 健仁, 藤原 孝之, 吉田 宏昭
    2018 年 33 巻 6 号 p. 911-916
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕起き上がり動作時の圧力中心情報を解析し,起き上がり動作に影響を与える要因について検討した.〔対象と方法〕健常男女29名を対象とした.圧中心軌跡長と動作時の速さを表すr,運動パターンを表すθに影響を与える要因として,身体各部位のピークトルク値,柔軟性,所要時間を抽出した.〔結果〕圧中心軌跡長に影響する要因として,体幹屈曲120 °/s,体幹伸展60 °/s,体幹伸展120 °/sが抽出された.rに影響する要因として,所要時間,長座体前屈, θが抽出された.θに影響する要因として肘関節屈曲90 °/s, 肘関節伸展90 °/sが抽出された.〔結語〕圧中心情報を解析することにより起き上がり動作の特徴を定量的に捉えられる可能性が示唆された.

  • 治郎丸 卓三, 中田 康平, 藤谷 亮, 野口 真一, 池谷 雅江, 宇於崎 孝, 大西 均, 川﨑 浩子, 鈴木 美香, 安田 孝志, 金 ...
    2018 年 33 巻 6 号 p. 917-920
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕膝関節伸展運動速度および筋張力の違いにより,膝関節伸筋群の筋活動パターンが変化するかを検討した.〔対象と方法〕健常成人男性12名を対象とし,等速性運動装置による最大随意での膝関節伸展運動中の膝関節伸筋群活動を,表面筋電図計を用いて測定した.運動課題は30 °/s,60 °/s,120 °/sの3速度とした.〔結果〕大腿直筋活動は,30 °/s,60 °/sに比べ120 °/s,30 °/sに比べ60 °/sにおいて有意な減少が認められた.中間広筋活動は,30 °/s,60 °/sに比べ120 °/sにおいて有意な増大が認められた.外側広筋, 内側広筋活動では有意差は認められなかった.〔結語〕大腿直筋は筋張力に依存しやすく, 中間広筋は運動速度に依存しやすい筋である可能性が示唆された.

  • 新井 龍一, 来間 弘展, 根本 海渡
    2018 年 33 巻 6 号 p. 921-927
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕深部横断マッサージが拮抗筋の筋機能に影響を与えるかをストレッチングと比較し検討することとした.〔対象と方法〕対象は33名の健常成人男性の右足とし,対照群,ストレッチング群,マッサージ群に分け,自動下肢伸展挙上角度,大腿四頭筋の筋硬度,角速度60 °/sec,120 °/secの大腿四頭筋最大筋トルク,大腿直筋の筋反応時間を介入前後に測定し検討した.治療介入はそれぞれ合計10分間とし,ハムストリングスに対してマッサージ群は深部横断マッサージ,ストレッチング群は静的ストレッチングを用い,対照群は安静背臥位とした.〔結果〕ストレッチング群,マッサージ群において自動下肢伸展挙上角度に主効果を認め,その他の項目では主効果, 交互作用を認めなかった.〔結語〕深部横断マッサージは主動作筋の伸張性に効果はあるが, 拮抗筋の筋機能に影響を与えないことが示唆された.

  • 木下 和昭, 橋本 雅至, 中尾 英俊, 澳 昂佑, 板矢 悠佑, 福本 貴典, 高嶋 厚史, 大槻 伸吾
    2018 年 33 巻 6 号 p. 929-934
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕片脚立位と最大努力での端座位の片側支持姿勢(Trunk Righting Test:TRT)の腰部周囲筋の筋活動の関係について検討した.〔対象と方法〕対象は健常男性9名とした.測定姿勢は片脚立位と端座位,TRTとした.測定筋は表面筋電図にて両側の腹直筋,内腹斜筋,外腹斜筋,多裂筋を測定し,ワイヤー筋電図にて腹横筋を測定した.検討方法は,端座位を基準として,片脚立位とTRTにおける筋活動の増加率を算出し,その両者の腰部周囲筋の各筋活動をspearmanの順位相関係数にて検討した.〔結果〕両側の内腹斜筋と腹横筋, 遊脚側の多裂筋と外腹斜筋に正の相関が認められた.〔結語〕片脚立位とTRTの腰部周囲筋の一部は, 貢献度が同じ傾向であった.

  • 田城 翼, 浦辺 幸夫, 内山 康明, 山下 大地, 前田 慶明, 笹代 純平, 吉田 遊子
    2018 年 33 巻 6 号 p. 935-940
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕大殿筋および股関節外旋筋群への静的ストレッチングがしゃがみこみ動作に及ぼす影響を検証した. 〔対象と方法〕対象はしゃがみこみ動作が不可能な健常大学生26名として,大殿筋のストレッチングをする群(SGM群)13名と,股関節外旋筋群のストレッチングをする群(SER 群)13名に分けた.セルフストレッチングを各群で1週間実施し,しゃがみこみ動作時の股関節屈曲角度,安静時股関節屈曲角度,指床間距離,椎体間距離を測定した. 〔結果〕介入後,しゃがみこみ動作が可能となった者はSGM群3名,SER群9名であった.SER群は,SGM群と比較して, しゃがみこみ動作時の股関節屈曲角度が有意に増加した.〔結語〕SERは, SGMに比べてしゃがみこみ動作の獲得に効果が期待できることが示された.

  • 阿部 紀之, 細矢 貴宏, 松田 雅弘
    2018 年 33 巻 6 号 p. 941-945
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕生活期における下肢装具に関する対応や連携の実態を調査し,下肢装具に関わる多職種連携の現状と課題を明らかにすることとした.〔対象と方法〕ケアマネジャー(CM)61名を対象に質問紙調査票(基本属性,装具対応で困っていること,多職種連携の要望)を配布し,回収された50例を分析対象とした.調査結果の記述統計とクロス集計にて解析を行った.〔結果〕CMは下肢装具に関するチェック方法やフォローアップ体制全般に関して困っており, 基本的な制度や手続きの方法や相談窓口を知りたいという要望が多かった.〔結語〕生活期における下肢装具の対応に療法士が積極的に関与し, CMを含めた多職種連携を実践していくことの必要性が明らかになった.

  • 藤谷 亮, 治郎丸 卓三, 池谷 雅江, 宇於崎 孝, 大西 均, 川﨑 浩子, 鈴木 美香, 安田 孝志, 分木 ひとみ
    2018 年 33 巻 6 号 p. 947-950
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕本研究は,脳卒中片麻痺患者の体幹伸展可動域と歩行能力との関連について明らかにすること.〔対象と方法〕維持期脳卒中片麻痺患者12名を対象とした.日整会の方式に乗っ取り体幹伸展の自動・他動可動域を計測し,歩行能力については10 mテストから歩行速度,歩行率,ストライド長を算出し,ピアソンの相関分析を用いて検討を行った.〔結果〕体幹伸展の自動可動域は,歩行速度とストライド長と強い相関関係を認めた.〔結語〕脳卒中片麻痺の体幹伸展可動域は,歩行能力との関連を示す指標であることが示唆された.このことから, 体幹伸展の自動可動域は, 脳卒中片麻痺の歩行と関連する機能の一つであると考える.

  • 川﨑 孝晃, 宮田 恭兵, 江口 紘史, 松永 玄, 渡辺 修一郎
    2018 年 33 巻 6 号 p. 951-958
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕脳血管障害を有する高齢者が椅子からの立ち上がりが可能となるためには,どのような要因が関係しているのかを明らかにする.〔対象と方法〕通所リハビリテーションに通う,脳血管障害を有する65歳以上の高齢者70名.面接調査:疾患名,発症日,麻痺側,移動状況(屋内).体格および身体機能:座面台40 cmおよび30 cmの椅子からの立ち上がり,膝伸展筋力,麻痺側運動麻痺,膝関節可動域,麻痺側下肢筋緊張を測定した.〔結果〕40 cm からの立ち上がりについては,有意な関連は認められなかった.30 cmからの立ち上がりについては, 麻痺側の膝伸展筋力体重比が有意に関連した.〔結語〕脳血管障害を有する高齢者が座面高30 cmの低い椅子から立ち上がるためには, 麻痺側の膝伸展筋力体重比の影響が大きいことが明らかとなった.

  • 池松 幸二, 神野 哲也, 加地 啓介, 竹井 仁
    2018 年 33 巻 6 号 p. 959-964
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕THA後の股関節外転運動で臥位姿勢の違いが,筋力・筋活動・疼痛に及ぼす影響を検討すること.〔対象と方法〕THAを施行する20名を対象とし,筋力・筋活動・疼痛の測定を術前・術後3日・術後10日に行った.背臥位群と腹臥位群に振り分け,術後理学療法において,最大努力での静止性両側股関節外転運動を行った.〔結果〕股関節外転運動時の大腿筋膜張筋の筋活動は,背臥位群より腹臥位群で低かった.歩行時の中殿筋活動開始時期で交互作用を認め,術後3日では両群で術前より遅くなったが,術後10日では背臥位群より腹臥位群で早くなった.〔結語〕歩行時の中殿筋活動開始時期は THA後に遅くなるが, 腹臥位での股関節外転運動は背臥位での股関節外転運動より, 中殿筋活動開始時期を早めた.

  • 小野 武也, 石﨑 崇天, 沖 貞明, 梅井 凡子, 積山 和加子, 佐藤 勇太
    2018 年 33 巻 6 号 p. 965-968
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕下肢への非荷重が,その後の関節固定によって発生する関節拘縮に与える影響を調べることとした.〔対象と方法〕Wistar系雄ラットである.非荷重を3.5日間行った後,非荷重と足関節固定を4.5日間実施する非荷重群と,3.5日間自由飼育を行った後, 非荷重と足関節固定を4.5日間実施する自由飼育群に分けた.実験期間は8日間である.評価項目は足関節背屈可動域である.〔結果〕非荷重群と自由飼育群で足関節背屈可動域に有意差は認められなかった.〔結語〕下肢への非荷重は, その後の関節固定によって発生する関節拘縮には影響しないことが示唆された.

  • 堀内 俊樹, 西田 裕介, 坂本 祐太
    2018 年 33 巻 6 号 p. 969-973
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕野球肘検診で用いられている理学所見が離断性骨軟骨炎(Osteochondritis Dissecans:OCD)の検出に有用かを検討することである.〔対象と方法〕対象はOCDを発症しやすい年齢から考えて小学校4,5,6年生とした.参加の意思があれば中学1年生も許可した.〔結果〕OCDと診断された選手は全対象者297名のうち8名で,全体の約2.7%であった.OCD群と非OCD群で比較した結果,現在の痛み,圧痛,肘関節の屈曲制限,超音波検査の4項目で有意な差を認めた.〔結語〕上腕骨小頭への過剰なストレスが繰り返されることで,腕橈関節の構造的変化を誘発,肘関節の可動域制限と痛みを引き起こしたと考える.また, 超音波検査は, X線検査にて検出不能な早期病変や軟骨層のみの遊離なども描出可能である.

  • 東 伸英, 菅野 智也, 相良 絵利華, 清水 厳郎, 染矢 富士子
    2018 年 33 巻 6 号 p. 975-980
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕教員免許状更新講習受講者に理学療法士が行う傷害予防に関する講習の改善点を調査した.〔対象と方法〕受講者105名に対し,講習前後に講習内容を検討し,改善項目を抽出した.〔結果〕講習前の希望内容は予防対策などであり,現場で実践できるようにとの記述があった.それを基に実技を取り入れた講習には肯定的な記述が多く,80%以上の満足度を得られた.しかし,園児にむけた遊びに関して改善が必要であった.また,「開講時期」と「配布資料」の改善が必要であった.〔結語〕本研究により,講習受講者の希望,講習の改善項目の抽出が可能で, 今後の検討事項が明らかになり, 講習方法の更なる改善点を示せることがわかった.

  • 石田 武希, 河野 健一, 西田 裕介
    2018 年 33 巻 6 号 p. 981-984
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕死亡率の減少のため運動習慣の形成は重要である.運動習慣の形成を促進する要因として運動が好きか嫌いかを計る運動感情に着目した.本研究の目的は,運動感情と運動アドヒアランスを予測する運動セルフエフィカシーとの関連を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は男女の健常成人16名とした.対象者は精神的ストレス課題を実施後に高強度の自転車運動を実施した.また,運動感情,運動セルフエフィカシー,運動耐容能,疲労感の評価を行った.〔結果〕運動感情と運動セルフエフィカシー, 運動前の疲労感との間に関係が認められた.〔結語〕運動習慣を高めるうえで, 運動感情の評価の有用性が示唆された.

  • 角田 莉奈, 佐藤 和強
    2018 年 33 巻 6 号 p. 985-990
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕簡易的に測定可能な下肢筋力測定法を考案し,その方法における検者内信頼性と検者間信頼性の検証および,股関節外転筋力測定値の従来法と本法の相関を検証することとした.〔対象と方法〕2名の測定者がHHDを用いて健常者13名の股関節外転筋力を端座位と背臥位で測定し,相関係数を算出した.また,右股関節屈曲・外転,膝関節伸展,足関節背屈筋力を端座位で測定し, 検者内信頼性と検者間信頼性を算出した.〔結果〕端座位と背臥位での股関節外転筋力の間には相関が認められた.各測定項目における検者内信頼性および検者間信頼性の値は高値を示した.〔結語〕考案した下肢筋力測定法は異なる測定者でも高い信頼性のある測定値が得られ, 臨床的に有用な測定法であると考えられる.

  • 塚本 敏也, 久保 明, 加藤 倫卓, 栗田 泰成, 磯崎 弘司, 杉岡 陽介, 三井 理恵, 福原 延樹, 仁瓶 史美, 竹田 義彦
    2018 年 33 巻 6 号 p. 991-996
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕プレフレイルと静的立位バランス(静的バランス)との関係を検証すること.〔対象と方法〕銀座医院を受診した187名を対象とし,健常群101名,プレフレイル群86名に分類した.調査項目は対象の背景,握力,骨格筋指数(SMI),静的バランスの指標である矩形面積とした.SMIは二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)を用いて算出し,矩形面積は重心動揺検査装置を用いて開眼にて30秒間計測した.〔結果〕プレフレイル群の男性の割合,握力, SMIは健常群と比較して有意に低値を認め, 年齢と矩形面積は有意に高値を認めた.矩形面積はプレフレイル群に関係する因子として抽出された.〔結語〕プレフレイルの状態から静的バランスが低下している可能性が示唆された.

症例研究
総説
  • 木村 剛英, 小林 聖美
    2018 年 33 巻 6 号 p. 1013-1018
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    二重課題を行うと,二重課題を構成する課題のうち一方もしくは両方の課題成績が低下する.この課題成績の低下は二重課題干渉と呼ばれ,転倒や交通事故の一因にもなっている.二重課題干渉を抑制する方法として,本稿では二重課題トレーニングに着目した.特に,① 二重課題トレーニングの転移効果,② 二重課題トレーニングを安全に行うための工夫,の2点に焦点をあて,これまでの知見から二重課題トレーニングの効果的な実施方法を検討した.また, 二重課題トレーニングを臨床で有効に活用するため, 今後取り組むべき課題についても言及した.

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