理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
18 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
研究論文
  • 及川 愛子, 大橋 ゆかり
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2003 年 18 巻 2 号 p. 69-74
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/18
    ジャーナル フリー
    退院後に外来通院中の片麻痺患者15名を対象に,退院時および退院後(平均296日±169日),上肢機能を12段階式片麻痺機能テストを用いて測定した。同時に退院後の日常生活での麻痺側上肢の使用状況を聞き取り調査し,麻痺側上肢の使用頻度を点数化して上肢機能との関係を検討した。その結果,日常生活の中で麻痺側上肢を使用する頻度が増えれば退院後も上肢機能がさらに改善する可能性が高いということが示唆された。特に退院時に上肢ステージがIV以上であれば,その傾向は顕著であった。従って入院生活の中で,麻痺側上肢を必然的に使用する,手を洗う等の両手動作を積極的に行うよう指導し習慣づけることが重要である。
  • ─Functional Independence Measure (FIM)を用いた検討─
    前田 慶明, 村上 雅仁, 加藤 順一, 中野 恭一, 町田 勝広, 高橋 健太郎
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2003 年 18 巻 2 号 p. 75-77
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/18
    ジャーナル フリー
    本研究は,パーキンソン病(PD)患者を対象に介護保険導入前・後における退院後の転帰先と入院・退院時の機能的自立度評価法(FIM)による変化および入院期間について比較調査し,PD患者の社会復帰に介護保険導入が及ぼす影響について検討した。対象は,介護保険導入前に兵庫県立リハビリテーション中央病院に入院したPD患者18例(男性11名,女性7名;平均年齢65.2±9.4歳)と介護保険導入後に入院したPD患者25例(男性13名,女性12名;平均年齢69.7±6.5歳)とした。介護保険導入前・後における転帰先の比較では,介護保険導入後の在宅復帰率が全体の8%減少傾向を,転院および施設入所がそれぞれ7%および1%増加傾向を示した。介護保険導入前・後において退院時FIM総得点は,入院時FIM総得点と比較していずれも有意に高値を示したが(p<0.001),介護保険導入前・後で入院時および退院時平均FIM総得点は有意差を認めなかった。しかし平均入院期間は有意に延長していた(p<0.05)。これらの結果は,PD患者の社会復帰に介護保険導入が及ぼす影響と考えられた。今後,PD患者の在宅および社会復帰を進めていく中で,介護保険制度の利用状況やその活用法について詳細な検討が望まれる。
  • 大友 真弓, 佐藤 悠, 飯田 佳世, 佐々木 誠
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2003 年 18 巻 2 号 p. 79-82
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/18
    ジャーナル フリー
    一側上肢挙上運動と両側上肢挙上運動時における呼吸循環反応を呼吸様式の相違の影響とともに比較し,生体への負荷を検討した。対象は健常若年者12名で,座位での一側上肢挙上運動と両側上肢挙上運動を,条件設定を加えない自然呼吸と呼気を延長させた呼吸パターンの状況下で行い,運動中の呼吸循環反応を測定した。一側,両側上肢挙上運動を呼気延長呼吸で行った際の呼吸循環反応は,自然呼吸での運動時に比べ,高い値を示した。運動様式の違いとして,両側上肢挙上運動の方がVO 2/kgが高値の傾向を示した(P=0.080)が,呼気延長呼吸によって,その傾向を認めなくなった。RPEは一側上肢挙上運動の方が両側上肢挙上運動よりも高値となった。以上のことから,上肢の筋力が十分に維持された状態では,一側上肢挙上運動の方が生体に与える呼吸循環系への負担が少ないと考えられた。また,呼気延長呼吸は両側上肢挙上運動中の酸素需要量を減じる効果があることが示唆された。
  • 北畑 恵理, 國峯 明子, 見目 澄子, 鈴木 麻里子, 野田 麻子, 丸山 仁司
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2003 年 18 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/18
    ジャーナル フリー
    平均台歩行がフィールドで簡便に行えるバランス検査として有用かを検討することを目的として,健康女性を対象に,静止立位での重心動揺とCross Testでの重心移動をバランスの指標とし,下肢筋力,柔軟性,平均台歩行時間を測定した。平均台歩行時間を目的変数として重回帰分析を行なった結果,有意な説明変数として開眼片脚立位での重心動揺が検出された。静的バランスを目的変数として重回帰分析を行なった結果,有意な説明変数として下肢筋力,柔軟性が検出され,平均台歩行時間は検出されなかった。平均台歩行は静的バランスではなく,動的なバランスの指標となりうることが示唆された。高齢者以外においても下肢筋力は静的バランスに影響を与える重要な指標であることが示唆された。
紹介
feedback
Top