理学療法科学
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20 巻 , 4 号
November
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研究論文
  • 竹内 弥彦, 下村 義弘, 岩永 光一, 勝浦 哲夫
    2005 年 20 巻 4 号 p. 253-257
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,足圧中心(CFP)位置を指標とした立位側方不安定位置における高齢者の姿勢制御特性について,CFP動揺特性と下腿筋活動から検討を加えることである。対象は健常高齢群12名と若年群10名とした。設定した課題動作において,CFP全移動距離の80%以上を最大移動区間と定義し,この区間におけるCFP動揺速度標準偏差と下腿筋活動量を2群で比較検討した。下腿筋活動量は高齢群で有意な差は認めなかった。加えて高齢群では,前後方向動揺速度標準偏差と長腓骨筋活動量との間に有意な正の相関関係を認めた(r=0.752, p<0.01)。側方最大移動区間における高齢群の特徴としては,足関節周囲筋群を包括的に収縮させることで足関節の固定を得ていたこと,さらにCFP前後方向の振動の大きさと長腓骨筋活動量に関係があることが見出された。
  • 宮原 洋八, 佐藤 由紀恵, 佐竹 雅子
    2005 年 20 巻 4 号 p. 259-262
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は,地域高齢者を対象とした転倒調査において過去1年間の転倒の有無と関連する要因を明らかにすることである。奄美大島の笠利町(総人口は6,900人)に居住する60歳以上の在宅高齢者で「転倒予防教室」に参加した男女172人が対象である。転倒の発生率は17%で,そのうち骨折した人は約33%であった。 転倒の発生場所では屋内は居間,屋外は道がそれぞれ1番多くどちらも日常生活を行っている場所で発生していた。転倒と諸要因の関連では,「バケツの持ち上げができない」「身体の調子が悪い」が抽出された。
  • 上杉 雅之, 高田 哲, 嶋田 智明
    2005 年 20 巻 4 号 p. 263-266
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    Alberta Infant Motor Scaleは健常児と障害児の鑑別等を目的とした運動発達評価法である。今回,3人の健常児を対象に同法のテキストを用いて評価を施行した。その結果,1例は25-50%,他の2症例はともに90%以上のパーセンテージランクを示した。同法は短期間で実施でき,経験の少ない評価者でも比較的正確な結果を得られるため,スクリ-ニング検査として有用と考えた。
  • 八並 光信, 渡辺 進, 上迫 道代, 小宮山 一樹, 高橋 友理子, 石川 愛子, 里宇 明元, 森  毅彦, 近藤 咲子
    2005 年 20 巻 4 号 p. 267-272
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,無菌室という閉鎖環境で治療を要する造血幹細胞移植患者に対して,運動耐容能と移植前後の下肢伸展筋力(変化率)の関連性について検討することである。対象は,造血幹細胞移植を受け,移植前後で運動負荷テストを施行できた40名である。なお,無菌室内の訓練は,主に柔軟体操と立位での筋力強化を行った。移植前の運動負荷テストの完遂率は100%であったが,移植後は57.5%へ低下した。移植後の負荷テストの結果から,対象を完遂群と非完遂群に分け従属変数とし,年齢・性別・体重変化率・前処置のTBIの有無・無菌室滞在期間・下肢筋力変化率を独立変数として判別分析を行った。その結果,下肢伸展筋力の貢献度が最も大きかった。したがって,有酸素運動が困難な無菌室内において,下肢筋力を維持することによって,運動耐容能の低下を遅延させることが示唆された。
  • 河合 恒, 西原 賢, 比企 静雄
    2005 年 20 巻 4 号 p. 273-277
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    本研究では,高齢者の自由歩行における立脚期の膝屈曲角度,膝伸展力,歩行パラメータとの関係を検討した。被験者は41~82歳の健常女性24名であった。被験者の自由歩行における立脚期の最大膝屈曲角度(Kflx),立脚期,遊脚期,歩行速度などの歩行パラメータをビデオ解析により測定した。Kflxでの膝伸展力,最大膝伸展力は,等速性回転力測定装置(Cybex 340)を用いて60°/sの速度で測定した。最大膝伸展力には有意な加齢による低下が認められたが,Kflxでの膝伸展力については差がなかった。最大膝伸展力と有意な相関があった歩行パラメータは,遊脚率のみであったが,Kflxでの膝伸展力は,遊脚率,遊脚/立脚比,両脚支持期,両脚支持率との間に有意な相関があった。本研究の結果から,筋力に基づいた歩行評価について,歩行で使用される屈曲に近い角度での膝伸展力と,遊脚期や両脚支持期に関するパラメータの有用性が示唆された。
  • 今宮 尚志, 中村 安希, 沖 貞明, 越智 淳子, 小野 武也, 大塚 彰, 清水 ミシェル・アイズマン
    2005 年 20 巻 4 号 p. 279-282
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    臨床では,関節固定期に関節拘縮予防を目的として早期から自動運動を行うケースがある.しかし,実験動物を用いた関節拘縮予防に関する先行研究では,他動運動を用いたものは多くあるが,自動運動を用いたものはない.そこで本研究では,実験的にラットの一側足関節に関節固定を施行し,その固定期間中にトレッドミル走行による自動運動を行い,関節拘縮予防が可能であるかを検討した.その結果,トレッドミル走行によって関節拘縮の発生抑制効果は認められるものの,関節拘縮の発生を完全には予防することはできなかった.
  • 佐藤 仁, 丸山 仁司, 柊 幸伸, 加藤 宗規
    2005 年 20 巻 4 号 p. 283-287
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,理学療法施行前の下肢伸展挙上と理学療法によって得た指床間距離の変化量の関係を探り,指床間距離の改善にハムストリングスの筋長が影響しているか否かを明らかにすることである。指床間距離0 cm未満者を対象とし,PNF群(41名,平均年齢21歳)と非PNF群(24名,平均年齢20歳)に設定した。PNF群にはPNF骨盤後方挙上パターンへのホールド・リラックスを施行した。結果,PNF群はホールド・リラックス後,指床間距離が有意な増加を示し(p<0.05),ホールド・リラックス施行前の下肢伸展挙上とホールド・リラックス施行による指床間距離の変化量は相関を認めなかった(p<0.05)。骨盤後方挙上パターンへのホールド・リラックスで指床間距離が改善する結果が得られ,施行前のハムストリングスの筋長に影響されないことが示唆された。
  • 横塚 美恵子, 阿部 和也, 今野 加奈子, 石井 伸尚, 竹本 晋也
    2005 年 20 巻 4 号 p. 289-292
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,排泄関連動作における着衣を上げる動作の自立群と非自立群の立位バランスを比較し,さらに影響を与えている運動機能について検討することである。対象は発症から6ヶ月以上経過し,立位保持が可能な脳血管障害片麻痺者20名(平均年齢76.7±10.9歳)を,自立群13名と非自立群7名に分類した。立位バランス能力の評価はBerg Balance Scale(以下BBS)を用い,運動機能として下肢Br.Stage,非麻痺側及び麻痺側膝伸展筋力を測定した。その結果,自立群と非自立群の立位バランスの比較では,BBS総合点とBBS動的バランス得点において有意な差を認めた(p<0.05)。BBS各項目の中で「リーチ」「物を拾う」「振り向き」の3項目について,自立群と非自立群で有意な差を認めた(p<0.05)。さらに,立位バランス能力と運動機能の関係において,麻痺側膝伸展筋力(p<0.01)とBr.stage(p<0.01)で比較的強い正の相関を認めた。着衣を上げる動作には,動的バランスが関与し,麻痺側膝伸展力及びBr.Stageが影響していることが示唆された。
  • 越智 亮, 太場岡 英利, 森岡 周
    2005 年 20 巻 4 号 p. 293-297
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    本研究の目的はTilt table傾斜角度の漸増に伴う下肢荷重量の増加と下肢筋活動の変化との関係を調査することである。健常成人7名を対象とした。Tilt table傾斜角度を段階的に変化させた時の下肢筋活動量と静止立位時の一側下肢筋活動量を比較した(実験1)。次に,対象者を電動Tilt table上に寝かせ,傾斜を0°~80°まで連続的に変化させた時の一側下肢筋活動を導出した(実験2)。両実験の結果,Tilt table傾斜角度が増加しても大腿直筋,内側広筋,大腿二頭筋,半腱様筋,前脛骨筋の筋活動量は変化せず,静止立位時に比べ僅かなものであった。それに対し,ヒラメ筋はTilt table傾斜角度の変化に伴う荷重量と筋活動量との間に強い相関関係を認めた。腓腹筋外側頭と腓腹筋内側頭はヒラメ筋とは筋活動様相が異なっていた。以上の事実を踏まえ,Tilt table上立位における下肢部分荷重の有用性と,下腿三頭筋における運動学的な機能形態の違いについて議論した。
  • 松尾 篤, 冷水 誠, 庄本 康治, 佐々木 久登, 高取 克彦, 梛野 浩司, 徳久 謙太郎
    2005 年 20 巻 4 号 p. 299-302
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    非利き手での書字課題に対する鏡治療の影響を評価した。健常成人10名を対象とし,鏡治療前後での非利き手での実際の課題実行時間と心的イメージ時間を測定した。非利き手で“理学療法”の4文字を実際に書字し,またそれを心的イメージすることを課題とした。鏡治療にはミラーボックスを作成し,利き手の鏡映像のみが視覚入力され,それを見ながら書字練習を10分間実施した。実際の課題実行時間は,鏡治療後に有意に減少した(p=0.003)。また心的イメージ時間でも,鏡治療後に有意な減少を示した(p=0.003)。本結果から,実際の運動反復練習を実施することなしに,明確な運動イメージを形成させることのみでも,パフォーマンス時間の変化が期待できる可能性が示唆された。
  • 帯刀 隆之, 金子 誠喜
    2005 年 20 巻 4 号 p. 303-307
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は腰掛け位からの起立動作における身体質量中心の水平移動から垂直移動への運動の切り替えがどのようなメカニズムのもとで行われているかを解明することである。体幹前傾による推進運動量の発生や身体質量中心の運動,下肢伸展モーメント発揮タイミングなどを起立動作中にみられるイベントとして位置付け,動作スピード要因を負荷することでこれらイベントの内容や時系列順序性の変化を捉えた。19名の健常成人を対象に動作スピード3条件の起立を行わせた。その結果,動作開始から殿部離床完了までの相で動作スピード要因に応じたイベント発生タイミングの時期に有意な差がみられた。これらから運動の切り替え制御は,推進運動量に対する制動のための股関節パワーを動作開始後まもなく増大させ,このタイミングを起立条件に応じて図ることで行われていると考えられた。
  • 宮原 洋八, 竹下 寿郎, 西 三津代
    2005 年 20 巻 4 号 p. 309-313
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    本研究では,2003年から2004年の間に通院した脳卒中片麻痺患者15名を対象に,訓練開始時と半年後に運動能力(握力,膝伸展力,最大歩行速度)とバーセルインデックス(Barthel Index:BI)を測定し,その関連を検討した。最大歩行速度は訓練開始時では握力と膝伸展力,BIとの関連が強かった。最大歩行速度の決定因は患側握力で,BIの決定因は身長,健側握力であった。
  • 高倉 聡, 大城 昌平
    2005 年 20 巻 4 号 p. 315-319
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    高齢者用バランスボードN型(BN)を使ったバランス機能評価法と,高齢者の歩行移動能力との関連について検討した。対象は,高齢者45名であった。BNによるバランス機能評価は,BNの高さと保持時間によって4群(BNグレードI~IV)に分類した。その結果,BNグレードが低くなるに従って歩行レベルも有意に低かった。また,多項ロジスティック回帰分析の結果から,非歩行自立群の歩行自立群に対するリスク要因として,10 m最大歩行速度とBNグレードが有意であった。したがって,BNによるバランス機能評価は,高齢者の歩行移動能力と関連がみられ,歩行移動手段を検討する際の指標の一つと成り得ることが示唆された。
  • 野口 雅弘, 木村 朗, 山崎 泰弘
    2005 年 20 巻 4 号 p. 321-324
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    目的は回復期の脳血管障害患者の一日の肢位強度法による身体活動量,麻痺ステージとFIM得点を測定し,選択的な分離運動困難や移動動作が自立していない状況が身体活動量に影響するか否かを調べることであった。対象は2004年8月から2ヶ月間に回復期リハビリテーション病棟に入院したCVA患者20名〈男性13名,女性7名〉であった。方法は3名の理学療法士が無作為割付された症例を測定し,下肢ステージII以下とIII以上及びIII以下とIV以上,FIM66点以上と65点以下の群間のPIPA平均値の差を検定した。結果,下肢ステージII以下とIII以上の群間でPIPAは差を示した。身体活動量の確保に注意すべきと考えられた。
  • 宮原 洋八, 竹下 寿郎
    2005 年 20 巻 4 号 p. 325-328
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    鹿児島県のK診療所入院・外来患者から変形性脊椎症19名,脳卒中15名を,またコントロールとして女性健常者15名を対象に,運動能力(握力,最大歩行速度,膝伸展力)を測定し,その特徴を検討した。握力と膝伸展力においては,健常者群が変形性脊椎症患者群,脳卒中患者群より優れていた。最大歩行速度では,健常者群が脳卒中患者群より優れ,変形性脊椎症患者群は脳卒中患者群より優れていた。年齢と関連した項目は,脳卒中患者群の膝伸展力であった。
  • 宮原 洋八, 竹下 寿郎, 西 三津代
    2005 年 20 巻 4 号 p. 329-333
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/02/14
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は,地域在住高齢者の運動能力と生活機能における関連とそれらの加齢による縦断的変化を明らかにすることである。奄美大島の笠利町に居住する85歳から91歳の高齢者42人を対象とした。その結果,5年間の加齢による低下を縦断的手法で確認した。1999年度の測定項目間で全て有意な相関を示した。測定項目の個人差では,膝伸展力が最も増加した。測定項目のなかで最も低下した項目は筋力であった。
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