理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
17 巻 , 4 号
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特集
  • 今泉 寛
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 4 号 p. 209-214
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/10
    ジャーナル フリー
    「高齢者問題」とは社会を構成している私たち自身の問題に他ならない。社会を変化させ続けてきた力は何だったのか,人間の支配関係と貨幣への分析をとおして,更に著明な先輩諸氏からのメッセージを戴きながら,老後を生き抜く戦略を探る。
  • 伊藤 隆夫
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 4 号 p. 215-220
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/10
    ジャーナル フリー
    2000年の介護保険制度の導入を契機に,在宅を基盤としたリハビリテーションサービスの充実が求められている。しかしながら,在宅訪問活動への理学療法士のかかわりは極めて貧弱な実態と言わざるを得ない。リハビリテーション医療は急性期から回復期,さらには長期慢性期における維持期リハビリテーションといった一連の流れが形成されることが重要となってくる。とりわけ在宅維持期リハビリテーションにおいては各種在宅サービスの有機的な連携を必要不可欠とするケアマネジメントの視点が重要となってくる。さらには対象者を生活者としてとらえ,生活モデルとしてのアプローチが重要となってくる。診療所・訪問看護ステーションからの訪問リハビリテーション活動の実際を通じて,在宅リハビリテーションにおける理学療法士の役割を検討する。
  • 岡持 利亘
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 4 号 p. 221-225
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/10
    ジャーナル フリー
    高齢者と理学療法を考えるにあたり,その提供施設である療養型病床について検討した。リハビリテーション(以下,リハビリ)を取り巻く医療制度の変化を知り,リハビリの流れと各時期におけるリハビリ提供のあり方につき整理した。特に,医療から在宅へと橋渡しを行う役割として整備が進められている回復期リハビリ病棟について,その運営の実際について紹介し,入院中に対象者に対して何を行うべきかを考える。これらの経験から今後の療養型病棟および理学療法士に求められる役割について考える。
研究論文
  • 半澤 宏美, 千葉 直美, 佐々木 誠
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 4 号 p. 227-232
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/10
    ジャーナル フリー
    異なる肩関節外転角度での上肢クローズドキネティックチェイン(CKC)運動時筋力を測定し,運動方向による差異を比較するとともに,起居移動動作との関連を検討した。対象は若年健常女性16名(19.2±1.2歳)である。方法として,まず肩関節外転0°,15°,30°方向への上肢CKCでの伸展運動時等速性筋力を,60,180,300 deg/secの運動速度で測定した。また,車椅子10 m駆動時間,30秒間に反復可能なプッシュアップ回数,T字杖免荷率の3項目とした。各肩関節外転角度における上肢CKC運動時筋力は,どの運動速度においても外転角度の増加に伴って有意に低値を示した。この筋力は,車椅子10 m駆動時間,プッシュアップ回数との間に相関が示されなかったが,T字杖免荷率の60,180 deg/secにおけるいずれの運動方向でも有意な相関を認め,300 deg/secにおいては外転0°方向で相関を認めた。上肢CKC運動時の筋力は,どの運動速度でも方向特異性が認められ,上腕骨の内転作用も有する広背筋の作用が大きいことが示唆された。また,起居移動動作能力との関係においては,車椅子駆動やプッシュアップが筋力以外の身体技能や筋持久力が求められる課題であるのに対して,T字杖免荷率は複雑な技能が比較的要求されない課題であるため,60,180 deg/secでの筋力と相関が認められたものと考えられる。以上,上肢CKC運動時筋力の運動方向特異性が示されたが ,起居移動動作との関連において運動方向の相違が反映されることについては明らかにできなかった。
  • 徳山 和宏, 藤村 昌彦, 奈良 勲
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 4 号 p. 233-236
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/10
    ジャーナル フリー
    今回,健常男子11名を対象として重量物の持ち上げ動作時の脊柱起立筋の活動について筋電計を用いて双極誘導で導出した。重量物の質量は,被験者の体重(kg)の5%,15%,30%の3種類とし,床面から身長の1/2の高さの台へ持ち上げさせた。その結果,「準備期」および「持ち上げ期」ともに,質量不明の重量物を取り扱う際の%MVCが大きな数値を示した。これらのことから,1)重量物の質量が分からない場合,被験者が質量を過大評価することにより,筋が過剰に反応し疲労につながる可能性が認められた。2)重量物取り扱い作業における質量表示の有効性が示唆された。
  • 大沢 晴美, 浅川 康吉, 橋本 沙織
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 4 号 p. 237-241
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/10
    ジャーナル フリー
    在宅療養者における他者との交流および外出の現状を明らかにするために,訪問看護を受けている患者39名(平均年齢76.9歳)と市営老人センター利用者31名(平均年齢75.5歳)を対象とした個別面接調査を行ない,調査結果を比較検討した。その結果,在宅療養者群は対照群と比べて友人・知人との交流が少なくホームヘルパーなどの専門職との交流頻度が高かった。さらに,在宅療養者について外出の頻度により閉じこもりの者と非閉じこもりの者に分類し両者を比較したところ,基本属性に差異は認められなかったが,非閉じこもりの者は閉じこもりの者に比べてデイケアやデイサービスを外出の機会として利用しているケースが多い傾向が認められた。在宅療養者の閉じこもりを予防する手段の一つとして,デイケア・デイサービスの充実は重要な対策となることが示唆された。
  • 村田 伸, 忽那 龍雄
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 4 号 p. 243-247
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/10
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,足把持力測定器を試作して,測定値の再現性を検証し,足把持力と重心動揺や走行速度との関係を明らかにすることである。男性55名22.1歳±3.2,女性60名21.2 歳±2.2,計115名の健常者を対象として,足把持力を測定するとともに,重心動揺(GS3000による)及び30 mの走行速度を測定した。まず,試作測定器による足把持力3回の測定値の再現性は,級内相関係数r = 0.973であり,高い再現性を示した。また,足把持力は性差が認められ,男性が有意に強かった。足把持力と重心動揺との関係は,女性に有意な負の相関,男性では負の相関傾向が認められ,走行速度とは,男女とも有意な正の相関を認めた。これらのことから,足把持力は姿勢の安定に関与し,走行時は前進駆動力としての役割を果たしていることが示唆された。また,試作した測定器は,臨床応用が可能な測定器であると考えた。
  • 久保 晃, 丸山 仁司
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 4 号 p. 249-252
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/10
    ジャーナル フリー
    健常成人17名(平均年齢21歳)に車椅子推進介助時における介助者と被介助者間の体重差が介助者の酸素摂取量,心拍数,主観的運動強度におよぼす影響について検討した。車椅子介助者は,傾斜のないトレッドミル上を1~4 km/hで推進させ,相対体重を(被介助者の体重)/(介助者の体重)×100(%)として求めた。相対体重と酸素摂取量の間に2 km/h以上で,心拍数の間に3 km/h以上で有意な正相関が認められ,3 km/h以上になると,被介助者の体重が軽いほどエネルギー消費は小さく,逆に重いほどエネルギー消費は大きくなることが示唆された。一方,主観的作業強度は体重差と関連が認められなかった。生理的な指標を用いることで,介助者の体力および健康状態を考慮した健康増進や介護負担の軽減に応用が可能と思われる。
  • 中村 浩, 加倉井 周一
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 4 号 p. 253-258
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/10
    ジャーナル フリー
    足アーチに関する研究では動的変化の特徴を明らかにすることが重要であるが,その解析は未だ十分ではない。健常男女34名を対象に3次元動作解析装置(Vicon)を用いて,内側縦アーチ(MLA)の坐位,つかまり片脚立位,片脚立位および歩行における変化を明らかにした。そのうちの男性9名に電気アーチ測定器(EAG)を装着し,歩行におけるMLAの長さ変化を計測した。その結果,MLAの動的変化は床反力の鉛直分力の影響を受けており,足アーチが人の動きや歩きかたを特徴づける重要な機能因子として,衝撃の吸収,推進・バランス作用を合目的に調整する機能を有することが確認された。
  • 佐々木 賢太郎, 千田 益生, 石倉 隆, 太田 晴之, 森 剛士, 築山 尚司, 村瀬 ゆかり
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 4 号 p. 259-264
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/04/10
    ジャーナル フリー
    TKA施行前後の術側,非術側のSLR筋力,およびThe Timed up & go test(以下Up & go test)の推移をRA16例(67.2±9.0歳,全例女性)とOA12例(70.8±4.6歳,全例女性)で比較した。筋力測定には独自で考案した徒手筋力計を用いて,術前,全荷重時(術後16.9±2.6日),及び退院時(術後26.0±2.9日)の3期に測定し,それと同時に疼痛の程度をVisual Analogue Scale(以下VAS)にて評価した。術側SLR筋力において,RAでは,全荷重時でほぼ術前値に達し,退院時には有意に増加した。それに対しOAでは,全荷重時には,術前値よりも有意に低下しており,退院時になって術前値に達していた。またOAでは術前における術側SLR筋力は,VASと負の相関を示した。非術側SLR筋力においては,RAでは術前値に比べ,全荷重時,及び退院時ともに増加したが,OAでは術前値に比べ全荷重時では,有意に増強せず,退院時に増加した。Up & go testにおいても,RAでは退院時の速度は,術前と差がないのに対し,OAでは退院時の速度は術前よりも遅れる傾向にあった。基礎疾患により術前の状態は異なり,同手術,理学療法を行なってもその回復過程は異なるため,疾患に合わせたゴール設定,及びプログラムを施行していく必要がある。
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