理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
15 巻 , 3 号
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  • 安藤 正志
    2000 年 15 巻 3 号 p. 63-72
    発行日: 2000年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    痛みの評価(測定法と検査法)に関する研究報告に基づき,特に理学療法分野で応用可能であるものを紹介した。痛みを評価する目的は,患者の訴えを客観的に把握すること,痛みを引き起こしている原因を探察すること,そして痛覚機能の障害の程度を測定する(痛覚閾値の測定)ことの3つである。訴えを把握するには,痛みの強さ,性質,時間的変化,領域における4次元的に捉えておく必要がある。痛みの原因を探索するには,圧痛点の探索,姿勢の矯正,関節運動による痛みの誘発などの方法が用いられる。また,痛覚閾値の測定法には,機械的刺激法,温度刺激法,化学刺激法,電気刺激法があることを論じた。
  • 黒澤 美枝子
    2000 年 15 巻 3 号 p. 73-79
    発行日: 2000年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    痛みは組織を損傷するような侵害性の刺激によって起こり,身体を脅かす危険な信号を知らせるという重要な役割を果たしている。侵害性の刺激によって興奮する侵害受容器は特殊な受容器構造を有しておらず,AδやC線維の一次求心性神経自由終末であると考えられている。一次求心性線維は,脊髄後角でグルタミン酸やサブスタンスPなどの伝達物質を分泌して侵害受容二次ニューロンに興奮を伝える。侵害性情報はさらに脊髄内を上行し,視床の特殊核或いは非特殊核に投射した後,大脳皮質感覚野,大脳辺縁系に投射して,痛みの感覚や情動反応,自律反応,防御反応を引き起こす。生体内にはまた,痛みに対する抑制機構(鎮痛機構)も存在する。
  • Brian BUDGELL
    2000 年 15 巻 3 号 p. 81-87
    発行日: 2000年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    On a broad scale, relief from current pain is probably the single most important consideration for our patients. However, physical pain is not the only component of a patient's suffering, and sometimes other aspects of a spinal pain syndrome are of equal or greater clinical importance. Pain in general, and perhaps spinal pain in particular, is capable of eliciting changes in visceral function which can be distressing and even dangerous. There might be various mechanisms through which such functional changes might occur, but the somatoautonomic reflex is probably the best understood. This paper will first discuss the mechanism of the somatoautonomic reflex and then examine whether evidence supports an important role for this phenomenon in spinal pain syndromes.
  • 種子田 斎
    2000 年 15 巻 3 号 p. 89-94
    発行日: 2000年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    股関節は独自の特徴ある構造と機能をもち,軟部(結合)組織で構成する。その軟部組織部位の局所解剖を知ることが,痛みの機序を理解するのに都合がよく,股関節の解剖学的構成について述べた。さらに股関節に痛みが起こると歩行障害,股関節可動域制限,股周囲筋の筋力低下などの機能障害を認め,個々の股関節疾患の痛み機序について紹介し,そのうちもっとも多い変形性股関節症の治療について述べた。
  • 今泉 寛
    2000 年 15 巻 3 号 p. 95-98
    発行日: 2000年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    真の心の痛みは危機を脱し,現実が見え始めた頃から襲ってくる.しかしそのメカニズムや治療法は不明な点が多い.今回は,私の体験から学んで来た事がらを中心に,どう向き合おうとして来たか,私見を述べる.
  • 一色 俊行
    2000 年 15 巻 3 号 p. 99-103
    発行日: 2000年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    痛みを理解するためには,単に身体的側面からの捉え方をするのではなく,心理学的側面からの理解が必要である。痛み知覚は情動との関連性が高く,身体的原因の全くない疼痛,いわゆる心因性疼痛も存在する。この心理的疼痛に関してICD-10とDSM-IVの分類について解説し,理学療法に関連の強い幻肢痛と慢性疼痛について主に心理面からの関係を述べた。
  • 柳澤 健
    2000 年 15 巻 3 号 p. 105-110
    発行日: 2000年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    痛みに対する物理療法でしばしば使用される超音波療法および電気刺激療法の機器の原理・特性,治療方法などについて最近の知見を含めて概説した。超音波療法では周波数の相違,強度,ビーム不均等率(BNR),キャビテーション,治療面積,導子移動速度についてふれ,電気刺激療法では経皮的電気刺激療法(TENS)及び干渉波療法の機器の原理・特性や痛みの抑制に対する根拠などについて概説した。
  • 黒澤 和生
    2000 年 15 巻 3 号 p. 111-115
    発行日: 2000年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    徒手的治療手技のうち,軟部組織モビライゼーションを取り上げ,軟部組織の傷害と臨床症状,そして治療の概要について述べた。軟部組織モビライゼーションが軟部組織の痛みに対する1つの治療手段であるが,疼痛を引き起こす原因であるOveruse(使いすぎ)となる生活習慣や仕事の内容等を把握し,適切な生活指導を行っていくことが痛みの管理には重要である。
  • 齋藤 昭彦
    2000 年 15 巻 3 号 p. 117-123
    発行日: 2000年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    神経系は全身に分布し,物理的,電気的,化学的手段によって情報を伝達している。神経系は四肢,体幹に分布するため,身体運動に対して柔軟に適応するメカニズムを有している。このようなメカニズムは外傷等により障害され,痛みや可動域障害などの原因となる。従来の理学療法では神経系は主として検査・評価対象であったが,神経系モビライゼーションでは病態に応じた積極的なアプローチが行われる。本論では,神経系機能障害の病態について概説し,神経系の機能障害に対する検査,治療について記載する。
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