日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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53 巻 , 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
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  • 石橋 晃
    53 巻 (2002) 5 号 p. 477-486
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    日本における代替医療, ことに漢方の過去と現在について述べる。6世紀頃中国から渡来した漢方は, 明治維新頃には一時衰退したが, 1976年に漢方製剤が健康保険で採用となり, 多くの医師がこれを用いることが出来るようになった。
    一般の医師が西洋薬も漢方製剤も健康保険上で用いることが出来るのは, 日本独自の特徴であり. これを臨床に活用するべきであろう。
    日本は顕著に高齢化し, 医療費も高騰している。高齢者は免疫能も低下し, 多病態を抱えている。西洋薬では高齢者の個々の病態に対応させるには, 多剤が必要である。漢方製剤は免疫能も高め, 多成分系であるため同時に一剤で多くの病態を改善することが出来る。漢方製剤を用いれば, 医療費の軽減に貢献できる。この観点から, 高齢社会での漢方の価値は非常に高く評価されると思われる。
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  • 二宮 文乃
    53 巻 (2002) 5 号 p. 487-501
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    慢性皮膚炎の代表例としてアトピー性皮膚炎につき, 皮膚科的治療と, 漢方治療を対比した。原因, 悪化因子に, 内因性アレルギーによる場合と, 非アレルギーとしてバリヤー機能異常による外因性刺激とがある。
    I型アレルギーはTh2細胞の活性化でIL4, IL5, IL13などのサイトカインを産生, IgE抗体好酸球により, 急性皮膚炎として発生する。清熱利水剤を使用。
    IV型アレルギーは, Th1細胞の活性化でIL2, IFNγの産生で慢性皮膚炎を呈する。補剤を使用。
    非アレルギーでは, バリヤー機能異常によるセラミドと水分不足で乾燥し, 易刺激性となり, 発症しやすい。
    皮膚炎は表皮下, 真皮内に水液と炎症細胞がみられるので, 利水剤によりこれを除去し, 更に補陰剤を使用する場合もある。
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  • 御影 雅幸, 松村 光重, 高橋 志保子
    53 巻 (2002) 5 号 p. 503-507
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    前報で, マメ科の Pueraria 属植物の根を基源とする漢方生薬「葛根」は初夏に採集すべきであることを考証し, 報告した。本報では初夏と冬期に採集した葛根の化学的品質の相違について検討した。その結果, 水製エキス含量は冬期に高い傾向があったが, フラボノイドの puerarin や daidzin, またデンプン含量には初夏と冬期に顕著な変化が見られなかった。なおデンプン含量は株により大きく異なったが, 同一株においては冬期と夏期で顕著な差はなかった。
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  • 長坂 和彦, 引網 宏彰, 名取 通夫, 土佐 寛順, 寺澤 捷年
    53 巻 (2002) 5 号 p. 509-514
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 強度の「心下痞鞭」,「項背強」と便秘を認めた二症例に, 大陥胸丸を長期間連用する機会を得た。症例1は75歳・男性。1986年から, 軽い労作でも息が切れるようになり, 肺気腫・塵肺と診断された。労作時の呼吸困難が著しく, テオフィリン除放製剤, 気管支拡張剤, 去痰剤, ステロイドの服用でも症状が改善しないため受診した。大陥胸丸を服用後は, 項背の強ばりや安静時の呼吸困難は改善し, ステロイドも中止することができた。大陥胸丸は項背の強ばりと心下痞鞭を治すことが有名であるが, 本例では咽喉部の不快感も消失した。症例2は, 56歳・女性。1980年頃から肩こりが強くなり, 90年から頭痛を伴うようになり受診した。大陥胸丸を投与したところ, 頭痛と項背の強ばりが改善し, 厚い黄苔も消失した。水の停滞のために心下痞鞭を来す場合は, 自覚症状の改善とともに心下痞鞭が軽決することが多い。しかし, 今回の2症例では, 心下痞鞭は改善しなかった。
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  • 南澤 潔, 古田 一史, 三潴 忠道, 寺澤 捷年
    53 巻 (2002) 5 号 p. 515-519
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    抗生物質治療に抵抗性であった84歳男性の敗血症患者に対して, 黄耆建中湯が奏功した症例を経験した。患者の血液培養からは継続してクレブシエラが検出され, 明らかで無いながら感染源として腸管からの bacterial translocation が疑われた。2週間の抗生物質治療にも関わらず弛張熱と血液培養陽生が持続し, 菌交代現象が示唆された。このため抗生物質を中止の後, 黄耆建中湯単独にて加療したところ徐々に発熱, 炎症反応の低下が見られ, 抗生物質を再開することなく血液培養も陰性化し, 患者は完全に回復した。黄者建中湯は「虚労を治す」とされているが, 敗血症治療に奏功したとの報告は見られない。機序は明らかでないが, 黄耆建中湯が特に高齢者や免疫機能低下状態の重篤な感染症の治療に有用である可能性が示唆された。
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  • 小林 豊, 笠原 裕司, 喜多 敏明, 萬谷 直樹, 寺澤 捷年
    53 巻 (2002) 5 号 p. 521-527
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    難治性胃潰瘍患者にみられた再発を繰り返す嘔吐に対し茯苓沢瀉湯が奏効した一例を経験した。症例は77歳女性。1997年2月, 躁鬱病の躁状態の悪化で入院中にタール便が出現し, 上部消化管内視鏡検査で胃潰瘍と診断。3年間にわたりH2受容体拮抗剤およびプロトンポンプ阻害薬で通常の治療を行なったが, 瘢痕期に至らないことから難治性胃潰瘍と考えられた。1998年2月,「朝食べたものを夕方吐いた」という訴えから, 嘔吐が胃反の病態によるものと考えられた。また, ひとたび嘔吐すると, 三日間は続けて嘔吐した。そこで, 嘔吐が出現時に茯苓沢瀉湯を服用させたところ, 嘔吐は一日で済んだ。同処方継続により嘔吐が出現しなくなり, 胃潰瘍は瘢痕期まで治癒した。 本症例において, 茯苓沢瀉湯が嘔吐発作を消失させたばかりでなく, 胃潰瘍治癒機転に好ましい作用を及ぼした可能性が示唆された。
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  • 鎌田 晃彰, 古田 一史, 貝沼 茂三郎, 川口 哲, 三潴 忠道
    53 巻 (2002) 5 号 p. 529-535
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    我々は難治性の下半身の浮腫6症例に対し牡蠣沢瀉散料を投与し, 有効3例と無効3例を経験した。気虚や腎虚等が認められた症例では, まず気や腎を補い, 虚状が改善された後に, 牡蠣沢瀉散料を投与して浮腫の改善を得た。一方無効3症例は本方投与時に何らかの虚状が認められた。
    過去の医籍によると, 牡蠣沢瀉散の使用目標は, 大病の後に虚証であっても, 腰以下の浮腫ならば, 直ちに本方を投与すべきであるとする説と, 虚実間以上の者に投与すべきであるとする説があった。我々の経験した慢性疾患の患者と一律に論じられないことが判った。慢性疾患の患者では牡蠣沢瀉散の使用目標を次のように考察した。(1) 下半身までの浮腫。(2) 尿不利。(3) 虚実間か実証。(4) 気虚や血虚, 脾虚や腎虚がない。(5) もし気虚, 脾虚, 腎虚等が認められれば, それらを十分に補った後, または十二分に補いながら処方する。
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  • 星本 和倫, 星本 和種
    53 巻 (2002) 5 号 p. 537-543
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    最近では子宮筋腫に対し, GnRH agonist (GnRHa) による内科的治療法が注目をあびている。しかし, 血中エストラジオール値の低下がもたらす更年期様症状の発現はこの治療法の大きな問題点のひとつである。こういった副作用に対し, 漢方製剤の併用が試みられている。今回われわれは子宮筋腫26症例に対し, GnRHa として酢酸リュープロレリンを6ヵ月間投与した。その際, 副作用対策として GnRHa 投与1ヵ月後から「証」を考慮することなく, 漢方製剤 (当帰芍薬散, 加味逍遥散, 桂枝茯苓丸のいずれか1製剤) を併用し, その効果を比較した。その結果, 3種類の漢方製剤はいずれも更年期様症状の減弱に有効であったが, 加味逍遥散が最も効果的であった。また, 桂枝茯苓丸併用群において子宮筋腫の縮小効果が最も大きかった。しかし, 今回の研究は症例数も少なく, 今後, さらに症例数を増やして検討していく必要がある。
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  • 53 巻 (2002) 5 号 p. 545-547
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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