皮膚の科学
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10 巻 , 4 号
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研究
  • 大島 栄治, 比嘉 良喬, 三嶋 豊
    2011 年 10 巻 4 号 p. 282-288
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    新規化粧品素材「桑黄(そうおう)抽出液」は培養マウスメラノーマ B16 細胞のメラニンポリマー生成を抑制した。この作用メカニズムを解析した結果,(1)桑黄抽出液は培養 B16 細胞のプレメラノソーム内での tyrosinase アイソザイム T3 の著減と,(2)それによるプレメラノソーム内メラニンポリマー生成の著減,(3)さらにプレメラノソームの選択的微細構造の変性を来たすことを見出した。以上の結果から,桑黄抽出液のメラニン生成抑制作用の主メカニズムは,色素細胞内 GERL-CV 系における tyrosinase の糖鎖の生成・プロセシングの阻害によるものと結論された。(皮膚の科学,10: 282-288, 2011)
症例
  • 鬼木 俊太郎, 鷲野 裕味子, 姜 朱美, 伴 政雄, 近藤 眞史
    2011 年 10 巻 4 号 p. 289-294
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    80歳,男性。約6ヶ月前より右肩前面に誘因なく皮下腫瘤が生じ,増大してきた。約1ヶ月前から周囲に出血斑が出現し,範囲が拡大したため当院を紹介され受診した。超音波エコー検査と造影 MRI 検査にて,筋膜上に球形の嚢腫を認め,内部は液体成分で下床に一部固形成分を示す部分が見られた。臨床および画像所見上は悪性軟部腫瘍との鑑別が困難であったが,穿刺吸引した液体は陳旧性血液で異型細胞は見られなかった。局所麻酔下に嚢腫を開窓し,嚢腫壁を除去し掻爬して一期的に閉鎖した。病理組織学的に慢性拡張性血腫 (chronic expanding hematoma) に合致するものであり,悪性所見は見られなかった。術後,出血斑も改善し,約半年間再発を認めていない。慢性拡張性血腫を疑ったときにはより侵襲性の低い嚢腫壁の除去掻爬する手術法も有用で,選択肢の1つになると考えた。(皮膚の科学,10: 289-294, 2011)
  • 巽 一啓, 渡邊 愛子, 庄田 裕紀子
    2011 年 10 巻 4 号 p. 295-297
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    19歳,女性。幼少時より左膝蓋直下に疣贅状隆起病変を認めた。近医皮膚科で冷凍凝固法を受けたが軽快せず,徐々に増大した。当院皮膚科を精査目的で受診した。皮膚生検を行ったところ,乳頭状汗管嚢胞腺腫 (syringocystadenoma papilliferum: SCAP) と診断した。腫瘍全摘術をおこない,1年後の現時点で再発は認めていない。SCAP は,おもに若年者の頭頸部に好発するアポクリン汗腺系腫瘍である。頭頸部以外の発生報告は非常に少ない。(皮膚の科学,10: 295-297, 2011)
  • 永田 尚子, 種村 篤, 田中 かおる, 矢島 智子, 谷 守, 片山 一朗, 玉井 宣行, 沢端 章好
    2011 年 10 巻 4 号 p. 298-304
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    58歳,男性。2歳時に両膝から下腿にかけ練炭で熱傷を負った。初診の9ヶ月前に左膝蓋部の熱傷瘢痕部に潰瘍を伴う小結節が出現し,5ヶ月前より急激に増大した。出血するようになったため当院を紹介されて受診した。初診時径 20cm 大のカリフラワー状の巨大腫瘤を認め,左下肢膝上切断術および左鼠径部リンパ節郭清術を施行し,瘢痕癌 pT3N1M0 stage III(2002年皮膚悪性腫瘍取り扱い規約に準ず)と病期診断した。初診時に認められた右肺のわずかな結節陰影が初診から4ヶ月後に増大してきたため,初診時にはすでに肺転移を起こしていたと考えた。右肺区域切除および化学療法を併用したが,両側胸膜に播種し,初診から16ヶ月後に永眠した。自験例を含め当院では過去10年間に8症例の瘢痕癌を経験している。病変の大きさについては長径 10cm 以上の症例が多く,腫瘍の大きさが予後不良因子と関連がある可能性も考えられた。また1例(12.5%)の局所再発,3例(37.5%)のリンパ節転移,2例(25%)の遠隔転移を認め,瘢痕癌は有棘細胞癌と比較し,局所再発やリンパ節転移が多く予後が悪いと考えた。(皮膚の科学,10: 298-304, 2011)
  • 鬼木 俊太郎, 姜 朱美, 山本 篤志, 鷲野 裕味子, 伴 政雄, 喜多川 千恵, 山田 陽三, 岡村 明治, 堀川 達弥, 小川 豊, ...
    2011 年 10 巻 4 号 p. 305-311
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    Neurothekeoma(神経莢腫)の3例を経験した。症例1は9歳,女児,症例2は10歳,女児で,ともに頭部に紅色の小腫瘤が認められた。症例3は37歳,女性で,左足背に常色の小腫瘤が認められた。組織学的に3症例とも豊富な粘液基質を有する多数の小葉構造からなり,紡錘形から類上皮様細胞の腫瘍細胞が増殖していた。臨床的にも組織学的にもこれらの症例は極めて似通っていたが,免疫組織化学的染色にて症例1と2は S-100 蛋白が陰性で microphthalamia transcription factor (MITF) が陽性などの結果から cellular type,症例3では S-100 蛋白が陽性で MITF が陰性であり classic type の neurothekeoma と診断した。Neurothekeoma の病型分類には免疫組織化学的染色が不可欠であり,それぞれの病型における腫瘍細胞の起源の推察にも有用であると考える。(皮膚の科学,10: 305-311, 2011)
  • 仲田 かおり, 鷲尾 健, 堀川 達弥, 上田 亮介, 山本 剛
    2011 年 10 巻 4 号 p. 312-315
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    66歳,男性。骨髄異形成症候群と急性骨髄性白血病にて治療を受けている。2010年4月某日より右第3指爪郭部に疼痛と熱感を伴う発赤と腫脹が出現した。2日後には右第3指全体に腫脹が拡大し,指背から内側にかけて紫斑があらわれた。また右肘には著明な腫脹が出現した。上肢 CT にて右肘窩から屈側に手掌大のリンパ節腫脹を認めた。指の切開および排膿を行い,セフトリアキソンとクリンダマイシンを投与したが創部膿汁より MRSA が検出されたため,バンコマイシンを追加したところ,指の紫斑を伴う腫脹および肘のリンパ節腫脹は速やかに改善を示した。近年,MRSA は院内感染型のみならず市中感染型によるものも問題となっており,また血球破壊毒素の一種である Panton-Valentine ロイコシジン (PVL) 産生株では症状が重篤化しやすく,これらの相違点や特徴も含めて考察する。(皮膚の科学,10: 312-315, 2011)
使用試験
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