皮膚の科学
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10 巻 , 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
症例
  • 中森 利枝, 中井 大介, 水野 麻衣, 馬渕 恵理子, 池上 隆太
    2011 年 10 巻 5 号 p. 399-403
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    66歳,女性。2009年7月冷却パッド寝具を使用したところ,接触部位に一致して強いそう痒を伴う浮腫性の紅斑が広範囲に出現した。近医でステロイドの内服と点滴治療を受け,精査目的にて当科を受診した。冷却パッド寝具の貼付試験を施行したところ72時間判定で寝具の生地に陽性,冷却ジェルに強陽性を示した。冷却ジェル貼付部位は1週間後も紅斑を認め,冷却ジェル中の含有成分が原因物質である可能性が示唆された。冷却パッド寝具の接触皮膚炎に関しては日本皮膚科学会のホームページでも注意喚起されており,今後も同様の症例が増加する可能性があるため注意が必要である。(皮膚の科学,10: 399-403, 2011)
  • 渡邊 愛子, 米田 真理, 庄田 裕紀子
    2011 年 10 巻 5 号 p. 404-406
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    59歳,女性。2007年7月甲状腺原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断され,2008年4月下旬自己末梢血幹細胞移植を受けた。移植後,約8週間経過してから全身に紅色丘疹と水疱が出現した。病理組織では表皮の壊死と表皮下の裂隙を認め,GVHD と診断した。肝機能障害や消化器症状は認められなかった。ステロイド剤の外用のみにて,約2ヶ月で皮疹は消退した。1年以上経過した現在,皮疹の再然はない。自家移植において GVHD が生じる発症機序につき考察を加え報告する。(皮膚の科学,10: 404-406, 2011)
  • 村田 光麻, 山本 瑞枝, 森田 和政
    2011 年 10 巻 5 号 p. 407-410
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    98歳,女性。10年前から右耳介周囲に皮疹を自覚していたが放置していた。半年前から同部位に腫瘤が生じ急速に増大した。初診時,角化とびらんを伴う手拳大の腫瘤を耳介部から側頭部にかけて認め,生検により有棘細胞癌と診断した。出血や滲出液,悪臭を伴っていたため,放射線治療に加え Mohs ペースト法を併用した。速やかに出血や滲出液,悪臭のコントロールが得られ,腫瘍の著明な縮小も得られた。放射線治療による出血や滲出液の増加が問題となる症例では Mohs ペースト法の併用が有用であると考えられた。(皮膚の科学,10: 407-410, 2011)
  • 則岡 有佳, 西田 陽子, 山中 隆嗣, 種村 篤, 片山 一朗, 山口 裕史, 網島 亮, 西田 俊郎, 仲原 正明, 廣田 誠一
    2011 年 10 巻 5 号 p. 411-416
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    54歳,男性。左第5指爪甲が脱落し,びらんを伴う紅色結節およびその周囲の不整な色素斑を認め,maligmant melanoma T4bN0M0 Stage IIC と診断した。左第5指切断および左腋窩リンパ節郭清術施行後 DAV Feron 療法5クール後,月1回のインターフェロン局所投与を追加した。指切断術後1年半経過した時点で胆管への孤立性転移が同定され膵頭十二指腸切除術を行った。膵頭十二指腸切断術後1年1ヶ月後に切除部位から再発した。また胆管転移病巣における c-kit 遺伝子変異が確認されたため,イマチニブメシル酸塩の内服治療を試みたが十分な抗腫瘍効果を得ることは出来なかった。(皮膚の科学,10: 411-416, 2011)
  • 伊東 由美子, 森本 圭介, 小川 浩平, 福本 隆也, 小林 信彦, 浅田 秀夫, 笠原 敬, 大野木 輝
    2011 年 10 巻 5 号 p. 417-423
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    32歳,女性。経膣分娩の8日後に 39°C 台の発熱と全身の紅斑が出現した。産褥熱が疑われ塩酸セフカペンピボキシルの内服を開始された。その2日後には下痢と粟粒大の膿疱が出現し,血圧低下を認めたため入院した。薬疹を疑い抗菌剤をシプロフロキサシンに変更してプレドニゾロンを開始した。開始後7日目頃には全身の紅斑は落屑を残して消失した。指趾と足底に膜様の落屑を認め toxic shock syndrome (TSS) を疑った。膣分泌物の培養で toxic shock syndrome toxin-1 産生性 MRSA が検出され,塩酸バンコマイシンの投与を行った。経腟分娩後に発熱と全身紅斑を認めた際には TSS も鑑別疾患の1つとして考慮する必要があると考えた。(皮膚の科学,10: 417-423, 2011)
使用試験
  • 加藤 真弓, 錦織 千佳子, 水野 可魚, 岡本 祐之, 森脇 真一, 川原 繁, 川田 暁, 古川 福実, 宮地 良樹
    2011 年 10 巻 5 号 p. 424-441
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    4種の紫外線吸収剤と散乱剤を配合することで UV-A の紫外線防御効果を強化し,UV-A,B の両波長領域にわたって高い紫外線防御能を有するブロードスペクトラム日焼け止め化粧料 BSUS ミルク-1について,光線過敏症患者39例に対する臨床試験を6大学にて実施し,有用性の評価を行った。6~13週間の使用試験の結果,評価対象例38症例中31例(81.6%)において,使用感,安全性に問題がなく,十分な紫外線防御効果が認められ,本試験品が有用であることが示された。また,今回の結果においては,作用波長に UV-A を含む患者群の症状改善傾向が強く,本試験品がこれら患者群に対してより有効であったことを示していた。(皮膚の科学,10: 424-441, 2011)
  • 荒金 兆典
    2011 年 10 巻 5 号 p. 442-448
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/10/23
    ジャーナル 認証あり
    尋常性ざ瘡の治療における過酸化ベンゾイル (BPO) の至適濃度を検討した。20人の軽症から中等症のざ瘡患者を対象に,顔面右半側に4% BPO 配合クリームを,左半側に2.5% BPO 配合クリームを塗布し,臨床症状を客観的評価(面疱数,非炎症性丘疹数,炎症性丘疹数,膿疱数の推移)と使用感の主観的評価(刺激感,ほてり感,痛み,そう痒,赤み,乾燥)を検討した。その結果 BPO 配合クリームの外用による臨床症状の客観的評価項目は4,2.5%濃度ともに顕著な改善を認めた。主観的評価項目の推移としては使用2週後に塗布部の刺激感,ほてり感を全般的に認めたが,開始4週間後にはほぼ使用継続に問題ない程度まで軽減した。以上の結果より,BPO はざ瘡の治療に有用であり,2.5% BPO クリームは4%のクリームとほぼ同等の良好な効果を発現し,患者の使用感も特に差を認めないことが明らかになった。(皮膚の科学,10: 442-448, 2011)
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