皮膚の科学
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14 巻 , 1 号
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症例
  • 夏見 亜希, 加藤 敦子, 立石 千晴, 鶴田 大輔
    2015 年 14 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    ジャーナル 認証あり
    31歳,男性。胸部,被髪頭部の紅斑・水疱と口腔内びらんを認めた。ELISA では抗 BP180 抗体,抗 BP230 抗体,抗デスモグレイン1抗体,抗デスモグレイン3抗体はすべて陰性であった。病理組織学的所見では表皮下水疱を形成し,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部に IgG・C3 が線状陽性,1M 食塩水剥離ヒト皮膚を用いた蛍光抗体間接法にて基底膜真皮側に線状に IgG の沈着を認めた。正常ヒト皮膚抽出タンパクを用いた免疫ブロット法で 290kDa の自己抗体が検出され,ELISA にて抗VII型コラーゲン抗体陽性であったことから後天性表皮水疱症と診断した。プレドニゾロン 15mg/day 全身投与を開始後も水疱の新生は治まらず,30mg/day まで増量も効果不十分であった。しかし DDS 75mg/day を併用したところ皮疹は軽快し,ステロイドを減量,中止後も再燃なく,現在は DDS 25mg/day 内服のみを継続している。口腔内病変は後天性表皮水疱症の過去の報告でも半数近くで記載されており,好発部位としての認識が重要である。後天性表皮水疱症の治療にはステロイドと DDS の併用が有効であるが,本症例ではこの併用療法が有効であったばかりでなく,最終的には DDS のみでコントロールできる状態になった点が特徴である。(皮膚の科学,14: 1-5, 2015)
  • 正畠 千夏, 平井 都始子, 福本 隆也, 小林 信彦, 浅田 秀夫
    2015 年 14 巻 1 号 p. 6-11
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    ジャーナル 認証あり
    超音波検査は,皮膚悪性腫瘍の転移検索だけでなく,原発巣の評価においても有用である。表在用の高周波プローブを用いると腫瘍内部を詳細に観察することが可能である。基底細胞癌では,内部に石灰化や壊死,角化を反映する高輝度スポットが認められることがあり診断に有用である。我々は切除範囲の決定のために術前の検査として超音波検査を積極的に施行している。基底細胞癌の6例について術前に超音波検査を施行した。超音波検査により評価した垂直腫瘍径と組織学的検査による腫瘍径とはおおむね一致していた。基底細胞癌の再発例や高リスク症例においては,術前に超音波検査を施行することは切除範囲の決定に有用であると考えられた。(皮膚の科学,14: 6-11, 2015)
  • 新谷 貴子, 濱田 尚宏, 坂口 麻莉子, 猿田 寛, 井上 義彦, 上田 明弘, 石井 文人, 橋本 隆, 名嘉眞 武国
    2015 年 14 巻 1 号 p. 12-16
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    ジャーナル 認証あり
    70歳,男性。角膜潰瘍の治療目的で当大眼科に入院中の2011年1月下旬より,四肢に紅斑と水疱が多発し1月24日当科を紹介受診した。患者皮膚切片の病理組織検査で表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法では表皮基底膜部に IgG,C3 が線状に沈着していた。正常ヒト皮膚切片を用いた蛍光抗体間接法で患者血清中の IgG 抗表皮基底膜部抗体が検出され,それは 1M 食塩水剥離皮膚を用いた蛍光抗体間接法で表皮側に反応した。また,BP180 ELISA が高値を示し水疱性類天疱瘡と診断した。一方,初診時に全身に敷石状の鱗屑の付着がみられたため,X連鎖性劣性魚鱗癬を疑い,ステロイドサルファターゼ(STS)遺伝子欠失に関する fluorescence in situ hybridization(FISH)法を施行したところ,STS 遺伝子領域(Xp22.3)に欠失を認め,X連鎖性劣性魚鱗癬と診断した。X連鎖性劣性魚鱗癬は,STS 遺伝子の近傍に存在する遺伝子群を付帯して欠損することにより,角膜疾患,点状軟骨異形成,精神発達遅滞やてんかん,性腺発育障害など多様な疾患を合併することが知られているが,自験例のような水疱症の合併は極めてまれである。国内外の先天性魚鱗癬と水疱症の合併報告は自験例を含めて5例のみであり,そのうちX連鎖性劣性魚鱗癬に合併した水疱性類天疱瘡は自験例のみであった。両者の合併が偶発的なものか関連性があるのかについては,今後の同様症例の集積による検討を待ちたい。(皮膚の科学,14: 12-16, 2015)
  • 田島 翔子, 古松 茜, 清水 秀樹, 岡 昌宏, 錦織 千佳子
    2015 年 14 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    ジャーナル 認証あり
    47歳男性。約5年来の左足背外側に圧痛を伴う腫瘤を主訴に来院した。初診時,同部位にドーム状に隆起した可動性良好な約 20mm 大の皮下結節を認めた。病理組織所見 HE 染色では,好酸性の細胞質をもつ卵円形~紡錘形の細胞が血管周囲に同心円状に増殖する像と,大小不同の多数の分岐した血管周皮細胞腫様パターン(hemangiopericytomatous pattern)の像を認めた。免疫組織化学的染色では腫瘍細胞は α-smooth muscle actin 陽性,desmin 陰性であり,特徴的な病理組織所見から筋周皮腫と診断した。筋周皮腫は,2002年の WHO 分類で新たに定義された概念で,2013年の新 WHO 分類ではグロムス腫瘍,筋線維腫,血管平滑筋腫と形態的に連続性を有する周皮細胞/血管周囲腫瘍の良性腫瘍と考えられている。(皮膚の科学,14: 17-21, 2015)
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