ヒト皮膚再構築モデル(
in vitro)と家兎耳介皮膚欠損モデル(
in vivo)を用いてbFGF(basic fibroblast growth factor,フィブラスト
®スプレー)の創傷治癒促進効果を検討した。
in vitroの実験でbFGF投与群は0.1μg/cm
2濃度で最も高い再上皮化作用を発揮し,その作用はPDGF-BB投与群とほぼ同等であった。また
in vivoにおける日本家兎耳介内側の皮膚に作製した直径6mmの皮膚全層欠損モデルでは,組織学的検討によりbFGF投与群(1.0μg/cm
2)は無処置群と比較し高い再上皮化率を認めた(P<0.05)。また肉芽組織面積の比較でも,bFGF投与群で最も肉芽組織が形成された(P<0.05)。これらの実験結果からbFGFは再上皮化と肉芽組織形成の両方の要素を促進させることにより創傷治癒を促進させることが判明した。
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