20歳代,男性。約4年前より両上眼瞼の黄白色丘疹を自覚した。近医皮膚科で凍結療法を受けたが,縮小傾向を認めなかったため,当科を紹介された。初診時,左上眼瞼に小豆大,右上眼瞼に米粒大の境界明瞭な黄白色の扁平隆起性局面を認めた。左上眼瞼から部分生検を行った結果,表皮直下から真皮中層にかけて微細な石灰沈着を認め,subepidermal calcified nodule(SCN)と診断した。SCN に対する治療の第一選択は外科的切除であるが,整容面を考慮し CO
2 レーザーによる治療を行った。2回のレーザー照射により,両上眼瞼の病変はいずれも瘢痕と色素沈着を残し,黄白色の局面は消失した。SCN は若年者の顔面に好発するため,加療後の整容面が問題となるが,レーザー治療は整容的に満足の得られる治療法であると考えられた。(皮膚の科学,14: 179-182, 2015)
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