皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
12 巻, 6 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
症例
  • 高山 悟, 藤本 徳毅, 山本 文平, 田中 俊宏
    2013 年 12 巻 6 号 p. 438-441
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/05/02
    ジャーナル 認証あり
    40歳代,女性。飼いネコに顔面を広範囲に引っかかれ,咬まれた。咬創と思われる深い創を前額部と左上眼瞼部に認めた。初診時に外来で十分洗浄してナイロン糸で縫合した。上眼瞼部は挫滅が強く,広範囲に潰瘍を形成していたが,デブリードマンは施行せず,抗菌剤としてセフォゾプランおよびクリンダマイシンを投与し,皮弁を組み合わせて創を縫合した。3日目に眼瞼部が発赤・腫脹し,排膿も伴ってきたため,2針のみ抜糸し皮下を連日洗浄した。Pasteurella multocida が検出されたが,抗菌剤をレボフロキサシンに変更し,排膿・発赤共に消退した。瘢痕はほぼ認めず,機能的にも整容的にも満足のいく結果が得られた。咬傷では一般に開放創として治療することが推奨されているが,顔面咬傷では整容面を考慮し,注意深い検創の上であれば受傷後早期の創縫合も可能であると考えた。(皮膚の科学,12: 438-441, 2013)
  • 椿本 和加, 加藤 晴久
    2013 年 12 巻 6 号 p. 442-445
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/05/02
    ジャーナル 認証あり
    グアム島でオニダルマオコゼを触り治療を受けた31歳の男性が,帰国後,上肢の腫脹を訴え他医を受診し,CPK が 619IU/l と高値であったため当院に入院した。右第1,第2指と手背に著明な発赤腫脹があり,右腋窩リンパ節腫脹を認めた。プレドニゾロン (PSL) 15mg/日とセファゾリン (CEZ) 投与を開始し,腫脹は軽減したが3日目に再び腫脹し,PSL 15mg/日を継続した。PSL 15mg/日投与5日目に熱感腫脹は改善し,6日目から PSL 10mg に減量した。発赤腫脹は軽度残ったが CEZ は8日で中止し,塩酸セフカペンヒポキシル 300mg と PSL 10mg に変更した。PSL 10mg の21日投与で軽快した。長期に続く腫脹は遅延型アレルギーのためと考えられた。(皮膚の科学,12: 442-445, 2013)
第20回これからの皮膚科診療を考える会より
feedback
Top