皮膚の科学
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8 巻 , 4 号
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カラーライブラリー
研究
  • 谷岡 未樹, 宮地 良樹
    2009 年 8 巻 4 号 p. 397-406
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル 認証あり
    皮膚のかゆみが日常生活および受療行動にどのような影響を与えているのかを検討するためインターネットを介したアンケート調査を行った。成人29,497人,小児の保護者9,423人が調査に参加した。成人の18.0%,小児の17.2%が皮疹を伴うかゆみ症状をもち,そのうちのそれぞれ42.1%および59.9%は皮膚科を含む医療機関を受診していた。一方,成人の3.4%,小児の2.2%には皮疹はなくかゆみ症状のみ有していた。日常生活にかゆみが与える影響に関して,かゆみのある成人は「イライラする/落ち着かなくなる(27%)」,「仕事や勉強の効率が落ちる(18%)」,一方,かゆみのある小児の保護者は「眠れなさそう/寝付きにくそう(27%)」とそれぞれ回答した。皮膚科医はかゆみ症状が成人患者の集中力を損なっていること,および,小児患者の睡眠の妨げになっていることを認識する必要がある。
症例
  • 美浦 麻衣子, 西村 景子, 古田 加奈子, 鈴木 加余子, 美浦 利幸, 小山 勝志, 鈴木 宏康, 濱島 英司, 松永 佳世子
    2009 年 8 巻 4 号 p. 407-415
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル 認証あり
    52歳,男性。初診8日前より発熱を来たし,右下顎部の腫脹と共に四肢,臀部に紫斑と血疱が生じて受診した。初診時体温37.9℃,白血球12,100/μl,CRP14.8mg/dlの所見より右下顎部の腫脹は蜂窩織炎と診断し,臨床所見と皮膚生検より四肢の皮疹はHenoch-Schönlein 紫斑病と診断した。抗生剤投与にて右下顎部蜂窩織炎は軽快したが,紫斑の新生が続くため,プレドニゾロン20mg/日の点滴を開始し,皮疹は軽快した。その後心窩部痛や血便が出現し,入院時の凝固第XIII因子活性が72%とやや低下していたことから,プレドニゾロンを40mg/日に増量し,ヒト血液凝固第XIII因子製剤を投与したが,血便は持続し,貧血と低蛋白血症が進行したため,プレドニゾロン60mg/日に増量した。症状が安定したため,プレドニゾロンを40mg/日に減量したところ,突然大量下血をおこして出血性ショックをきたした。直ちにステロイドパルス療法を施行しプレドニゾロンを60mg/日に増量したが症状は治まらず,単純血漿交換療法を施行したところ腹部症状は急速に軽快した。副腎皮質ステロイド剤に抵抗性な難治性の紫斑病性腸炎に対して血漿交換療法は有効な治療法と考えられた。
  • 中野 英司, 藤原 進, 下浦 真一, 高井 利浩, 村田 洋三, 熊野 公子
    2009 年 8 巻 4 号 p. 416-421
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル 認証あり
    31歳,女性。初診2ヵ月前より右こめかみに無症候性の皮疹が生じ,近医を受診した。外傷の既往や皮疹の変化はない。右こめかみに周囲に淡紅色斑を伴う小指頭大の暗赤色結節を認めた。生検標本では真皮浅層から中層に鋲釘状に内皮細胞が突出する拡張した脈管が増生し,不規則に吻合し裂隙様となっていた。周囲に赤血球血管外漏出とヘモジデリンの沈着を認めた。内皮細胞には核分裂像は少ないが大小不同があり,CD31と34陽性,FactorVIII関連抗原とD2-40陰性。生検1ヵ月半後に周囲の斑は消失した。切除標本では軽度の血管増生のみで異型細胞は認めなかった。以上よりhobnail hemangiomaが生検後に消退傾向を示したと考えた。
  • 横山 侑祐, 清水 善徳, 松永 佳世子
    2009 年 8 巻 4 号 p. 422-427
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル 認証あり
    70歳,男性。20年前,右椎骨動脈瘤破裂後の水頭症に対し脳室腹腔短絡術を受けた。その約1年後より頭頂部脳室カテーテル挿入部直上にざ瘡様皮疹が出現し、徐々に拡大して種々の治療を行うが難治であった。初診時,頭頂部から右後頭部にかけ15×8cm大の瘢痕性脱毛局面があり,単一毛孔よりの束状毛を認めた。生検組織培養から黄色ブドウ球菌を検出した。ロキシスロマイシン内服およびリン酸クリンダマイシンの外用と酪酸プロピオン酸ベタメサゾンの外用にて改善傾向をみとめた。
  • 中野 英司, 平林 研二, 下浦 真一, 高井 利浩, 村田 洋三, 熊野 公子, 加藤 洋海, 廣畑 成也
    2009 年 8 巻 4 号 p. 428-434
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル 認証あり
    54歳,男性。B型肝硬変加療中。刺身を食べた3日後より発熱と倦怠感があり,4日後には左下腿の疼痛と腫脹を認め,当科を初診した。左下腿に淡紅色の斑が散在し,1カ所のみに紫斑を認めた。同日夜に疼痛が増悪し,緊急入院した。翌日には左下腿全体に紫斑が拡大し,多数の血疱を認めた。ショック状態となり緊急手術を施行した。血液培養と組織培養よりAeromonas hydrophilaが同定された。抗生剤イミペネム,パズフロキサシンを投与し,エンドトキシン吸着などの集学的治療により,全身状態の安定を得,感染徴候の改善を認めたが,肝腎症候群となり22日で死の転帰をとった。肝硬変患者には本菌に対する予防が重要である。
使用試験
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