10歳代,女性。外用ステロイド薬とディフェリン・ゲル
®を顔面に外用していたが,6ヶ月前から顔面に疣状の痂皮性皮疹を多発するようになった。2ヶ月前にY皮膚科でカビによる病気と診断され,2%ケトコナゾール・クリームを処方され,外用を続けたが,治癒しないために当院を受診した。痂皮の組織検査の結果,痂皮中に多数の円形の PAS 陽性菌要素を認め,マラセチアに起因する疾患と診断した。臨床検査には異常をみとめなかった。痂皮を機械的に除去し,イトラコナゾール 100mg/日の内服とリンデロン
®Vクリームの外用を行い,40日後には略治した。その後アデスタン
®・クリームの外用を行い,初診3ヶ月後には完治した。マラセチア感染により疣状,痂皮性皮疹を生じた症例はこれまで報告がない。(皮膚の科学,17: 1-4, 2018)
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