皮膚の科学
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8 巻 , 1 号
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症例
  • 竹田 公信, 牛上 敢, 南部 昌之, 田邉 洋, 望月 隆, 福村 敦, 陳 文筆
    2009 年 8 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    2007年4月~7月までの4ヵ月間に,金沢医科大学病院ならびに独立行政法人国立病院機構七尾病院で経験した胃瘻内容の漏出に伴う皮膚障害の79症例のうち,漏出の顕著な6例を経時的に観察した。胃瘻部のカテーテル部位を垂直に固定することにより,胃瘻チューブによる皮膚への局所外圧が解除され,胃瘻内容の漏出が減少することで皮膚障害が改善すると推測し,カテーテル部位の固定法を変更した。これにより6例中5例でステロイド軟膏を使用することなく皮膚障害は改善したが,胃瘻チューブがボタン型の1例では改善を認めなかった。
  • 太田 安紀, 水野 可魚, 大江 秀一, 為政 大幾, 岡本 祐之
    2009 年 8 巻 1 号 p. 36-39
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    Persistent serpentine supravenous hyperpigmented eruption(PSSHE)は,抗癌剤の投与において明らかな血管外漏出が無く,その刺入部から脈管に沿って線状,蛇行状に色素沈着を生じる疾患である。今回,我々はドセタキセルの点滴患者に生じたPSSHEの2例を経験した。生検した1例において,基底層のメラニン増加,色素失調,真皮上層の軽度の血管周囲性単核球浸潤が見られた。発症機序は抗癌剤の直接的細胞傷害性によって血管壁が傷害されることが考えられている。今後,抗癌剤の使用頻度の増加に伴い本症も増加すると思われ,症例の蓄積と発症機序の解明が必要と考えた。
  • 南 幸, 磯貝 理恵子, 川原 繁, 川田 暁
    2009 年 8 巻 1 号 p. 40-43
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    70歳,男性。鼠径部の湿潤性紅斑を生検した結果,Hailey-Hailey病と診断した。その後軽快増悪を5年間繰り返した後に,鼠径部に丘疹が敷石状に集簇し顆粒状を呈した。病理組織学的には,丘疹の辺縁では典型的なHailey-Hailey病の所見を示した。丘疹の隆起した部分では表皮の不規則な肥厚がみられたが,棘融解像は認めなかった。マキサカルシトールの約2ヵ月の外用で皮疹は改善した。
  • 坂本 久美子, 照井 正
    2009 年 8 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    2歳,男児。1歳3か月時に顔面を含む全身に鱗屑を伴う紅斑が拡大し,ステロイド軟膏の外用で一時軽快していたが,発熱を伴って全身に環状の紅斑と膿疱が拡大した。小児汎発性膿疱性乾癬と診断し,膿疱部を中心に低濃度タカルシトール軟膏の外用を行った。開始から約2週間で膿疱の減少がみられ,全身状態の悪化もなく軽快した。その後,感冒を契機に再び皮疹が増悪したが,膿疱の再燃時も低濃度タカルシトール軟膏は有効であった。小児汎発性膿疱性乾癬に対する活性型ビタミンD3軟膏外用について,過去の報告例を参考に検討を行った。
  • 池田 彩, 野口 史人, 岡田 明子, 小澤 健太郎, 田所 丈嗣, 田中 卓
    2009 年 8 巻 1 号 p. 49-53
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    23歳,女性。2,3年前から右胸部に腫瘤を自覚していたが,数か月前からやや増大したため当科を受診。初診時,15×11mmで表面に褐色色素沈着を伴う皮膚とは癒着し,下床とは可動性良好な弾性硬の腫瘤を認めた。病理組織では真皮内に分葉状の胞巣で構成される境界明瞭な腫瘍を認めた。腫瘍内にはclear cellとepidermoid cellの他に,胞体が顆粒状に好塩基性に強く染色されるやや大型の細胞が嚢腫状構造と管腔構造を取り囲むように存在し,この細胞はPAS染色陽性ジアスターゼ抵抗性でアルシアンブルー染色陽性であった。以上から,粘液産生細胞を伴うclear cell hidradenomaと診断した。
  • 大江 秀一, 爲政 大幾, 山崎 文和, 梅原 真紀子, 遠藤 由紀子, 岡本 祐之
    2009 年 8 巻 1 号 p. 54-57
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    37歳,女性。初診の約15年前から頭部に自覚症状のない結節を認めていた。当科初診時,後頭部に直径11cm大の弾性硬の紅色腫瘤を認め,その周囲には隆起性病変と皮下腫瘤が多発し皮下で連続していた。術前のMRIでは頭蓋骨への浸潤はなかった。全身麻酔下に腫瘍を摘出し,遊離植皮術を行った。病理組織学的には真皮から皮下組織にかけて,紡錘形~楕円形の核を有する細胞が花むしろ状に増生しており,異型性は認められなかった。免疫組織染色では腫瘍細胞はCD34陽性であり,隆起性皮膚線維肉腫と診断した。頭部に発症する隆起性皮膚線維肉腫は比較的まれである。現在,再発や転移は認めないが,頭部発症例は再発率が高いことから注意深いフォローが必要である。
  • 光井 千慧, 爲政 大幾, 岡本 祐之
    2009 年 8 巻 1 号 p. 58-61
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    33歳,アフリカ出身の黒人男性。4年前から後頭部と項部に痒みと痛みを伴う皮疹が出現してきた。初診時,同部に瘢痕様の丘疹と結節があり,これらが拡大,癒合した扁平な瘢痕様局面もみられた。丘疹からの生検組織像では,真皮全層に皮膚面に対して平行に配列する膠原線維の増生を認めた。臨床症状と組織所見からacne keloidalisと診断した。ロキシスロマイシンの内服と計5回のトリアムシノロンアセトニド懸濁液の局注にて,5ヵ月後には皮疹は平坦化し自覚症状も消失した。本例は黒人男性に好発するacne keloidalisの典型例と考えられる。近年の国際化により同様の症例を経験する機会が増加するものと予想される。
  • 東 禹彦
    2009 年 8 巻 1 号 p. 62-66
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    2002年4月から2007年3月までの5年間に東皮フ科医院を受診したTrichopyton tonsuransによる白癬の症例は29件,27名であった。罹患者は10代が23名で,最高齢は64歳で柔道道場の経営者,最年少者は12歳で町の柔道クラブに所属していた。ほとんどの患者は柔道を行っていたが,サッカー選手が1名,バドミントン選手が1名あった。受診するまでの日数は6ヵ月以上が5名,4ヵ月が1名,3ヵ月が3名,1ヵ月以内が20名であった。皮疹の発生部位は左側腹部に生じた2例を除き,他の症例では露出部であった。頭部に皮疹を生じていたのは6例であった。抗真菌剤を外用していた症例では,軟毛に毛内性大胞子菌性の寄生を認めた。治療には抗真菌薬の内服が必須と思われる。治療は抗真菌薬の外用とほとんどの症例でテルビナフィンの内服を行った。2名では翌年には異なる部位に皮疹を生じたので,再感染により生じたものと考えた。今後,Trichopyton tonsuransによる白癬は感染源の拡大と格闘技選手以外への感染が増加する可能性があろう。
  • 庄野 又仁, 中森 利枝, 三木 綾子, 山本 維人, 土居 敏明, 熊野 公子, 石井 則久
    2009 年 8 巻 1 号 p. 67-71
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    35歳,女性。フィリピン,ミンダナオ島出身。初診の1ヶ月前から右下腿に潰瘍が生じ治癒しないため近医を受診した。通院加療したが難治であるため精査加療目的に当院へ紹介された。受診時,右上下肢の痛覚の低下および背部に類円形の脱色素斑を多数認めた。ハンセン病を疑い,病理組織学的に検索したところ神経組織や汗腺,毛包周囲への組織球,リンパ球を主体とする炎症細胞浸潤を認め,Fite染色にて抗酸菌が認められた。またPCR法にてらい菌特異的な塩基配列を検出し,ハンセン病と診断した。診断確定後,WHOの推奨する3剤併用療法を開始した。らい反応と薬剤による副作用により治療に難渋しながら外来にて経過観察している。
使用試験
  • 市橋 正光, 吉田 郁代, 山口 博史, 河崎 美保子, 秋葉 哲生
    2009 年 8 巻 1 号 p. 72-80
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    加味逍遙散合四物湯「KGS1」が顔面の皮膚血流と皮膚症状に与える効果について評価することを目的として,皮膚の悩み(かさつき,シミ,キメの荒さ等)があり,かつ漢方医学における血おや血虚の症状を有する女性11名を対象に12週間の臨床試験を実施した。試験中止者1名を除く10名において,血流量の有意な増加が認められると同時に,肌荒れ(角質水分量,経表皮水分蒸散量,キメスコア),シミの明度,はり(弾力性)の有意な改善が認められた。これらの結果から,加味逍遙散合四物湯「KGS1」による顔面の皮膚血流と皮膚症状の改善効果には,関連性があることが示唆された。
  • 西川 恵美, 藤井 真, 藤井 俊一郎, 浜口 雅光, 八戸 章太, 相生 章博, 小川 茂行, 左近 健一, 手塚 正
    2009 年 8 巻 1 号 p. 81-87
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル 認証あり
    製剤中でのハイドロキノンの安定性を向上させたクリーム製剤について効果,安全性および使用感を検討した。効果について明度および色彩の機器測定による改善,被験者評価および医師の目視評価での改善が認められた。さらにその値は被験者の効果実感評価と相関していた。安全性に関しては使用初期に違和感や紅斑などの軽度あるいは中等度の皮膚刺激が散見されたが,持続性のある皮膚刺激は観察されなかった。また,製剤の使用感は化粧品として満足できるものであった。以上の結果より,本製剤は美白効果と安全性および良い使用感を併せ持った製剤と考えられる。
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