皮膚の科学
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4 巻 , 6 号
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カラーライブラリー
研究
  • 礒田 英華, 森 智子, 西尾 大介, 安田 浩, 戸倉 新樹
    2005 年 4 巻 6 号 p. 515-520
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    当科において過去約4年間にセンチネルリンパ節生検を施行した悪性黒色腫患者は25例であった。センチネルリンパ節は原則として色素法およびRI法を併用して同定した。摘出したセンチネルリンパ節はHE染色および免疫染色を用いて病理組織学的に検討し,25例中10例に転移を認めた。凍結保存した8例のセンチネルリンパ節について,RT-PCR法を用いて悪性黒色腫関連分子のmRNA発現を解析したところ,8例中7例でRT-PCRの結果と病理組織学的結果が一致した。残る1例では病理組織学的には転移を認なかったが,RT-PCR法で悪性黒色腫関連蛋白mRNAの増幅を認めた。
  • 八代 浩, 河合 成海, 山北 高志, 秦 直子, 香西 伸彦, 有馬 豪, 牧浦 宗彦, 秋田 浩孝, 清水 善徳, 松永 佳世子
    2005 年 4 巻 6 号 p. 521-526
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    2002年5月から2005年6月までの間,当科で経験した悪性黒色腫に対して行った13例のSentinel Node Navigation Surgery(SNNS)について検討を行った。経過観察期間は平均19.5ヵ月でSNNS後転移を認めたのは2例であった。色素法と術前シンチグラフィーと術中ガンマプローブの併用によりSentinel Node(SN)は100%同定された。SNの平均個数は2.3個であり,SN転移陽性率は8%であった。またSNが転移陰性であり,Non Sentinel Node(Non SN)に転移のあった症例,すなわちFalse negative例はなかった。Tumor thickness(TT)が1mm≧ではSN転移陽性の症例はなく,TT:1mm≦では陽性率が上がるため,TT:1mm≦の症例がSNNSの適応となると考えられた。SNNSは手術侵襲の軽減や予後を判定する上で非常に有用であると思われたが,今回検討した症例数は少ないため今後さらに症例を蓄積し検討したい。
症例
  • 古林 利治, 白井 利彦, 田中 賢治
    2005 年 4 巻 6 号 p. 527-531
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    62歳,男性。草刈り中に右手1ヵ所を蜂に刺され来院。右手・右前腕部の疼痛・腫脹をみとめるも,血圧・脈拍・呼吸は安定,意識清明であった。2日後来院時,右上腕に腫脹みられた。血液検査にてCPKが著明に上昇し,蜂刺症による横紋筋融解症と判断。入院の上,輸液にて加療。急性腎不全になることなく回復し退院。蜂毒は各種組織障害性の強い物質を含んでおり,それによって横紋筋融解症が発症したと考えた。
  • 石田 勝英, 米井 希, 辻岡 馨, 芝埜 彰
    2005 年 4 巻 6 号 p. 532-536
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    58歳,男性。20歳代より手に腫脹が出没,約10年前には歯科処置後に顔面が腫れた。その後も顔面・手・足・外陰部に腫脹を繰り返し,また原因不明の腹痛発作も起こしていた。下口唇を咬んだ後に口囲が腫脹したため平成16年1月5日に当院救急外来を受診した。頚部CTで喉頭浮腫による気道狭窄を認めた。症状は数日で消退した。血液検査にてC1 inhibitor(C1-INH)活性が25%以下,C4が2mg/dl以下と著明に低下していた。C1qが10.0mg/dlと正常のため遺伝性血管性浮腫が疑われたが,家族内に同症者はいなかった。発作予防目的で本患者にダナゾール200mg/dayの投与を開始すると血管性浮腫や腹痛発作を認めなくなった。現在ダナゾール150mg/dayを内服中で経過良好である。
  • 古市 恵, 牧野 輝彦, 石田 和加, 野本 浩生, 北川 太郎, 桧垣 修一
    2005 年 4 巻 6 号 p. 537-541
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    モノマー型非イオン性造影剤イオパミドール(イオパミロン®)による薬疹の1例を経験した。症例は71歳,男性。イオパミドールを用いた造影後10日目に体幹を中心に浮腫性紅斑を生じた。貼付試験では48時間後,72時間後とも陽性であり,イオパミドールによる遅延型薬疹と診断した。同剤による薬疹は,既感作の場合は,皮疹は数時間後から翌日に生じるが,未感作の場合,造影後6日から10日の感作期間を経て遅延型の薬疹を生じる。この特異的な臨床経過から薬疹の被疑薬から除外されてしまう可能性がある。
  • 大畑 千佳, 小澤 健太郎, 板見 智, 吉川 邦彦, 井上 匡美, 前田 元
    2005 年 4 巻 6 号 p. 542-547
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    75歳,女性。2000年11月,肺に好中球よりなる異常陰影が生じたが自然消退した。2001年6月,左肩から胸にかけて壊疽性膿皮症が生じた。プレドニゾロン20mg/日で略治したが,同薬を漸減中止後の2003年3月,肺に異常陰影が再燃した。前回と同様に肺膿瘍であった。5月には左腰部に壊疽性膿皮症が再発した。プレドニゾロン40mg/日で7月には肺の陰影は消失した。壊疽性膿皮症も軽快していたが,8月大腸の穿孔性腹膜炎で急死した。
  • 種村 篤, 乾 重樹, 長澤 智彦, 板見 智, 片山 一朗, 飯沼 義博, 細川 亙, 谷村 朗, 三浦 温子, 沖田 考平, 宮川 潤一 ...
    2005 年 4 巻 6 号 p. 548-553
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    27歳女性に生じた多発性皮膚骨腫の1例を報告した。8歳時より偽性副甲状腺機能低下症I型を指摘され,Albright’s hereditary osteodystrophy(AHO)に特徴的とされる,低身長,円形顔貌,肥満,歯牙形成不全,およびX線で石灰化を示す多数の皮膚皮下骨腫といった身体所見を呈した。さらに自己抗体の出現しない甲状腺機能低下症も伴っていた。近年細胞内cAMPの調節に重要なG蛋白の一つであるG stimulating protein α(Gsα)の異常がこれらの発症に関与していることが報告されている。偽性副甲状腺機能低下症は特定難病疾患の一つで1998年の全国統計では患者数約430例と推計されているが,その中でも本症例はAHOを伴う典型例であり,Gsα蛋白の機能低下により異所性の皮膚骨化が促進された可能性が高く興味深い症例と考える。
  • 古林 利治, 白井 利彦
    2005 年 4 巻 6 号 p. 554-557
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    56歳,女性。生検後,自然消退を観察し得たケラトアカントーマの1例を経験した。初診日の約3週間前頃より左前額部に小結節が出現した。その後,急速に増大し,当科を受診した。左前額部に10×10×5mm大のドーム状に隆起し,中央に黒色痂皮の付着した淡紅色結節を認めた。病変中央部を含め,両側正常皮膚にかけて生検を施行しケラトアカントーマと診断した。美容的問題から患者の同意を得て全摘出は施行せず,経過観察とした。その後,腫瘍は縮小,扁平化しごくわずかの瘢痕を残すのみとなった。
  • 榎本 美生, 石川 伸宜, 山本 純照, 福本 隆也, 木村 通郎
    2005 年 4 巻 6 号 p. 558-564
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    メルケル細胞癌の2例を報告した。症例1:72歳男性。初診の半年前より右上腕外側に小結節が出現し,その後増大,隆起してきた。皮膚生検にて,真皮内に好塩基性に染まる円形の核を有する細胞の増殖がみられ,NSE,CK20染色に陽性,電子顕微鏡にて有芯顆粒を認めた。メルケル細胞癌の診断で全切除,腋窩リンパ節郭清術を行い,化学療法,放射線療法を併用した。術後1年半以上経った現在までのところ再発を認めていない。症例2:83歳女性。初診の10ヵ月前頃より前額部右側に小結節が出現し,近医にて切除を受けたが,同部位に再度結節が出現,増大してきたため当科を受診した。生検にて真皮内に好塩基性の腫瘍細胞の浸潤を認め,NSE染色陽性(CK20染色陰性)であった。メルケル細胞癌と診断し,全切除を予定していたが,腫瘍の縮小を認め,生検1ヵ月後にはほぼ消退した。
  • 山本 維人, 山中 隆嗣, 濱 雅世, 園田 早苗, 足立 史朗
    2005 年 4 巻 6 号 p. 565-569
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    症例は84歳女性。初診の約3年前から口角部に淡褐色斑が出現し徐々に拡大,黒色化し,1年前からは急速に拡大して上口唇の一部に黒色腫瘤を形成した。生検の結果悪性黒色腫と診断。患者は術後の醜形と開口制限による不便を理由に手術を拒否した。DAVFeron療法1クール施行後に血小板減少が遷延し,以後はインターフェロン-β局注のみで経過を見ることとなった。局注により褐色ないし黒色斑は著明な消退を続けたので患者は希望を取り戻し,結節部のみの切除であればよいと了承され,我々は切除縫合術を施行した。その後色素斑はほぼ消失し,現在の患者,家人の満足度は高い。初診時からの定期的全身検索で転移は確認されていない。
  • 近藤 幸子, 貞政 裕子, 木下 洋和, 斎藤 肇, 吉池 高志
    2005 年 4 巻 6 号 p. 570-574
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/17
    ジャーナル 認証あり
    81歳,女性。初診約1ヵ月前より,右下腿の結節に気づいた。結節は徐々に増大し,近位側に皮下結節も出現してきた。初診時右下腿に15×9mmの暗赤色結節とその近位側に10×8mmの皮下結節を認めた。同部位への外傷の既往はない。病理組織検査では真皮中層から脂肪織にかけて類上皮細胞肉芽腫の存在を認め,Ziehl-Neelsen染色では紅色に染色される多数の短桿菌を認めた。生検組織の抗酸菌培養を行いDNA-DNAハイブリダイゼーション法にてMycobacterium chelonaeと同定した。塩酸ミノサイクリンの投与にて12週後には色素沈着と鱗屑痂皮を残すのみとなった。自験例を含む本邦報告例44例について集計し考察した。
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