皮膚の科学
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11 巻 , 3 号
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症例
  • 早石 祥子, 高松 紘子, 猿喰 浩子, 菅瀬 聡子
    2012 年 11 巻 3 号 p. 197-201
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/25
    ジャーナル 認証あり
    33歳,男性。27歳時に急性散在性脳脊髄炎の既往がある。2008年2月に発熱と下痢が出現し,急性扁桃腺炎と診断されて内科に入院となった。抗菌薬と抗ウィルス薬の投与にて改善なく,入院3日後より意識混濁を起こし,MRI にて脳炎と診断され,ステロイドパルス療法を施行された。入院直前に出現した皮疹に対し皮膚科を紹介され受診した。初診時,顔面にびらんを伴う浸潤を触れる紅斑を,また下肢にも浸潤を触れる紅斑を認めた。HLA-タイピングでは B54・Cw1 の陽性を示した。皮膚病理組織の結果を含め神経 Sweet 病と考えた。ステロイド剤の全身投与により,意識障害は軽快し,扁桃炎と皮疹は速やかに改善したが,微熱は持続したため,コルヒチンを追加したところ解熱した。本例においては,他科入院中の再発する原因不明の脳炎に対し,皮疹より診断に至り,治療について助言することができた。Sweet 病の患者を診察するにあたり,まれではあるが,神経症状の合併の可能性にも留意しなければならない。(皮膚の科学,11: 197-201, 2012)
  • 山田 陽三, 喜多川 千恵, 神岡 一郎, 陳 科栄
    2012 年 11 巻 3 号 p. 202-208
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/25
    ジャーナル 認証あり
    7歳,女児。肺胞出血ならびに顔面や両肘頭,膝蓋部に紅斑と丘疹,結節が生じ,また両下腿から足背に紫斑を認め,MPO-ANCA 陽性および下腿紫斑部の組織学的検査で真皮全層性の壊死性血管炎の所見を認め,顕微鏡的多発血管炎と診断した。尿潜血を認めたが腎生検では異常所見はなかった。ステロイドパルス療法とステロイド剤の内服にて,MPO-ANCA は陰性化し症状は改善した。ステロイド剤の漸減中に MPO-ANCA の上昇とともに両膝蓋部に結節性病変が再燃した。ステロイド剤の増量とミゾリビンの併用にて皮疹は軽快し,MPO-ANCA も低下した。しかし少数の皮疹が MPO-ANCA の上昇と共に出没することを繰り返している。本症例では MPO-ANCA のレベルと皮疹の出没が相関しており,皮疹の形成に MPO-ANCA が何らかの役割を果たしていると考えた。(皮膚の科学,11: 202-208, 2012)
  • 渡辺 愛子, 米田 真理, 庄田 裕紀子
    2012 年 11 巻 3 号 p. 209-214
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/25
    ジャーナル 認証あり
    2歳,一卵性双生児の男児兄弟。感冒のためアモキシシリンを内服した翌日,兄弟ともに 38°C 台の発熱とともに全身に紅斑と小膿疱が出現した。病理組織学的に角層下膿疱を認めた。プレドニゾロンの内服により速やかに皮膚病変は改善し,アモキシシリンのパッチテストでは紅斑と膿疱を認め,これによる Acute generalized exanthematous pustulosis (AGEP) と診断した。その数ヶ月後,弟に特に誘因となる薬剤歴がなく,突然の発熱とともに全身の紅斑と小膿疱の出現を認めた。膿海も認め,膿疱性乾癬と診断した。3ヶ月後,同様の症状が兄にも生じた。ともにシクロスポリンの内服により皮疹は改善したが現在も再燃を繰り返している。AGEP と乾癬の関連については一定した見解はないが,一卵性双生児に両疾患を生じたことより,何らかの共通した遺伝的素因の関連があるのではないかと予測される。(皮膚の科学,11: 209-214, 2012)
  • 岸田 寛子, 吉岡 詠理子, 前田 七瀬, 吉田 直美, 西野 洋, 片岡 葉子
    2012 年 11 巻 3 号 p. 215-219
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/25
    ジャーナル 認証あり
    4ヶ月,男児。生後数日から哺乳後に嘔吐を繰り返したため,新生児・乳児消化管アレルギーを疑われて加水分解乳による哺育を開始された。生後3ヶ月頃から間擦部のびらん・紅斑と脱毛を認めたため当科を受診した。加水分解乳のみで哺育中であったため,ビオチン欠乏症を考えてビオチンの投与を初診時より開始したところ2週間で皮膚症状の改善を認めた。その後,離乳は通常通り進み,生後8ヶ月時にビオチンの内服を中止したが,皮疹の再燃は認めなかった。本邦の加水分解乳にはビオチンが添加されておらず,加水分解乳のみの栄養補給ではビオチン欠乏症に陥ることがある。(皮膚の科学,11: 215-219, 2012)
  • 西村 景子, 古田 加奈子, 安部 正通, 伊佐見 真実子, 矢上 晶子, 松永 佳世子
    2012 年 11 巻 3 号 p. 220-223
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/25
    ジャーナル 認証あり
    51歳,男性。初診の15日前に静岡県浜名湖付近でみかん狩りをした。初診の8日前に愛知県名古屋市の公園の池へ釣りに行き,5日後に発熱をきたし,頭痛が出現したため,当院を受診した。初診時 38°C の発熱と頭痛を認め,体幹と四肢に淡い紅斑,また左下腿に痂皮を伴う刺し口と思われる病変と両鼠径部のリンパ節腫脹を認めた。臨床所見よりツツガムシ病を疑って患者血液を用いた PCR 法を実施し,Kawasaki 型ツツガムシリケッチアによるツツガムシ病と確定した。初診時より塩酸ミノサイクリンを2週間投与し略治した。発疹を伴う発熱性疾患では常にツツガムシ病を念頭に置き, そのような患者に対しては迅速な検査と治療の開始が重要であると考えられた。(皮膚の科学,11: 220-223, 2012)
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