69歳,女性のプロクロルペラジンによる光線過敏型薬疹の1例を報告する。プロクロルペラジン内服開始2週間後から顔面・両手背にそう痒を伴う紅斑が出現した。紫外線照射テストでは UVA 2.5,5,10J/cm
2 で陽性,UVB では 120mJ/cm
2 までのすべてで陰性であった。プロクロルペラジン内服中止から1ヶ月後に光パッチテストを実施した。プロクロルペラジン濃度0.01%,0.1%,1%,およびワセリン貼付部にUVA 2J/cm
2 を照射したところ,プロクロルペラジン濃度1%,0.1%で陽性であった。プロクロルペラジン濃度0.01%,0.1%,1%,およびワセリン貼付部に UVB 80mJ/cm
2 を照射したところ,プロクロルペラジン1%で陽性であった。プロクロルペラジン濃度0.01%,0.1%,1%,およびワセリン貼付部で,遮光をした部位はすべて陰性であった。以上により,プロクロルペラジンによる光線過敏型薬疹と診断した。調べ得た限りでは本邦でのプロクロルペラジンによる光線過敏症は2例目であった。(皮膚の科学,12: 199-202, 2013)
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