皮膚の科学
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5 巻, 4 号
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カラーライブラリー
研究
症例
  • 佐々木 雅美, 浜口 太造, 宋 寅傑
    2006 年 5 巻 4 号 p. 284-287
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    17歳,男。出生時より右下腿に結節があり,次第に隆起し表面が顆粒状になった。病理組織学的所見として過角化を示す表皮の直下に拡張した毛細血管腔が認められ,また,真皮内にエクリン汗腺の増加と拡張した血管が多数認められ,angiokeratoma様変化を伴ったeccrine angiomatous hamartoma(以下EAH)と診断した。現在までの自験例を含むEAHの本邦報告例73例を検討し,統計的考察を加えた。
  • 佐藤 哲也, 石川 雅士, 西村 ゆう, 出雲 俊之, 松峯 元, 磯野 伸雄, 高橋 毅法
    2006 年 5 巻 4 号 p. 288-292
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    66歳男性。2003年1月,下口唇右側に皮疹が出現し急速に増大してきたため, 2月18日当科に紹介受診した。初診時,下口唇右側から下顎にかけて50×35mm大の中央に潰瘍を伴う紅色腫瘤があった。生検組織像では真皮上層から脂肪織まで幅広く角質嚢腫が多数存在する特徴を認め,Kérato-acanthome pluri-kystique pseudo-sébacé(Degos)との鑑別を要したが,核異型を伴う細胞の真皮浸潤より有棘細胞癌と診断し治療を開始した。2003年12月までに化学療法・放射線治療を行い,腫瘍は明らかに縮小したが,2004年3月には治療部位の再発・増大を認めた。その後,化学療法に抵抗を示したため切除・遊離皮弁にて再建し,現在まで再発を認めていない。
  • 竹上 與志昌, 浅野 幸恵, 中村 元一, 中田 芳, 乗杉 理, 清水 忠道
    2006 年 5 巻 4 号 p. 293-297
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    59歳,女性。6年前より右第I指爪囲に小結節を自覚し,近医にて凍結療法を施行されるも効果がなく,当科を紹介され受診した。右第I指後爪郭付近の外側に表面常色調,直径約4mmの小結節を認め,病巣下の爪甲は陥凹していた。伝達麻酔下に後爪郭腹側の爪母上で全摘出術を施行した。病理組織学的に著明な過角化を伴う表皮の肥厚と膠原線維の長軸方向の増生が認められacquired periungual fibrokeratomaと診断した。術後2年の経過では再発は認められず,また爪の陥凹変形も改善された。
  • 小田 香織, 澤本 学, 熊本 貴之, 柳下 晃一, 山田 秀和
    2006 年 5 巻 4 号 p. 298-302
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    症例,75歳,男性。初診の2週間前に背部に皮下腫瘤のあるのに気づいた。腫瘤は,弾性硬,くるみ大であり表面正常皮膚に覆われ,下床,被覆部との可動性も良好であった。MRI,皮膚エコーにて被膜に包まれた皮下腫瘤が認められ,腫瘤は被膜を含めて摘出した。摘出腫瘤は,大きさ3.5cm×2.5cmで,割面は充実性で光沢があり,黄白色を呈していた。病理組織像では異型な核を有する紡錘形細胞が錯綜し密に増殖していた。免疫染色ではα-SMAとビメンチンが陽性であり,臨床像,病理所見より皮下型平滑筋肉腫と診断した。摘出手術施行後,現在,外来で経過観察中である。
  • 真柴 久実, 萬木 聡, 飯岡 弘至, 新妻 克宜, 桑原 理充
    2006 年 5 巻 4 号 p. 303-306
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    エアバッグは現在広く普及し,シートベルト着用下においてその効果をあげている。しかしその一方でエアバッグによる外傷の例も報告されている。われわれはシートベルト非着用時のエアバッグによる顔面外傷の症例を経験した。症例は22歳の女性で,頬部から鼻部に軽度の熱傷を受傷し,保存的治療により軽快した。エアバッグの作動メカニズム,および外傷の発生機転について若干の文献的考察を加えて報告する。
治療
使用試験
  • 中村 光裕, 上村 康二, 根本 治, 宮地 良樹
    2006 年 5 巻 4 号 p. 311-316
    発行日: 2006年
    公開日: 2011/02/18
    ジャーナル 認証あり
    保湿剤の適切な用法・用量を検討するべく,保湿剤ヒルドイド®ソフト(マルホ株式会社)とヒルドイド®ローション(マルホ株式会社)を用いて,保湿剤におけるFinger-tip Unit(FTU)の検証と人工的乾燥皮膚を対象に塗布量と保湿効果,塗布回数と保湿効果,入浴後の塗布タイミングと保湿効果の関係について検討した。その結果,FTUは簡便かつ信頼できる方法となりうること,また,保湿剤は適量と感じるよりやや多く,かつ回数も多く塗布し,入浴後は早めに塗布した方が高い保湿効果が得られることが示唆された。
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