皮膚の科学
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12 巻 , 1 号
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カラーライブラリー
研究
  • 村田 洋三, 熊野 公子, 神保 晴紀, 高井 利浩, 酒井 大輔
    2013 年 12 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/21
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    Acne inversa(反対型ざ瘡)は,集蔟性ざ瘡,化膿性汗腺炎,膿瘍性穿掘性頭部毛包周囲炎を包括した病名である。自験32例の臨床的特徴を纏めた。(1)男女比25:7で男に多い。(2)推定発症年齢は平均26歳で,10~30歳代が89%を占める。(3)16%に家族内同症の病歴がある。(4)皮疹の分布部位を4領域にわけると,臀部周囲72%,頭顔65%,躯幹41%,腋窩28%である。(5)複数の領域にまたがる皮疹発生は50%である。(6)二重面皰が72%に見られる。(7) Acne inversa と関連した皮膚有棘細胞癌の3例はいずれも有棘細胞癌で初診し,初めて acne inversa と診断された。(8)他臓器の悪性腫瘍の合併は4例(肺癌,腎癌,肉腫,白血病)である。(9)治療としては “unroofing”手術が皮膚の健常部分を温存できるなど利点が多く,有用である。(皮膚の科学,12: 3-11, 2013)
  • 滋野 広, 小倉 治雄
    2013 年 12 巻 1 号 p. 12-17
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/21
    ジャーナル 認証あり
    和歌山県皮膚科医会では感染性皮膚疾患サーベイランスを行ってきた。今回,2005年から2011年の7年間手足口病につき集計し分析を行ったところ,以下の結果を得た。手足口病は2011年には和歌山県において,(1)2005年以降最大の流行があった。(2)後に爪甲病変を伴うなど症状の激しい症例が少なからず見られた。(3)20歳未満の患者数が増加したことに加えて,20歳以上の症例が占める割合が例年より大きく,しばらく流行していないコクサッキーウイルス A6 に免疫のない成人も多く罹患したものと推測された。(皮膚の科学,12: 12-17, 2013)
症例
  • 山本 雅章, 中川 登, 石村 直也, 古川 紗綾佳, 奥山 歩美, 羽田 孝司, 伊藤 孝明, 山西 清文
    2013 年 12 巻 1 号 p. 18-25
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/21
    ジャーナル 認証あり
    50歳,男性。2型糖尿病,高血圧があり,41歳時より糖尿病性腎症で透析が導入されている。当院内科で閉塞性動脈硬化症と診断され,血管内治療等を受けていた。当科初診1年前より右第3趾に潰瘍が出現し,徐々に拡大するため当科を紹介され受診した。その後,潰瘍部に細菌感染を併発し,全身状態が悪化したため当院内科へ緊急入院した。他院へ転院のうえ第1~5趾の横断的中足骨切断術と遠位バイパス術がおこなわれた。術後当科に再入院したが,潰瘍が踵部にまで拡大したため保存的治療は困難と判断し,遊離腹直筋弁と植皮を行ったところ自立歩行が可能となった。半年後,左第3趾を自分の指で傷付け潰瘍となり,急速に拡大した。リスフラン関節離断等の治療により両踵部を温存し退院した。本症例は重症虚血肢であったが,血行再建により局所のコントロールが可能となり救肢できた。(皮膚の科学,12: 18-25, 2013)
  • 稲葉 豊, 金澤 伸雄, 古川 福実
    2013 年 12 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/21
    ジャーナル 認証あり
    34歳,女性。頭痛に対して鎮痛薬を使用したところ口唇の腫脹を生じた。数ヶ月後に別の鎮痛薬を使用したところ,上下口唇と手背の水疱および手指の紅斑を生じ,色素沈着を残した。両薬剤に共通な成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素 (Allylisopropylacetylurea,AIAU),イブプロフェン,無水カフェインのいずれかによる固定薬疹を疑い,これらの成分に対して無疹部でのクローズドパッチテストを行ったがすべて陰性であった。そのため上下口唇の色素沈着部に AIAU とイブプロフェンをそれぞれ20%含有するワセリンを単純塗布すると,5分後に紅斑が出現した。また無水カフェインの口唇色素沈着部への,AIAU の手背色素沈着部への単純塗布はそれぞれ陰性であった。本症例は皮膚粘膜移行部の固定薬疹であり,同部でのオープンパッチテストは結果が早く得られ,安全で有用性の高い検査法であった。(皮膚の科学,12: 26-30, 2013)
  • 伊賀 那津子, 鬼頭 昭彦, 遠藤 雄一郎, 藤澤 章弘, 谷岡 未樹, 松村 由美, 宮地 良樹
    2013 年 12 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/21
    ジャーナル 認証あり
    56歳,女性。初診の7年前より両側下腿前面に硬結を伴う帯状の紅斑が生じた。初診の1年前に掻破したところから両側下腿に虫食い状の潰瘍が出現した。病理組織学的に真皮深層から脂肪織小葉内に非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫が観察された。サルコイドーシスを疑って全身検索を行ったところ,胸部 CT にて気管支壁の不規則な肥厚と心エコーにて心室中隔基部の菲薄化を認めたものの,その他にサルコイドーシスを示唆する所見はなく,確定診断には至らなかった。萎縮性皮膚病変に下腿潰瘍を伴った場合,潰瘍型皮膚サルコイドを鑑別疾患に挙げ,組織学的に非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫が認められた場合は,他臓器病変の検索が必要であり,サルコイドーシスの確定診断に至らなかったとしても,慎重な経過観察が必要である。(皮膚の科学,12: 31-34, 2013)
  • 吉岡 希, 椋棒 圭子, 磯貝 理恵子, 山田 秀和
    2013 年 12 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/21
    ジャーナル 認証あり
    61歳,女性。平成19年頃より右母趾爪甲下に腫瘤が出現し,近医にて血管拡張性肉芽腫の診断のもとに液体窒素で冷凍治療を施されたが症状は変わらず,その後放置していた。平成22年秋頃より外傷をきっかけとして滲出液を認めるようになったため,平成23年2月に当院を受診した。初診時,爪甲下に淡紅色の腫瘤を認めたが爪甲は破壊されていなかった。生検の結果,エクリン汗孔腫と診断し,腫瘤を切除し植皮術を行った。爪甲下のエクリン汗孔腫は極めて稀である。爪床ではなく爪下皮より生じたと考えた。(皮膚の科学,12: 35-38, 2013)
  • 堀口 裕治, 山田 稔
    2013 年 12 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/21
    ジャーナル 認証あり
    75歳,男性。スッポンの卵を生で食べた約8週後,右側腹部にそう痒を伴う赤い結節が生じた。初診時,径約 15mm の隆起性で柔らかい赤色結節が見られ,近傍の皮下に浸潤をふれた。パンチ生検を行ったところ,結節の中に白色の紐状の寄生虫をみとめた。その表面の性状,頭部の形,虫体内の石灰小体の存在からマンソン裂頭条虫のプレロセルコイドと同定した。また,血清中の抗マンソン裂頭条虫抗体価の上昇を確認した。生検時に幼虫を除去したのちには再発はみられず,3ヶ月の経過で抗体価は減少した。本例をスッポンの卵の生食により罹患した早期のマンソン孤虫症と診断した。文献的にもスッポンの生食は寄生虫に感染する可能性があると考えた。(皮膚の科学,12: 39-43, 2013)
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