皮膚の科学
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14 巻 , 6 号
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研究
症例
  • 藤盛 裕梨, 小豆澤 宏明, 片山 一朗, 萩原 圭祐
    2015 年 14 巻 6 号 p. 397-402
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/05
    ジャーナル 認証あり
    50歳代,女性。初診の7年前から限局皮膚硬化型全身性強皮症で間欠的なステロイド内服にて治療されていた。初診の4年前より右腸骨稜皮下に不整形の弾性硬の腫瘤を自覚した。両側腸骨稜に徐々に拡大を認めたため,当科紹介となり,骨盤部X線にて両側腸骨稜に石灰化を認めた。生検にて真皮下層から皮下脂肪織にかけて帯状に無構造なヘマトキシリン好性の沈着物を認め,von Kossa 染色は陽性であった。以上から異所性石灰化と診断し,初診の1年後からコルヒチン 1mg/日の内服を開始したところ,内服開始6ヶ月後には石灰化部位の疼痛が軽減し,自覚的にも石灰化の縮小を認めた。内服開始1年後のX線では石灰化は明らかに縮小を認めた。内服開始3年後の現在もコルヒチンを継続中である。コルヒチンは,好中球の炎症部への移動を阻害し,抗炎症作用をもたらすとされており,強皮症患者の潰瘍を伴う異所性石灰化において,潰瘍の改善を認めた報告がある。コルヒチンは限局皮膚硬化型全身性強皮症に伴う異所性石灰化に対して有効な薬剤であると考えられた。(皮膚の科学,14: 397-402, 2015)
  • 立林 めぐ美, 大磯 直毅, 川田 暁
    2015 年 14 巻 6 号 p. 403-410
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/05
    ジャーナル 認証あり
    非ステロイド性抗炎症薬含有テープ剤などの貼付剤は皮膚と密着し,主剤の皮膚への浸透性を高めて効果を発揮するが,各種成分へのアレルギー感作が成立し,アレルギー性接触皮膚炎や光アレルギー性接触皮膚炎が生じうる。貼付により皮膚バリア機能が低下すると,アレルゲンの皮膚内への浸透性が高まり,感作がより生じやすくなる。しかしながら,貼付剤による皮膚バリア機能におよぼす影響はほとんど評価されていない。20歳以上の本研究に同意が得られた健常人ボランティア20例を対象にロキソプロフェンナトリウム水和物貼付剤とケトプロフェン2%貼付剤を7日間連続貼付し,貼付終了直後および貼付終了7日後における皮膚バリア機能に及ぼす影響を検討した。評価項目として経皮水分蒸散量(TEWL: transepidermal water loss)と角質水分量(capacitance)を測定した。角質水分量に貼付剤間の差は認められなかった。ケトプロフェン2%貼付剤群では,貼付終了直後と貼付終了7日後の経皮水分蒸散量が優位に高値を示した。テープ剤の各種成分の選択と構成比の最適化を図り,皮膚バリア機能が低下しない,もしくは低下しにくい貼付剤の開発と普及が望まれる。(皮膚の科学,14: 403-410, 2015)
  • 氷室 佑季子, 小川 浩平, 中西 崇詞, 淺井 英樹, 正畠 千夏, 飯岡 弘至, 宮川 史, 平井 都始子, 福本 隆也, 浅田 秀夫
    2015 年 14 巻 6 号 p. 411-416
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/05
    ジャーナル 認証あり
    足趾に生じた spindle cell hemangioma の2例を経験したため報告する。1例めは20歳代男性の左母趾の皮下結節,2例めは40歳代女性の右示趾の皮下結節であった。術前の超音波検査では,いずれも血管腫を疑う所見であった。切除標本の病理組織学的所見では,海綿状血管の増殖と間質の紡錘形細胞の充実性増殖がみられた。免疫組織化学染色では2症例とも内皮細胞で CD31 が陽性,CD34,D2-40 が一部陽性であり,紡錘形細胞ではこれらの内皮マーカーは陰性であった。α-SMA はおもに血管腔に一致して陽性であった。WT-1 と HHV-8 はいずれの細胞も陰性であった。Spindle cell hemangioma はしばしば異常血管の周囲に生じることから,発症因子として血管奇形の存在が示唆されていたが,リンパ管奇形が背景にある可能性があるという報告もみられる。今回我々が経験した2例でも,内皮細胞に D2-40 が陽性,WT-1 が陰性となっており,血管奇形やリンパ管奇形が存在した可能性が示唆される。(皮膚の科学,14: 411-416, 2015)
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