ドイツの後期中等教育の化学教育について,次の諸点を指摘した。(1)教育課程の基準では,科目の種類(基礎コース科目,達成コース科目)は異なっても,科目としての化学の目標は共通していること,化学の内容は学問体系と生活関連の両方への配慮や化学と生物学とのつながりの重視が見られること,(2)教科書では,多彩な紙面構成で高度な内容を扱っていること,(3)試験基準では,要求される能力や試験問題の内容・範囲と程度が明確に規定されていること,論理的考察による問題解決やコミュニケーションの能力を重視した試験問題が求められていること。
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