細胞表層の糖タンパク質や糖脂質は,細胞間,あるいは細胞と他の分子とのコミュニケーションに役立っている。糖類を高分子につけることで,この精緻な糖類の機能を取り込んだ機能材料を設計することができる。また一方で,セルロースやアミロースをはじめとする多糖は,代表的なバイオマスである。これらの糖質バイオマスを原料にして,生物学的あるいは化学的な変換を経て,一般の化学物質や汎用高分子,そして機能材料を得る試みが進みつつあり,多岐に渡る物質生産の流れを大きく変えようとしている。日常で使われている高分子化合物を含めた多くの化学物質は,枯渇が懸念される化石資源である石油に大きく依存しており,限りある資源から脱却した再生産可能な糖質に由来する分子設計,材料設計が重要な時代を迎えている。
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