複合材料ではマトリックスと強化材間の結合が重要であり, これは両者間の濡れ性の問題に帰着する。そのために金属系では合金元素が添加される。しかし, 金属基では濡れ性が良好なあまり, 界面での化学反応が過剰になることも好まれない。それは反応生成物が材料全体の強度特性を損なうことが多いことによる。一方, 約10年ほど前からは, この界面反応を積極的に取り入れたin situ複合材料が注目され始めた。それは, このin situ反応により金属内に生成される粒子が微細なうえに, 分布が均一であり, しかも高温安定性が優れるので, 材料特性の向上が期待できることによる。
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