クラーク数はアメリカの偉大な地球化学者, F.W. Clarkeの名前を冠した数値で, クラークの死後, ソ連(当時)の地球化学者フェルスマンによって提唱されたものである。本来の定義である「地下10マイルまでの岩石圏, 水圏, 気圏を含めた元素の重量%」という考えは, その後の地球化学の発展に伴って, 科学的意義を失ってきた。本稿ではクラーク数という概念や数値そのものが中学・高校の教科書ではほとんど取り上げられなくなった背景を説明し, それに変わる概念として地殻の元素存在度について解説する。
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