自動車や機械などの振動・騒音問題に対して,制振材料の適用は最も直接的な対策と言われている。材料の制振機能とは,振動応力から材料の振動系に伝達された力学エネルギーを吸収する能力である。通常,振動応力の位相に対して,材料に生じた歪み応答の位相遅れで,材料の制振機能が評価される。高い制振機能を有し,さらに構造材料として必要な強度・剛性などの力学性質を備える材料が制振材料の開発目標である。これまで,数多くの樹脂複合型制振材料や制振合金が開発されてきたが,優れた制振性能と高い強度・剛性のバランスを示す制振合金の開発が,より一層注目を集めている。
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