今日, 医療の様々な分野で多くの機能性材料が用いられている。そのような材料を開発して行く際の基盤として, 材料化学の役割は増々大きくなっている。ここでは, 例として, 人工臓器の開発において中核となる材料である「抗血栓性材料」の現状と展望について解説を加え, さらに, 薬学分野への材料化学の貢献として, ドラッグデリバリーシステム用材料についても紹介した。いずれの場合においても, 生体内という特殊環境下で, 生体と共存できる性質, すなわち, 「生体適合性」の実現が重要な課題である。
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