レアメタルやレアアースというと,数年前には,レアメタル→希少金属→枯渇,という間違った認識にもとづく短絡的な構図で語られていた。レアメタルに対する認識や理解が一般に広まった今でも誤解は多い。一例を挙げると,「日本に蓄積されたレアメタルは膨大な量なので,これをリサイクルすると日本のレアメタル供給問題は解決する」といった都市鉱山神話,リサイクル万能論の蔓延がある。また,「日本は海で囲まれているので,海底のレアメタル資源を開発したらすべての問題は解決する」といった論調も,今でもよくメディアで目にする。本稿では,レアメタルにまつわる誤解の一部を中学や高校の化学の教員の講義の話題としていくつか提供する。
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