筆者は,マイクロ波加熱の特徴を利用した「二相溶媒法」という微粒子合成方法を考案した。この方法では,同一反応場にマイクロ波を吸収しやすい溶媒と吸収しにくいものの2種類が併存する。この反応場にマイクロ波を照射すると,マイクロ波を吸収しやすい溶媒の温度が急速昇温し,合成反応が高速で生起する。しかしながら,この反応サイトのすぐ傍らにはマイクロ波を吸収せず温度が低い溶媒が存在し,これが反応停止サイトとして機能することにより,ニ次的な粒径成長反応が回避され,その結果目的とする超微粒子を簡単に合成,回収することが可能となる。
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