本誌などで呼びかけたwebアンケートの結果を基に,研修の現状を捉える。都道府県単位の研修や自主研修サークルへの参加・運営に多くの教員がかかわっていることが明らかになった。教員免許更新講習では,実験実習を伴う講座の充実や,従来からの全国研究会への参加を取得単位に認めてほしいという意見が寄せられた。
新潟県では理科教員の教科指導力向上のために様々な研修が設けられている。しかし,定期的に開催されている化学教育の勉強会はなかった。そこで,昨年の2月に新しく化学教育の勉強会を立ち上げたのでその活動内容や現状,課題について具体例を踏まえながら紹介する。
本稿では,筆者が研究室の学生たちの協力を得て行っている,現職教員を対象とする研修(実験講習)の内容について報告する。化学実験教材の開発を研究テーマとする筆者の研究室にとって,教員研修は,研究内容に対する現職の先生方の意見や評価を直接拝聴できる貴重な機会である。また教職を志す学生たちにとっては,学校現場の実情を生の声を通して知ることができる機会となっている。
我々は光の中で生活している。ほぼすべての生物が光環境と相互作用しており,生物の間の情報連絡にも光を利用している。生物界全体を眺めてみると,視覚や光合成といった身近な光受容に加えて,生物ごとに予想以上に多様な光受容分子が存在し,複雑かつ巧妙な仕組みを介して,単なる明るさや形の情報だけでなく,時刻・季節・方位といった情報の取得や外界環境に合わせた生体調節を実現していることが明らかとなってきた。
生物は光を情報やエネルギー源として利用し,化学反応に基づいた生命活動を営んでいる。そのような化学反応にタンパク質が密接にかかわっている。高等学校では,「化学」,「物理」,「生物」,は別に学習するが,本稿では,分子の構造(化学)の視点から生物の光の利用について説明する。具体的には,我々の網膜にも存在するロドプシンを取り上げ,視覚の基礎原理と最先端の応用について触れたい。
検診や病気で病院を受診して,血液の検査を受けた経験のある方は多いと思う。しかし,血液の検査からどこまで病気がわかるのか,わからない病気は何なのか,理解している方は少ないのではなかろうか。まず,肝臓や腎臓を中心に,血液を対象とした検査と化学について概説する。そして,がんはどこまで血液の検査でわかるのか,どのような場合他の検査が必要となるのか,説明する。