化学と教育
Online ISSN : 2424-1830
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67 巻, 12 号
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  • —いかにして斬新な配位説を証明しようとしたか—
    長澤 五十六
    2019 年67 巻12 号 p. 604-607
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2020/12/01
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    構造化学の発展はKekuleの原子価説(1858年)が出発点と考えられる。原子価説は炭素化合物の構造化学に非常に強力なツールを与えたが,種々の金属を含む,無機化合物の構造を解釈するには充分ではなかった。無機化合物の構造化学を発展させたのは,19世紀後半から20世紀の初頭にかけて,Blomstrand-Jörgensenの鎖状構造説とA. Wernerの配位説との間で繰り広げられた論争である。鎖状構造説がKekuleの原子価説の影響を強く受けていたのに対して,配位説は,現在,我々が知る「配位数」という概念を与えた独創的なものであった。これは,後に大きな発展を遂げる学問領域,「配位化学」の基礎となるものである。Wernerはその独創的な配位説の正しさを証明するために,数々の重要な実験結果を生み出していった。彼はこの功績により1913年にノーベル化学賞を受賞した。

  • —分子機械の設計と合成—
    川本 達也
    2019 年67 巻12 号 p. 608-611
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2020/12/01
    解説誌・一般情報誌 フリー

    今や数えきれないほどの化学物質が存在するが,その中でも金属錯体はノーベル賞と関わりの深い物質群のひとつである。金属錯体が関係した研究によって,2016年,ジャン=ピエール・ソバージュ(Jean-Pierre Sauvage,フランス),ジェームス・フレーザー・ストッダート(Sir James Fraser Stoddart,アメリカ),ベルナルド・L・フェリンハ(Bernard L. Feringa,オランダ)の3氏が「分子機械の設計と合成」の功績でノーベル化学賞を受賞したことは記憶に新しいところである。「機械」を手元にある辞書で調べると「物体の組み合わせによってできており,動いていろいろな仕事をする仕掛け」とある。この中の「物体」を「分子」に置き換えたものこそが分子機械である。

シリーズ:ものづくりと学問 ―スイーツと化学―
  • 三浦 靖
    2019 年67 巻12 号 p. 612-613
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2020/12/01
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    ゼリーやプリンなどのハイドロゲル食品のおいしさは,「化学的な味」と「物理的な味」から構成される。前者の因子は味(甘味,酸味,鹹味,苦味,旨味,辛味,渋味)と匂い(オルソネーザルアロマ,レトロネーザルアロマ)である。後者の因子は咀嚼・嚥下音や温度を含めた食品テクスチャーである。この食品テクスチャーには食品の構造が直接的に関わっており,これを制御することが物理的な味の改変といえる。これらは客観的評価(機器計測,生体計測)と主観的評価(官能検査)で行われている。本稿では,ハイドロゲル食品のおいしさに大きく関わっているゲル構造と食品テクスチャーとの関わりについて簡潔に解説する。

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